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介護保険制度の2018年度改正内容まとめ|基礎からわかりやすく解説

作成日:2022年9月26日

介護保険制度の2018年度改正内容まとめ|基礎からわかりやすく解説

2018年に5回目の改定をした介護保険制度では、負担額が3割とニュースでも大きく報道されました。

家族内だけでの介護は負担が大きく、介護保険を使ってサービスを利用される方のなかには、「なぜ自己負担額が上がったの?」「そもそも介護保険法とは?」などと気になっている方も多いでしょう。

利用できるサービスや、2018年の介護保険制度改定の内容、2018年改正に至るまでの過去の改定内容を知りたいという方もいらっしゃるかと思います。

そこで本記事では、介護保険制度についてよく知らない方でもわかるように、介護保険法の2018年度に行われた介護保険制度改正の内容や、これまでの変遷についてひとつずつ解説していきます。

ぜひ参考にしてください。

2018年度の主な改正内容まとめ

介護保険制度は2000年から始まり、3年ごとに見直しされ、改定されてきました。

2018年に実施された改定について、どんなことが変わったのかまとめました。

一部利用者の自己負担割合の変更

今まではサービスを利用すると、利用したサービス料の1割、もしくは所得の高い一部の方については2割が自己負担でした。

しかし2018年の介護保険制度改定後は、介護保険法の制度維持のため、2割負担の利用者の内さらに一部の方が3割負担となりました。

所得の多い340万円以上の方は3割、280万以上で2割、それ以下の方は1割負担することになっています。

なお、月々の自己負担額の上限は44,000円とされています。

厚生労働省の発表によると、3割負担となるのは約12万人です。

ニュースでも「3割に増加」と大々的に取り上げられていましたが、3割負担となる対象者は、利用者全体の3%程度です。

負担額は増えますが、介護サービスを利用した一か月の利用額が上限を越えると払い戻される制度も設けられています。

医療および介護サービスを提供する「介護医療院」の創設

これまでは、病院内の療養病床である程度病状の安定した方に対して、リハビリや医療措置を取ってきましたが、2017年で廃止となりました。

2018年の介護保険制度改訂により、新しく介護医療院という施設が創設されました。

利用者の医療を必要とするレベルに合わせてI型、II型と分け、それぞれに合わせた医療措置を行います。

• I型:介護の必要度が高く体調が悪化、急変する可能性がある方
• II型:病状が安定した介護の必要度が低い方

I型、II型で施設の内容が変わり、医師の数や看護師、弁護士の割合、面積の広さについても施設基準が異なります。

個人のレベルに合わせて振り分けをすることで、本当に必要な方に必要な措置が取れる体制となりました。

福祉用具の全国平均レンタル価格の公表・上限設定

これまでは、車椅子や介護ベッドなど介護に必要な福祉用具のレンタルは、それぞれの業者が独自で価格を決めていました。

そのため、利用者がレンタルでかかるおおよその金額を知らないのをよいことに高額でレンタルさせている業者もあり、問題視されていました。

2018年の介護保険制度改訂により、1年ごとに厚生労働省がレンタルでの平均価格を公表し、価格の上限設定を決めることになりました。

業者は平均価格のほかにも機能や類似商品についても利用者に明かさなくてはならなくなったため、適正な価格で介護用品がレンタルできるようになりました。

利用者が利用しやすく、介護保険制度の理念である「自分で選択し決定する」意志を持たせるという意味でも、2018年の改定は大きな役割をもつといえます。

福祉用具の全国平均レンタル価格の公表・上限設定

2018年の介護保険制度改訂では「共生サービス」が新しく導入されました。

必要な基準を満たして共生サービスを提供する事務所として認定を受ければ、ご高齢の方や障害のある方にサービスを提供できるようになるというものです。

以前から介護の現場では、「65歳の壁」が問題視されていました。

65歳になると障害福祉制度から介護保険制度のサービスに切り替わり、今まで利用していた障害福祉事業所の施設やサービスが継続して受けられないという問題です。

それが2018年の介護保険制度改定により、65歳を越えても継続してサービスを受けられるようになったので、認定さえ受けていればこれまで利用していた施設や、自宅に訪問してくれていたヘルパーの方も変わることなく引き続き利用できます。

