介護用品のレンタルはお得?介護保険でレンタルできるものから費用感まで解説
作成日:2019年4月2日
ご家族の介護で介護用品が必要になったものの、金銭的負担が大きく購入を悩んでいる方もいるでしょう。要介護認定を受けていれば介護用品はレンタルすることが可能です。
この記事では、介護保険でレンタルできる介護用品の種類や、費用の目安などを解説します。レンタルと購入のメリット・デメリット、レンタルの流れも紹介します。
目次
介護用品は介護保険でレンタルできる
要介護認定を受けている場合、介護用品は介護保険でレンタルすることができます。詳しく解説していきます。
介護用品レンタルで保険が適用されるのは?
介護用品を介護保険を適用してレンタルするためには、要介護認定(要支援1〜要介護5)を受けている必要があります。介護保険は原則として65歳になって「介護保険被保険者証」が交付されてから利用することができます。
さらに、要介護認定でどの区分でどの程度の介護が必要なのか判定されていないと利用できません。また、要介護レベルによって何をレンタルできるのかも決まっています。
介護保険を適用した場合の自己負担額
要介護認定を受けた方が、介護保険を利用して介護用品をレンタルする場合の自己負担について説明します。
レンタルする費用の自己負担は全額の1割負担が基本です。ただし、所得額によっては自己負担割合が2割~3割となる方もいるので利用前に確認したほうがよいでしょう。
また、同じ用品をレンタルする場合でも、事業者によってレンタル料が異なりますので注意してください。
介護保険の限度額
介護保険には、レンタル、購入ともに年間の利用限度額があります。
購入の場合4月1日~3月31日までの1年間で10万円(税込)が限度額です。また、居宅サービスを受ける方が介護用品をレンタルする場合、要介護支援1で50,030円~要介護5で360,650円が限度額となり、この金額を超えて利用する場合は全額自己負担になります。
1ヶ月にかかるおおよその費用
要介護認定を受けている方で介護保険が適用される場合、介護用品のレンタル費用は1割負担で1ヶ月500円程度が相場です。高額なものでも~2,000円程度でレンタルできます。ただし、所得が多いなどの理由で2割、3割負担の方はこれ以上の費用がかかります。
レンタル対象となる介護用品
介護保険適用の介護用品は、厚生労働大臣によって定められています。ここでは、レンタル対象となる介護用品について解説します。
レンタル可能な介護用品【13種目】
介護保険適用でレンタルできる介護用品は13種目ありますが、要支援や要介護1の方は、レンタルできる用品が限られます。
レンタル可能な介護用品13種目を、介護度別に一覧表にまとめると次のようになります。
種目 | サービス対象者 | 機能・構造など | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
要支援 | 要介護 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |||
車いす | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 標準型車いす(自走用・介助用) 普通型電動車いす | ||
車いすの付属品 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 車いすと一緒に使用されるクッション・電動補助装置等 | ||
特殊寝台 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | サイドレール取り付け可能(または既に取り付けてあるもの)かつ、1・2いずれかを満たすもの 1.背中もしくは脚の傾斜角度を調節できる 2.床板の高さを無段階調整できる | ||
特殊寝台付属品 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 特殊寝台と一緒に使用されるマットレスやサイドレールなど | ||
床ずれ防止用具 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 1、2のいずれか 1.送風装置もしくは空気圧調整装置からなるエアーマット 2.減圧による体圧分散効果を持った全身用ウォーターマットなど | ||
体位変換器 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 体の下に挿入することで体位を変えられる空気パッドなど(体位保持を目的としたものを除く) | ||
手すり | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 工事を伴わないもの |
スロープ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 工事を伴わない段差解消のためのもの |
歩行器 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 体重を支える機能があり、歩行を補助するもので、1、2いずれかに該当するもの 1.体重を支える把手が体の前や左右にあり、車輪のついたもの 2.上肢で持って移動できるもので、四脚のもの |
歩行補助杖 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 次のものに限る ・松葉づえ ・カナディアン・クラッチ ・ロフストランド・クラッチ ・プラットホームクラッチ ・多点杖 |
