食事介助の適切な時間は?介助の時間配分について解説
作成日:2019年2月6日
高齢のご家族の食事介助をするとき、時間をかけ過ぎていないか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事ではそのような方に向け、介助の目安時間や介助時間を短くするための工夫について解説します。
また、食事介助で知っておきたいポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。介助時間の改善方法だけでなく、楽しい食事時間をつくり出すヒントも見つかるはずです。
目次
食事介助にかける時間の目安は
食事介助の時間に厳密なルールはありませんが、ひとつの目安は30分です。30分以上かかると疲れてしまい、飲み込みも悪くなります。また、食べ終える前に満腹になってしまったり眠気が出てきたりなどして、食欲そのものも低下します。場合によっては胃腸に負担をかけることもあるため、長くても1時間以内で済ませるのが基本です。
食事の量や食べやすさ、介助方法などを見直して、目安時間内に食事を終えられるよう工夫しましょう。時間内に食事量の1/3程度を食べられているかどうかがひとつの目安です。30分たっても半分以上が残っているからと、無理やり食べさせるのはよくありません。誤嚥につながる可能性があります。
食事が進まない理由としては「おいしくない」「食べにくい」などの理由が考えられます。さらには「唾液が出にくい」「口内炎や舌炎があって痛い」など身体的な原因も考えられるため、これらに気を配りながら、時間をかけないで食べられるように工夫をしましょう。
食事前の介助で知っておきたいポイント
介助時間をかけ過ぎないために、食事前にできることがあります。ここではすぐに実践できる簡単なポイントを紹介します
食事の時間のリズムを一定にする
食事の時間はなるべく一定の時間に設けましょう。体は決まった時間に空腹を感じたり、食べ物を受けつけやすくなったりするためです。逆に不規則な食事間隔では、「空腹を感じないため食欲がわかない」「時間まで待てず間食し過ぎて食事が食べられない」といったことになりかねません。間食のタイミングを含めた規則的な時間配分を心がけてください。
食べる時間がかかりすぎないように、適切な食事形態で準備する
食事形態を工夫するだけで、大幅な食事時間の改善が見込めます。たとえばご飯をおかゆにするなど、調理法を変えて食べやすくしましょう。食材のサイズを細かくすることも効果的です。また、喉ごしがよいもの、噛む回数が少なくて済むものも食べやすいです。
ただし食べやすさにばかり目が向いた結果、「おいしくない」「好みではない」と感じてしまっては逆効果です。形態を工夫しながら味や見た目、好みにも気を配りましょう。
食事中の介助で知っておきたいポイント
ここでは介助時間をかけ過ぎないために、食事中の介助で知っておきたいポイントを紹介します。
飲み込んだことを確認してから、次の一口を食べてもらう
食事を飲み込んだかしっかりと確認し、口に残っていない状態で次の一口を食べてもらいましょう。口の中に食べ物が残っている状態で口を開くと、誤嚥につながりやすいためです。
また、ご高齢の方には「むせやすい」「飲み込みにくい」などの嚥下障害に悩む方もいるため、次々と口に運んでせかさないことも大切です。むせてしまった場合には、少し休んでから次の一口を運ぶようにしましょう。
食事時間の目安は30分、食事量の目安は1/3と考える
食事時間は30分、食事量は全体の1/3を目安にしましょう。時間をかけ過ぎると食べる側に疲労を与えてしまう上、消化不良につながります。また、無理に食べさせると誤嚥の原因にもなります。
目安時間内に食べないときは、いったん食事を終えましょう。ただし脱水を防ぐため、十分に水分補給ができるよう注意してください。食事の合間にこまめに補給することがポイントです。
食事後の介助で知っておきたいポイント
毎回の食事をスムーズに進めるためには、食事後の介助も重要です。ここでは食事後の介助で知っておきたいポイントを解説します。
食後すぐに口腔ケアをする
歯を磨くことに加え、十分なうがいやすすぎで食べ物が残らないようにしましょう。口の中を清潔に保つことは、スムーズな食事につながります。
たとえば、虫歯や歯周病などのトラブルがあると食事が進みにくくなります。また、入れ歯と歯茎の間に食べ物が挟まっていると、次の食事で物が噛みにくくなります。
食後すぐには横にならない
食後すぐに横になると、食べたものが逆流しやすくなります。場合によっては逆流した食べ物や胃酸などでむせてしまい、肺炎を引き起こすこともあります。さらに、逆流性食道炎への注意も必要です。
これらを防ぐために、横になるのは食後20~30分経ってからにしましょう。健康な体を維持してこそ、毎回の食事が楽しく円滑なものになります。
まとめ
食事の介助時間は工夫次第で改善できます。ただ、それは時間の短縮だけが目的ではありません。ご家族が「おいしい」「楽しい」と思ってこその工夫です。とはいえ、食べやすくおいしい食事を作るために、毎日調理法を工夫するのは大変です。そこで活用したいのがご高齢の方向けの宅配弁当です。
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