[介護食]ミキサー食の作り方・おすすめレシピ6選
作成日:2022年12月15日
「介護している親の噛む力が衰えてきた」「ミキサー食があるのは知っているけど、どうやって作ったらいいのかわからない」という悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。
本記事では、ミキサー食の定義、ミキサー食を作る際の注意点、そして具体的なレシピについて解説しています。
ご自宅でミキサー食を作る際、ぜひ参考にしてみてください。
目次
介護食とは?
介護食とは、高齢者が食べやすいように調理された食事のことです。
高齢になると噛む力や飲み込む力が衰えてきます。すると、食事中によくむせるようになったり、食事量が減少する、飲み込みづらいなどの症状が現れます。
噛む力や飲み込む力に合っていない食事をしていると、食べ物や唾液が気管に入ってしまい、喉を詰まらせたり、誤嚥性肺炎を発症するリスクも高くなります。
噛む力や飲み込む力には個人差があるため、その方に合った食事を用意する必要があります。
介護食の区分とは
介護食はやわらかさや粘度によってさまざまな種類があります。
日本介護食品協議会により制定されたユニバーサルデザインフード(UDF)では4つの区分に分けられます。
市販の介護食のパッケージにもこの区分が記載されていることが多いので、購入時の参考になります。
区分1|容易に噛める
噛む力の目安:かたいものや大きいものはやや食べづらい
飲み込む力の目安:普通に飲み込める
かたさの目安:普通のごはん~やわらかごはん、厚焼き卵
区分2|歯ぐきでつぶせる
噛む力の目安:かたいものや大きいものは食べづらい
飲み込む力の目安:ものによっては飲み込みづらいことがある
かたさの目安:やわらかごはん~全がゆ、だし巻き卵
区分3|舌でつぶせる
噛む力の目安:細くてやわらかければ食べられる
飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらいことがある
かたさの目安:全がゆ、スクランブルエッグ
区分4|噛まなくてよい
噛む力の目安:固形物は小さくても食べづらい
飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらい
かたさの目安:ペーストがゆ、やわらかい茶碗蒸し(具なし)
高齢者の食事は、体を維持するための栄養をしっかりと摂取できる食事であることはもちろん大切ですが、食べる力に合わせて「噛みやすい」「飲み込みやすい」食事であることが大切です。
介護食には、きざみ食やソフト食、ミキサー食、嚥下食、流動食などさまざまな種類があります。
その方の食べる力に合わせた介護食を選びましょう。
ミキサー食とは
ミキサー食とは、普通の食事をミキサーにかけてペースト状にした介護食のことです。
歯がない方や口が開きにくい方など、消化機能、吸収機能に問題はないが、噛む力や飲み込む力が弱くなってきている方におすすめの食事です。
ペースト状になっているので消化吸収に優れており、胃腸に負担がかかりにくい食事でもあります。ミキサー食には水分が多く含まれています。
飲み込みやすい一方で、水分が多すぎると口の中で食べ物をまとめることができず、誤嚥(誤って気管に入る)の可能性もあるので、適度なとろみをつけて防ぐことも重要です。
また、通常の食事よりも水分量が多いので、必要なエネルギーを摂取するためには食事量が多くなってしまうため、食べきれないこともあります。
栄養が不足してしまうと低栄養に陥るリスクも高まります。
必要なエネルギーをしっかりと摂取できるように脂質が多く含まれている食材を使用するなどの工夫も必要になります。
ミキサー食を作るのに知っておきたいポイント
ミキサー食を作る際に知っておきたいポイントがあります。
