高齢者の一人暮らしで起こる問題とは?知っておきたいサポート方法
作成日:2022年12月13日
かつては2世帯・3世帯同居が多かった日本ですが、近年は核家族化や少子高齢化が進んだことで、一人暮らしの高齢の方が増加しています。
一人暮らしをしている高齢の家族がいるが、さまざまな事情により同居が難しいという人も多いでしょう。
この記事では、一人暮らしの高齢の方が増加している理由や起こりやすいトラブル、その一人暮らしのサポート方法について解説しています。ぜひ参考にしてください。
目次
高齢者の一人暮らしが増えている
現在の日本の高齢の方の割合と、一人暮らしの人口の推移を過去のデータをもとに解説していきます。
日本の高齢者の割合はどれくらい?
日本の現在の人口は2020年のデータによると、1億2,571万人となっています。
65歳以上の人口は3,619万人であり、この数値は総人口の28.8%を占めています。
これは高齢化率とも呼ばれる割合で、高齢者と言われる人口は今後も増加し、2065年には国民のおよそ2.6人に一人が、およそ3.9人に一人が75歳以上となる見通しが立っています。
15~64歳の現役世代と呼ばれる人口の1.3人で、一人の高齢者を支える社会が到来しようとしています。
※参考:「令和3年版高齢社会白書」
一人暮らしをする高齢者人口の推移
※参考:「令和3年版高齢社会白書」
65歳以上の一人暮らしの人数は、1980年には88万1千人でしたが、2015年には592万8千人と大幅に増えていることが分かります。
65歳以上の一人暮らしの増加は止まらず、2040年には896万3千人にまで増えると予想されているのです。
一人暮らしをしている高齢の方は特に女性が多いと判明しており、2015年時点では男性は13.3%ですが、女性はおよそ倍の21.1%となっています。
しかしこの割合は徐々に男女差が縮まると予想されており、2040年では男性が20.8%、女性が24.5%となる見通しです。
男性も高齢になるにつれて、一人暮らしをすると予想されているのです。
また、未婚化も進んでおり、50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合を数値であらわした「生涯未婚率」も増加しています。
そのため、高齢の親と成人している子どもの世帯も増えています。今後、家族を持たず高齢になる方が増えると予想されていることからも高齢者の一人暮らしは増加していくと言われています。
高齢者が一人暮らしする理由とは?
高齢の方が一人暮らしをする理由にはどのようなものがあるでしょうか。
アンケート結果から判明した理由をご紹介します。
今の暮らしに満足している高齢者が多い
内閣府の調査によると、一人暮らしをしている高齢の方のうち、78.7%が「現在の自分の生活に満足している」と、さらに76.3%が「今のまま一人暮らしでよい」と回答しており、今の暮らしに満足している高齢の方が多いことがうかがい知れます。
また、76.3%が「退屈だとは感じていない」とも判明しており、比較的今の暮らしに充足感を覚えていることが分かります。
※参考:平成26年度 一人暮らし高齢者に関する意識調査結果
頼れる家族や知人がいない
先ほどの調査結果では「一人でよい」と感じている高齢の方が多いとありましたが、全員が「一人でよい」と感じながら一人暮らしをしているわけではありません。
内閣府の調査では、以下3つの項目に関して、「そのことでは頼りたいと思わない」または「あてはまる人はいない」と回答した人がおり、その割合について、このような結果が明らかになっています。
■病院への付き添いや、送り迎えなどを頼みたい相手……57.9%
■ふだんの買いものを頼みたい相手……66.1%
■健康や介護などについて相談したい相手……27.1%
この結果からは、頼れる家族や知人がいない高齢の方も多いと分かります。
※参考:平成26年度 一人暮らし高齢者に関する意識調査結果
高齢者の一人暮らしで生じやすい問題
高齢の方が一人暮らしをすることで生じやすい問題とはなんでしょうか。問題について解説します。
低栄養に陥る
低栄養とは、健康を維持するための栄養が十分にとれていない状態のことです。