2018年度制度改定の目的

利用者は、認定調査によって要介護1〜5、要支援1、2の段階でレベルを振り分けられます。

要介護1など軽度の認定者が増えると、給付金も増加し、利用者全体の負担額も増えていくことになります。

2025年には団塊の世代の方が75歳となり、高齢の方の人口がさらに増えるので、今後も負担額が上がる可能性があります。

そのため介護サービスの見直しをし、介護保険制度の安定性を高めていき「2025年問題」に備える必要性があります。

安定性が高まれば制度を持続的に運営することにもつながります。

そうは言っても介護保険制度は2000年にできたばかりの制度なので、今後はまだわかりません。

給付金についても打開策を打ち出す可能性もあるので、予測は困難です。

目的①地域包括ケアシステムの推進

「要介護者がどこに住んでいても、適切な医療・介護サービスを切れ目なく受けられる体制を構築すること」を目的としています。

中重度の要介護者を含め、高齢者が住み慣れた地域で生活できるように、さまざまなサービスを一体的に提供するためのシステムです。

対象となるサービスには、介護や医療、介護予防、住まい、生活支援などが挙げられます。

なおここでいう「地域」とは、日常生活圏域や中学校区ほどの広さが想定されています。

目安としては、30分以内でサービスが提供できる範囲です。

目的②自立支援、重度化防止へのシフトによる質の高い介護の実現

「安心・安全で、自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスを実現すること」が主な目的です。

介護保険制度を踏まえて、自立支援・重度化防止につながるサービスに対する評価が重視されるようになりました。

2018年の改訂では、要介護・要支援状態の維持・改善率に対する「アウトカム評価」が重視されるだけでなく、介護予防訪問リハビリや通所介護でもこの評価方法が導入されました。

その他、リハビリで医師と専門職の連携を評価すること、床ずれの発生予防や排泄ケアをプランとして盛り込むことなども、評価対象となります。

目的③多様な人材の確保と生産性の向上

「人材の有効活用・機能分化、ロボット技術を用いた負担軽減、各種基準の緩和を通じた効率化推進」を目的としています。

「2025年問題」による介護難民の増加に備えて、サービス提供者および提供方法を確保しようというものです。

訪問介護における生活援助サービス提供者の資格要件緩和などが、主な内容です。ホームヘルパーではなくてもサービスを提供できるようにすること、センサーなどで見守りを行う介護ロボット導入も介護報酬の加算対象とすることが規定されました。

そのほか、情報通信技術(ICT)の活用や導入を進めることなども規定されています。

目的④介護サービスの持続可能性の確保

「介護サービスの適正化・重点化を図ることにより、制度の安定性・持続可能性を確保すること」が主な目的です。

一部の悪質業者による不要なサービスの提供や、平均よりも不当に高い価格でのサービス提供が行われるという問題への対策として講じられました。

具体的には「事業所と同一または隣接する建物に住んでいる高齢者施設の居住者に介護サービスを行った場合、介護報酬が減算される」という制度が、「高齢者施設ではなくても減算の対象とする」といった内容に改正されました。

介護保険制度改定の利用者への影響

今後は、更なるサービス利用料の自己負担増額が予想されます。

2018年4月に財務省からは、次期制度改正の際には自己負担額を原則2割に引き上げるとの提案もありました。

介護保険制度で使われる介護給付金は、現在右肩上がりで膨らみ続けています。

2025年には給付金が今の2倍にまで膨らむことが予想されているほどです。

この給付金を抑えるために、国としては負担額を上げるしかなく、負担額が上がれば利用者もサービス利用を控えることになります。

3割負担の導入による負担増

これまで、介護保険の利用者負担割合は1割あるいは2割でした。

2018年の介護保険制度改正により、所得が特に高い一部の利用者層の負担割合が3割となっています。

ただし3割負担の対象者は、約12万人と全体の約3%でごく一部といえます。

具体的には、年金収入などが年間340万円以上の利用者が対象です。また、自己負担の上限44,000円を超えた分については、後から払い戻されます。

高所得者の高額介護サービス費自己負担上限引き上げによる負担増

高額介護サービス費とは、1か月に支払った介護サービス費用が上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。

利用者負担が重くなり過ぎないようにするためのものです。

2018年の介護保険制度改訂により、この一部利用者の高額介護サービス費の自己負担上限が、月額37,200円から44,400円に引き上げられました。

介護保険法とはどんな制度?