ポイントは主に「ミキサー食に合った食材を使う」「飲み込みやすいようにとろみをつける」「見た目の色合いに配慮する」の3つです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ミキサー食に合った食材を使う
ミキサー食を作る際は、ミキサー食に合った食材を使いましょう。ミキサー食に合った食材、そうでない食材に分けて解説します。
1)ミキサー食に向いている食材
ミキサー食に向いている食材とは、ほうれん草のような葉物、芋や豆のようなでんぷんが多く含まれている食材、繊維が少ないトマトやニンジンのような野菜、脂肪分が多く含まれている魚や肉です。
これらの食材は、やわらかく、ミキサー食に向いています。口の中に残ることも少ないです。
2)ミキサー食に向いていない食材
キノコ類、こんにゃくのような弾力がある食材、ゴボウのような繊維が多く含まれる野菜、脂分が少ない魚や肉は、ミキサー食に向いていません。
喉越しが良くないので飲み込みにくく、口の中に食べ物が残りやすいです。また、酸味のある食材もミキサー食には向いていません。
飲み込みやすいようにとろみをつける
誤嚥を防ぐため、また飲み込みやすくするためには、食感に気を配る必要があります。
ミキサー食は、スプーンでたらした時に、しずくがポタポタと落ち、すぐに形がなくなるぐらいの硬さが適しています。
ポタージュほどの粘度があると食べやすく、飲み込みやすいです。
水分の少ない食材や料理の場合は、水やだし汁などを適度に足して濃度を調整します。
ミキサー食は水分を多く含むため、誤嚥を招きやすくなります。片栗粉やコーンスターチなどの増粘剤を使って適度なとろみをつけ、誤嚥を防ぎます。
一方で、粘度がありすぎるとかえって飲み込みにくくなってしまい、喉を詰まらせてしまう危険性もあるので注意が必要です。
見た目の色合いに配慮する
ミキサー食は普通の食事を全てミキサーにかけてドロドロの状態にするため、見た目が悪くなってしまいます。
しかし、見た目が悪い食事は、どうしても食欲をそそりません。食欲不振を防ぐためにも、見た目に配慮することはとても大切です。
見た目をよくする工夫の一つに、全部一緒にミキサーにかけない、というものがあります。
食材ごとにミキサーにかけることで、ミキサーにかける前の食材と色がほとんど変わらず、見た目をよくできます。
また、盛りつけ方を工夫すると全体の色合いもよくなります。
品目ごとに皿を変える、緑や赤など色がはっきりしている品目の隣に暗めの色の品目を乗せる、などの工夫をしてみてください。
ミキサーにかける前の料理を見せてあげることやこれは何の料理と伝えてあげることも食欲アップに効果的です。
肉を使ったミキサー食のレシピ
肉を使ったおすすめのレシピを2つご紹介します。
から揚げ
参考:ミキサーゲルのレシピ|株式会社宮源
材料(2食分)
・から揚げ50g
・お湯50ml
・ミキサーゲル0.8g(総体の0.8%)
作り方
①から揚げとお湯を一緒にミキサーにかけます。
②キサーゲルを加え、再びミキサーを回します。
ハンバーグ
参考:ミキサーゲルのレシピ|株式会社宮源
材料(1食分)
・ハンバーグ100g
・お湯100ml
・ミキサーゲル1.5g(総体の0.8%)
・ソース適量
・片栗粉適量
作り方
①ハンバーグを小さい塊にし、ミキサーに入れます。
②お湯を加えてミキサーを回します。
③ミキサーゲルを加えて再びミキサーを回します。
④容器に盛り付け、片栗粉で少しとろみをつけたソースをかけて出来上がりです。
魚を使ったミキサー食のレシピ
続いて、魚を使ったレシピを2つご紹介します。
鮭のムース
参考:鮭のムース 介護食|クックパッド
材料(1食分)
・鮭1切れ
・小さめの卵1個
・牛乳25ml
作り方
①鮭の骨と皮を取り除き、ミキサーにかけます。
②卵を加えてミキサーを再び回します。
③牛乳を加え、耐熱容器に入れ、アルミホイルでふたをします。