加齢により食べる力や内臓機能などは徐々に衰えてくるため、食事量が減少するのは自然なことですが、栄養バランスが偏った食事を続けていると、筋肉量の減少や運動機能の低下、骨が弱くなる、認知機能が低下するなどの症状が現れます。
一人暮らしをしている高齢な方は、一人で食事をするため寂しさを感じる孤食に陥りがちです。
一人だと食事の内容や量に気を使わなくなり、食に対する意欲が低下してしまうのです。
それに加え、住まいの近隣に商業施設がない、足腰が悪くてなかなか買いものにいけないなどの理由もあり低栄養に陥りがちです。
年寄りなので肉や魚を摂取せずともよいといった勘違いも低栄養に陥る要因です。
加齢に伴う筋肉量の減少は自然な老衰現象で避けることはできませんが、低栄養になると寝たきりになるリスクも高まります。
認知症が進行する
認知高齢者の人口は年々増加しており、いまや社会問題となっています。
一人暮らしの高齢の方は頻繁に孤独を感じるシーンがあり、孤独を感じる人ほど認知症のリスクも高まってしまうのです。
認知症とは、さまざまな原因によって、正常に発達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下している状態で、日常生活に支障をきたしている状態のことです。
認知症の症状は、直前の行動を思い出せなくなる記憶障害や判断力の低下、運動機能障害、言語障害、時間や場所などがわからなくなる見当意識障害などがあります。
また、環境やその方の性格など、さまざまな要因によって、抗うつや不安などの精神症状や妄想、徘徊、暴力的になるなどの症状が現れることもあります。
同居人がいれば、認知症の可能性に気づけますが一人暮らしだとわかりません。
もの忘れなども認知症の初期症状として挙げられますが、深刻さになかなか気がつかないことが多いのです。
本人に自覚がないため、知らないうちに症状が進行してしまうことも少なくありません。
認知症が進行すると、判断力などが低下するためコンロの火をつけたまま忘れてしまうことや薬を飲み忘れることや飲みすぎてしまうといった恐れもあり、命に関わる危険性もあります。
また、暑さや寒さを感じにくくなったり、喉の渇きを感じにくくなったりするため、気が付かないうちに熱中症や脱水症状を引き起こす可能性もあります。
認知症が進行すると、日常生活が困難になるだけでなく詐欺などの犯罪に巻き込まれるリスクも高くなります。
詐欺などの犯罪被害に遭う
高齢の方が狙われるのは、振り込め詐欺だけではありません。悪質な手口で商品を売りつける悪質商法もそのひとつです。
高齢の方から寄せられる国民生活センターへの被害相談件数は、年々増加傾向にあるといわれています。
トラブルは、電話でサービスを勧誘する販売、訪問による販売、インターネットでの通販が多くなっており、詐欺に遭いやすくなっています。
その理由は、高齢の方の金銭、健康、孤独などの問題に関する不安を煽り、財産を狙いやすいからです。
生き甲斐の消失・老人性うつ病
高齢になると身体的・知能的な機能の低下を自覚するようになります。
定年退職によって社会的な地位や役割を失う、配偶者や兄弟、友人、知人の死といった体験が喪失感を与えるからです。
また、外出の機会が少なくなることで人との関わりが少なくなることや、体力的な面からも趣味に打ち込むことも難しくなることによって、生き甲斐が消失したような気持ちになってしまうのです。
これがきっかけとなって老人性うつ病を発症する高齢の方も増えており、うつ病有病率は13.5%という調査結果も出ています。
うつ病は、男性は40代が発症のピークですが、女性は30~70代まで発症のピークが続き、女性が発症しやすいことも判明しています。
老人性うつ病は、息苦しさや頭痛、めまい、胃痛、食欲不振などの身体的な不調や、不安、焦燥感を感じる、妄想などの症状が現れることが特徴です。
身体的・精神的な症状から痴呆症と間違われやすく、発見や治療が遅れてしまうケースもあります。
孤独死の可能性も
高齢になると友人や知人との交流が減少し、外に出ることや他人との会話が煩わしく感じてしまい、家の中に引きこもるようになります。
そして、体調が悪くなっても誰にも言わず、気づかれないまま一人で死を迎え、時間が経過してから遺体で発見されます。
このような高齢の方の孤独死は年々増加しており、東京では65歳以上の孤独死数は2003(平成15)年で1,441人、2012(平成24)年では2,727人でなっており、約10年間で2倍近く増えています。