介護保険法とは、年齢を重ねるにつれ介護が必要になった、心身の疾病を抱えた方を支援し、費用を給付する制度です。介護保険法について、以下で詳しく説明していきます。

3つの理念

介護保険制度では3つの理念があります。

1. 自立支援
利用者の自立を支援することです。病院や施設でリハビリを行い、日常生活の自立を目指します。

2. 利用者本位
介護する側の一方的な押し付けにならないようにすることです。利用者が「自分で選択し決定する」という考えをモットーにしています。

3. 社会保険方式
介護保険制度では、サービスの1〜3割が利用者負担、制度を運営している市区町村が残りを支払うという「給付と負担」の関係が明確である社会保険方式を取っています。

サービスを受けられる方

介護保険法のサービスが利用できるのは、基本的に65歳以上の第1号被保険者となります。

40歳から介護保険料が徴収されるので、40〜64歳の第2号被保険者については、主に老化によって患う関節リウマチや末期がん、パーキンソン病などの指定された16の特定疾病にかかり、介護認定を受けた方であればサービスを利用できます。

また、所得に応じてサービスを受けた際の負担額が異なり、低所得の方や一か月の利用額が高額になってしまった場合は、負担額の軽減措置が設けられる場合があります。

介護保険で利用できるサービス

介護サービスは、大きく2つに分けることができます。

自宅で介護が受けられる在宅での介護サービスは、家事支援や入浴など身の回りのお手伝い、リハビリの支援などを行います。

在宅ではなく、特別養護老人ホーム、介護老人健康保健施設、介護療養型医療施設などの介護保険施設に入って、支援を受ける介護サービスもあります。

このほか、介護で利用する車椅子、介護ベッドなどのレンタルや、自宅にバリアフリーや手すりを施工する際に補助金が給付されます。

介護保険制度改定の変遷

2000年から始まった介護保険制度。施行されてから最初の改定は2005年でしたが、そのあとは3年ごとに制度内容の見直しが行われてきました。

2005年、2008年、2011年、2014年の過去4回に渡り改定され、今回の2018年で5回目となります。

以下でこれまでの改定内容を見ていきましょう。

2005年の改正内容

在宅介護と、施設に入っての介護との公平性を高めるために、施設の利用費や食費の見直しが行われ、ご高齢の方の生活を支えて支援する地域包括支援センターも創設されました。

ご高齢の方が住み慣れた場所で安心して生活を送れるようなサービスの提供を目指す地域包括ケアの体制も整い、また低所得者への負担額を考慮して第1号保険料の見直しも行われました。

さらに2005年の改正では、軽度の認定者の状態が悪化しないように支援する「介護予防」も確立されました。

2008年の改正内容

2008年の改定では主に、介護事業者の違法営業の取り締まりが強化されました。

処分逃れへの対策のため立ち入り検査など防止策を確立させ、介護事業者の違法営業を防止するために、法令遵守の業務管理体制の義務づけを整えたのが大きな改正ポイントです。

小規模事業者・中規模事業者・大規模事業者で「法令遵守の担当者選任」「法令遵守のマニュアル整備」「法令遵守に係る監査の実施」など三段階で防止策を施行し、不正行為を防いで利用者の保護を目指しました。

2011年の改正内容

ご高齢の方が、住み慣れた土地で自立して生活が送れるように支援する「地域包括ケアシステム」の強化と浸透に力を入れました。

また、施設に入って介護を受ける利用者の前払いの返還について利用者保護規定が定められました。

市町村で認知症支援策を追加するなど、認知症対策にも積極的な取り組みが行われたのが2011年の改正の特筆すべき点です。

さらに、居宅介護と訪問介護を合わせた小型の複合型施設も創設し、医療ニーズの向上とケアの体制を整えました。

1つの施設でサービスが組み合わされているため、利用者が利用しやすくサービスの提供が受けやすくなりました。

2014年の改正内容

2014年には、いよいよ負担額が全面1割から、一定以上の所得がある方のみ2割負担という体制に変わりました。

介護サービス利用料の負担上限額が37,200円から44,400円に引き上げられ、特別養護老人ホームへの入居対象者も要介護1以上から要介護3以上へ条件が引き上がりました。

また、要支援の方が利用できる介護サービスの一部が介護保険外になり、自治体の「介護予防・日常生活支援総合事業」に変更になりました。

介護保険制度を活用しよう

2018年で5回目の改定となる介護保険制度。年々増していく給付金を支えるために徐々に増していく負担額も、今後どうなっていくのかも気になるところです。

問題視されている2025年に向けて、今後さらに大きく改定が加わっていく可能性があります。

介護保険制度は、要介護状態となった場合にも安心して生活できるようにするための社会保険制度であり、少子高齢化が進む日本において大きな役割を果たすものです。

高齢者本人もそのご家族も、早い段階から介護保険制度について知っておくと、いざというときにも安心です。

介護保険制度について理解を深めるのに、ぜひ本記事をお役立てください。

この記事の作成者:槌谷 久佳(ライター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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