④鍋に容器を入れ、容器が半分ほどつかる程度に水を入れます。容器を一度鍋から出し、火にかけます。お湯が沸騰したら一度火を止め容器を入れます。
⑤鍋にふたをし、弱火で約15分蒸します。表面に弾力がでたら出来上がりです。
煮魚
参考:ミキサーゲルのレシピ|株式会社宮源
材料(1食分)
・煮魚100g
・お湯100ml
・ミキサーゲル1.5g(総体の0.8%)
・だし汁(盛り付け用)
・片栗粉適量
作り方
①煮魚の骨と皮を取り除き、適当な大きさの塊にほぐします。
②①とお湯を一緒にミキサーにかけます。
③ミキサーゲルを加え、再びミキサーを回します。
④片栗粉でとろみをつけただし汁を容器に入れ、3)を盛りつけます。
野菜・果物を使ったミキサー食のレシピ
最後に、野菜・果物を使ったレシピを3つご紹介します。
リンゴとサツマイモの甘煮
参考:介護食 りんごとサツマイモの甘煮|クックパッド
材料(2食分)
・リンゴ1/2個
・蒸したサツマイモ1/2本
・シュガーレス甘味料大さじ1杯
・水適量
作り方
①リンゴの皮をむき、いちょう切りにします。サツマイモは輪切りにします。
②鍋にリンゴと、水を100ml加えて煮ます。
③リンゴがやわらかくなったら一度火を止め、甘味料を加えて混ぜます。
④サツマイモを加え再び火にかけ、水が足りなくなったら加えます。サツマイモがやわらかくなったら火を止めます。
⑤全体をミキサーにかけて出来上がりです。
ほうれん草
参考:ミキサーゲルのレシピ|株式会社宮源
材料
・ほうれん草100g
・だし汁100ml
・ミキサーゲル3g(だし汁が冷たい場合。だし汁があたたかい場合は1.6g)
作り方
①ほうれん草はできるだけ葉の部分を使い、やわらかくなるまで茹でます。
②だし汁とほうれん草を一緒にミキサーにかけます。
③ミキサーゲルを加えて再びミキサーを回します。容器に盛りつけて完成です。
いちご
参考:ミキサーゲルのレシピ|株式会社宮源
材料
・いちご200g
・ミキサーゲル3g~4g
・砂糖適量(甘さの調整)
・練乳適量(おいしさの調整)
作り方
①いちごのヘタは取り除き、しっかり冷水で洗います。
②練乳以外の材料をすべて一緒に、ミキサーにかけます。
③容器に移し、練乳で味付けをしたら出来上がりです。
まとめ
噛む力や飲み込む力が弱くなってきた高齢者向けのミキサー食についてご紹介しました。
誤嚥を防ぐためには、食事の内容も大切ですが食事をする姿勢も大切です。テーブルで食事を食べる場合は、深く椅子に腰掛けて足を床にしっかりとつけましょう。
テーブルの高さはみぞおちくらいの高さが適切です。また、テレビなどがついているとそちらに気が向いてしまいます。
ゆっくりと食事に集中できる環境作りも心がけましょう。
ミキサー食は食材をミキサーにかけて作るため、どうしても見た目が悪くなりがちです。
作る上で大切なのは、見た目の色合いに配慮することと、適度なとろみをつけて食べやすい食感にすることです。
しかし、1日3食の食事を全て自分で作るのはなかなか手間がかかりますよね。
そこでおすすめなのが、高齢者向けのお弁当を毎日配達してくれる宅配弁当です。
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さらに、アレルギーやおかゆ、きざみ食にしてほしいといった希望にも無料で個別対応してくれます。
注文は電話でO K!前日までに注文すれば翌日には自宅に届けてくれます。
1食からも注文可能なので予定に合わせて利用することができます。
健康維持のためには、栄養バランスのよい食事を継続することが欠かせません。
ご家族の予定やお仕事で忙しいなど、毎食介護食を作ることが難しいこともありますよね。
そんな時には高齢者向けに食べやすく調理された宅配弁当を活用してみるのもおすすめです。
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