孤独死をするのは女性よりも男性に多い傾向があります。男性の方が料理などの家事が苦手な方や近所付き合いが苦手な方が多いことがその理由のひとつと言われています。
近年、近所付き合いが希薄になってきたことや核家族化によって高齢者だけで生活している家庭が増えたことも孤独死が増えている原因のひとつです。高齢の方の孤独死は避けられない問題なのです。
高齢者の一人暮らしを支える方法
一人暮らしの高齢の方を支えるには家族の努力では難しいため、民間のサービスや地域のサポート体制の利用も考えましょう。
自治体のサービスを利用する
各自治体では、一人暮らしの高齢の方向けの支援サービスとして、「安否確認」「緊急通報システムの設置」「外出支援」「サロンの開催」「金銭管理」などでサポートしてします。
また、介護保険を利用したサービスや、緊急通報装置のレンタル事業、徘徊高齢者などに向けた家族支援事業などの福祉サービスもあります。
介護保険を利用して受けられる介護サービスには、在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスがあります。
在宅サービスとは、訪問介護や訪問リハビリ、デイサービスなどに通う通所介護などのことで、施設サービスとは、特別養護老人ホームなどに入所している方が利用する介護サービスのことです。
地域密着型サービスは、住み慣れた地域でできる限り生活ができるように提供されているサービスです。
市町村により指定を受けた事業者が、その地域に住んでいる方を対象に行っており、訪問サービスや通所サービスなどがあります。
これらの介護サービスを受けるためには、要支援あるいは要介護の認定を受けることが必要になります。
サービスの詳細については、自治体の福祉関係の窓口に相談することをおすすめします。
地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターとは、地域に住む高齢の方をサポートするための公的な相談窓口です。
対象の地域に住んでいる65歳以上の高齢者の方やその支援や介護に携わっている方が利用できます。
センターにはケアマネージャー、社会福祉士、保健師などが常駐しており、介護、医療、保健福祉といったそれぞれの専門的な立場からサポートしています。
高齢の方にとって重要な介護サービスや保健福祉サービス、日常生活支援などを行っており、家族からの相談にも乗っています。
福祉だけでなく、行政や医療などと連帯をとりながら対応してくれることが特徴です。
地域包括支援センターは日本各地に5,221ヶ所(令和2年度)ありますので、相談したい場合はお近くの地域包括支援センターに問い合わせしてみましょう。
離れて暮らしているご両親のことについて相談したい場合は、ご両親が住んでいる地域の地域包括支援センターに連絡する必要がありますので注意しましょう。
また、自治体によって呼び名が異なる場合もありますので、H Pなどでご確認ください。
見守りサービスを活用する
見守りサービスとは、民間の企業や団体の担当者が高齢の方の自宅を訪問する、IT技術を活用したセンサーで室内を監視するなどのサービスのことです。
訪問タイプの見守りサービスでは、郵便局員や電気・水道の検針員などによる声かけで安全を見守るというものです。
警備会社などが展開する見守りサービスでは、センサーで室内を監視するだけでなく、連携する看護師に無料相談できるシステムも整えられています。
このような見守りサービスは、介護保険が適用されず全額自己負担となります。
しかし、異常が起きたときに早期発見できるというメリットがありますので、検討してみるのもよいでしょう。
サービスによって内容も様々ですし、費用も異なりますので、ライフスタイルに適したものを選びましょう。
成年後見制度を利用する
高齢になると判断能力が低下していき、悪質な業者に騙されて契約を結んだり金銭の管理が難しくなったりします。その場合は、成年後見制度を考えてみましょう。
成年後見制度とは、判断能力が低下した高齢の方の代理人として、財産の管理や契約の締結・取り消しをする制度です。
信頼できる家族や友人がなる「任意後見制度」と、家庭裁判所が決める「成年後見制度」のふたつがあります。
