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高齢者にとって適切な塩分摂取量とは?

作成日:2019年1月7日

高齢者にとって適切な塩分摂取量とは?

高齢者の塩分摂取はどれくらいがいいの?ご家族の食事を用意する方にとって、とても気になるテーマではないでしょうか。摂りすぎがよくないことは多くの方が理解されていると思います。ただ、減塩することが必ずしも健康に直結するとも言えないのです。

この記事では、高齢者の適切な塩分量や日々の食事に活かせる食品の目安も紹介します。高齢のご家族の健康管理に、ぜひお役立てください。

日本人の平均的な塩分摂取量は

平成28年度国民健康栄養調査結果にもとづき、日本人(20歳以上)の1日あたりの食塩摂取量を10年前と比較してみましょう。

<1日あたりの食塩摂取量の平均値>

性別平成18年平成28年
男性12.2g10.8g
女性10.5g9.2g

最近の健康意識の高まりもあり、男女とも摂取量が減っているのがわかります。ただ、厚生労働省の定める塩分摂取基準量(2015年版)は成人男性で「8.0g」、成人女性で「7.0g」です。つまりまだ塩分摂取が必要量を超えているのです。したがって健康的な食事のためには、まずこの数値で収まるような塩分摂取を心がけましょう。

※出典
平成 28年 国民健康・栄養調査結果の概要|第2章栄養・食生活に関する状況 1.食塩摂取量の状況
日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要|7.策定した食事摂取基準(ナトリウムの食事摂取基準)

高齢者の塩分摂取量

たとえ健康な場合でも、高齢者の食事には特別な配慮が必要です。ここからは高齢者の塩分摂取量について、適量や注意点などを詳しく解説します。

高齢者の塩分摂取量は1日6グラムが適切

高齢者にとって適切な塩分摂取量は1日6.0gとされています。これは日本高血圧学会の推奨する量にならうものです。高血圧でなくても、高齢者は腎機能が弱ってくることもあり、この摂取量が勧められているのです。

また上述の「日本人の平均的な塩分摂取量」でわかるように、日本人は塩分を摂りすぎています。日本以外の国では、食塩摂取量が少ない地域ほど高血圧の人の割合も少ないという報告もあり、減塩習慣を根づかせる目的もあるためです。

参考:日本高血圧学会 減塩委員会

塩分6グラムの目安とは

1日の適切な摂取量「6.0g」をクリアするために、調味料や身近な食品にどれくらいの塩分が含まれているかをチェックしましょう。ぜひ毎日の料理や食事に活用してください。

<調味料>

食品名小さじ1大さじ1
食塩6.0g18.0g
薄口しょう油1.0g2.9g
ウスターソース0.5g1.5g
ケチャップ0.2g0.5g

<食塩量の多い食品>

食品名重量目安量塩分量
塩鮭(甘口)80g1切れ2.1g
あじ干物60g小1枚1.0g
梅干し13g中1個2.9g
のり佃煮15g大さじ10.9g

<食塩量の比較的多い食品>

食品名重量目安量塩分量
食パン60g6枚切り1枚0.8g
ベーコン20g1枚0.4g
チーズ28g三角チーズ1個0.8g
バター13g大さじ10.2g

以上、朝食でもおなじみの食品をいくつか挙げました。もちろんほんの一例ですが、組み合わせによっては一般的な朝食メニューで目標「6.0g」の3分の1である「2.0g」を軽く超えてしまうことがわかります。塩分摂取量を抑えるのは容易なことではありません。

目標の摂取量で収めるには、「食品ごとの塩分量を確認する」「減塩タイプの調味料を使う」などの気配りが必要です。

味噌については「塩分の排出効果がある」「1日に2~3杯程度の味噌汁は塩分摂取について気にしなくよいという考えが主流になっている」などの点から、一覧表には記載していません。

※引用
塩分早わかり表|marumaru

高齢者が塩分を取りすぎてしまう理由

高齢者の塩分摂取量について注意したいのが、高齢者ゆえの「摂りすぎ」です。その理由を2つ解説します。

味蕾(みらい)の減退

味蕾(みらい)とは舌にある細胞のことで、脳に味を伝導する役割をもちます。これが減少したり衰えたりすることで味覚が落ち、つい濃い味を欲してしまうのです。

唾液の分泌量減少

唾液の中の酵素には、食べ物を分解して味をよくしたり、味蕾(みらい)の感度を高める働きがあります。加齢にともなう唾液の減少が、これらの働きを鈍くしてやはり濃い味を求めてしまうのです。

高齢者の塩分摂取量は、適切な範囲におさめることが大切

高齢者の塩分の摂りすぎは要注意です。ただ、塩分の極端な制限や不足もよくありません。適量の摂取が大切なのです。ここでは、塩分の過剰摂取と摂取不足が招くリスクについてそれぞれ解説します。

塩分摂取量が多い場合のリスク

塩分摂取量が少ないと、高血圧になり、心筋梗塞や心不全など、様々な病気を引き起こすリスクがあります。塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウム濃度が高くなります。するとそれを薄めようとして血管内に水分が届けられ、血液量が増えます。

その結果、血管への圧力が上昇していわゆる高血圧になります。高血圧になると、血管への負担が増して損傷しやすくなったり、血管の壁が厚くなり内部が狭くなり、心筋梗塞・心不全などにつながることもあります。

事実、日本国内においてこれらの病気と塩分の過剰摂取には密接な関係があるというデータが報告されています。逆に減塩したことで、これらの病気での死亡率が下がったという実例もあります。

塩分は毎日の食事に欠かせませんが、「ついついとり過ぎ」で思いがけない病気にならないよう、適切な摂取を心がけましょう。

※参考
高齢者における1日当たりのナトリウム摂取量、多すぎても少なすぎても10年間の死亡リスクが上昇|日経メディカル

塩分摂取量が少ない場合のリスク

塩分が欠乏すると「低ナトリウム血症」になるリスクがあります。低ナトリウム血症になると、食欲や新陳代謝の低下などにつながります。さらに深刻な場合、筋肉の痙攣(けいれん)や心臓の収縮力低下のリスクもあります。これは、神経細胞を通じて筋肉に刺激を伝えるという働きを欠乏によって阻害されるために起こります。

また、血管性認知症を発症しやすくなるという報告もあります。

規則正しく食事をしていれば以上のような欠乏症を招くことはありません。高齢者にとって注意したいのは、熱中症や風邪による発熱などで多量の汗をかくことです。もし体調がすぐれないときは、水分だけでなく適度な塩分も補給するようにしましょう。

※参考
気をつけろ!減塩しすぎると「認知症」になる|週刊現代

まとめ

適切な塩分摂取量を守るのは高齢者の健康長寿にとって大切なことです。とは言え、毎日の食事で塩分量に気を配るのは大変です。そこで頼りになるのが、高齢者向けの宅配弁当です。

まごころ弁当は、適切な塩分量で栄養バランスも味もいいと大変人気です。今なら無料試食もできるので、ぜひ1度お問い合わせください。

この記事の提供元:シルバーライフ

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