一般人が務める任意後見人と司法書士や弁護士が務める成年後見人とでは、代行できることの範囲が大きく異なりますので、よく検討してから利用しましょう。
食生活をサポートするサービスを利用する
たとえ症状が軽度であっても、認知機能の低下から食事が作れなくなることや、もの忘れによって食事に影響が出ることも考えられます。
栄養に気を配ることも難しくなるため、同じものを食べ続けたり、賞味期限が切れているとわからず食べてしまったりする場合もあるでしょう。
食事から栄養をしっかりと摂取することは健康維持には欠かせないことです。
買い物や自炊が難しくなってきた場合は、高齢者向けの食事宅配サービスの活用も検討してみましょう。
「まごころ弁当」は、原材料にこだわり抜き、ご高齢の方に向けた味付け、栄養バランスなどに配慮した美味しいお弁当を毎日、日替わり献立でお届けします。
もちろん、1回だけ1食だけのご注文も可能ですので、ご予定に合わせて利用することができます。
毎食ごとに配達を行い、お弁当を手渡ししているので、一人暮らしの高齢者の見守りにもなります。
食事宅配サービスを活用することで、買い物や調理の準備、後片付けなどの手間を省くことができ、家事の負担も軽減できます。
一人暮らしの高齢者の限界について
本人が一人暮らしを希望していても、生活に不安や孤独を抱えている場合があります。どのようなサインが出たら、同居や施設への入居を検討すべきなのでしょうか。
・火を消し忘れるなど危ない出来事が増えた
・冷蔵庫がいっぱいになるほどものを買い込むようになった
・薬を飲み忘れるようになった
・家までの道が分からなくなり、迷ってしまった
・配偶者やペットを亡くした
・尿を失禁してしまうなどのトラブル
24時間見守れる制度やサービスは、現状用意されておらず、施設に入居するか同居するかでしか高齢の方を見守れません。
こういったサインは生命に関わるものですから、見逃さないよう、まめに連絡を取りましょう。
やはり近くに家族など頼れる人がいることは高齢者の方にとっても安心感がありますし、ご家族の方も高齢者の方の変化に気が付きやすく、万が一の事態が起きた時にも早く対応できるので安心です。
同居が難しい場合は、近居をするという選択肢もありますし、高齢者向け住宅や介護施設に入居するという選択肢もあります。
もしサインを感じたら、限界が来る前に同居や施設への入居を検討しましょう。
一人暮らしの高齢者についてのまとめ
日本の高齢化社会は今後も進むと予想され、老人の一人暮らし化も増えること、それによって孤独死などの問題も起きています。
自治体や民間のサービスを利用して、見守りも必要になってくるでしょう。
不健康な食生活に陥りがちな高齢の方の一人暮らしを支え、日替わりで美味しいお弁当を届けてくれるサービスに「まごころ弁当」があります。
原材料にこだわり、生活スタイルに合わせて注文できますので、まずはこちらの利用から始めてみてはいかがでしょうか。
まごころ弁当のお弁当は、高齢者の方向けに様々な工夫を凝らして作られたお弁当です。
管理栄養士がメニューを考えているので、栄養バランスにも配慮されています。健康状態に合わせて選べる5つのお弁当を選べます。
普通食のお弁当はもちろん、カロリー制限をしている方向けのお弁当、たんぱく質を制限している方向けのお弁当、咀嚼や嚥下が難しくなってきた方向けのムース食のお弁当など、食べる力に合わせて選べるメニューが豊富です。
さらに、ごはんをおかゆにしてほしい、食材にアレルギーがある、きざみ食にしてほしいなどの希望にも個別で対応してくれます。
お弁当のメニューは和洋中とバリエーションも豊富で、季節ごとにメニューが変わるため、マンネリ解消にも役立ちますし、食事の楽しみも増えますよ。
前日までに注文すれば自宅に届けてくれるので、予定に合わせて注文できます。
「おかずのみ」や「おかずとごはんセット」も選べるので、ごはんは自宅で炊くので、おかずだけ欲しいといった注文方法も可能です。
食事を美味しく食べられることは健康維持には欠かせないことです。
まごころ弁当のお弁当は、毎食自炊をするのが難しい方や噛む力や飲み込む力が衰えてきたと感じるご高齢者の方におすすめです。
毎食ごとに配達を行い、お弁当を手渡ししているので、一人暮らしの高齢者の安否確認にもなります。
今なら初回のみ1度に2食まで無料試食サービスを行っています。
この機会にぜひお試しください。