認知症老人徘徊感知機器 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 認知症の方が外へ出ようとしたときなどにセンサーが感知し、家族などへ知らせるもの | ||
移動用リフト (つり具部分除く) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 要介護者の体を吊り上げる、または支えるものであり、移動のための補助機能があるもの。また、固定式、据置式、床走行式のいずれか。 | ||
自動排泄処理装置 (排便機能有) | 〇 | 〇 | 排せつ物が自動的に吸引されるもの、かつ、尿と便の経路を分けることができるもので、利用者が簡単に使用できるもの(交換部品などは除く) | ||||
〃(上記以外) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※左右にスクロールします
軽度者も利用できる「例外給付」とは
要介護支援もしくは要介護1の方はレンタルできるものが限られます。しかし、さまざまな疾患があり医師が必要と判断した場合は、介護レベルで指定されているもの以外でも利用できる場合があります。
これを例外給付といいます。
種目 | 機能・構造・対象 |
---|---|
車いす・車いす付属品 | 要介護認定時に歩行困難とされた方もしくは、日常生活において移動支援が必要と認められた方 |
特殊寝台・特殊寝台付属品 | 要介護認定時に起き上がりができないとされた方、もしくは寝返りができないとされた方 |
床ずれ防止用具・体位変換器 | 要介護認定時に寝返りができないとされた方 |
移動用リフト(つり具部分除く) | 医師の伝達・介護者への反応・記憶・理解いずれかに支障があるとされた方、かつ、全介助なく移乗できる方 |
自動排泄処理装置 (尿のみを自動吸引するものを除く) | 排便において全介助が必要な方、かつ、移乗に全介助が必要とされた方 |
介護用品をレンタルするまでの流れ
介護用品をレンタルするまでの流れは次の通りです。
1.福祉包括支援センターやケアマネジャーに利用を相談する
2.ケアプランを作成してもらい、どこで介護用品をレンタルするか業者を選ぶ
3.福祉用具専門相談員に利用希望者の自宅を訪問してもらい、用具を選定、提案してもらう
4.レンタル事業者が用具を納品、適合状態を確認してもらう
5.介護用品を決定し、レンタル契約を行う
6.サービスの開始
7.福祉用具専門相談員により定期メンテナンスやアフターサービスを受ける(場合によっては解約や利用する用具の変更もできる)
介護用品をレンタルする際は、専門知識を持った方がケアプランを作成することが大切になります。また、アフターメンテナンスなど、利用状況を確認してもらい、適切な器具を利用するようにしましょう。
レンタルと購入はどちらがお得?
介護用品はレンタルするのと購入するのとではどちらがお得なのでしょうか。また、購入する場合は介護保険が利用できるのでしょうか。解説していきます。
介護用品購入に介護保険は利用できる?
介護用品の中で、使いまわしができないものはレンタルではなく購入になりますが、介護保険を利用することもできます。
購入時に介護保険が利用できるものは次の用品です。
・腰掛け便座
・自動排泄処理装置の交換可能部分
・入浴補助用具
・簡易浴槽
・移動用リフトの吊り具部分
それ以外のものは介護保険で購入することができないため、購入する際は全額自己負担となります。
レンタルと購入のメリット・デメリット
レンタルと購入それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
レンタルのメリット・デメリット
レンタルのメリットは、費用をあまりかけずに最適な介護用品を利用できるということです。状態が変われば、それに合わせて器具を変更することも可能です。
デメリットは、いずれ返却するものであるため壊したり汚したりしないよう気を付けなければならないことでしょう。
購入のメリット・デメリット
購入のメリットは、レンタルのように汚れなどを気にせず使用できることです。デメリットは身体状態が変わり、介護用品も変更しなければならないときに気軽に変えられないということでしょう。
おすすめの介護用品レンタルサービス
数ある介護用品レンタルサービスの中からおすすめの3つをご紹介します。
介護レンタル.com
画像引用:https://www.kaigo-rental.com/
フランスベッド株式会社が運営している介護用品のレンタルサービスサイトです。
介護ベッド関連用品をはじめとして、生活支援用品や室内で使う介護用品、在宅医療機器などを取り扱っています。また、小児用福祉用具などもあります。
インターネット上でレンタル手続きが可能で、設置が必要な場合はフランスベッドの福祉用具専門相談員が指定住所まで届けてくれます。
ダスキンヘルスレント
画像引用:https://healthrent.duskin.jp/
株式会社ダスキンが運営しているダスキンヘルスレントは、介護用品のレンタルだけでなく販売も行っています。利用する場合は、サイトでレンタルを希望する用具とレンタル料を確認し、最寄りの店舗もしくはフリーダイヤル、WEBのお問合せフォームより問い合わせをしてください。
ヤマシタ、シマシタ。
画像引用:http://www.ycota.jp/
業界最大規模で、365日スピーディーなフォローをしてくれる「ヤマシタ、シマシタ。」は、株式会社ヤマシタコーポレーションの運営している福祉用具・介護用品紹介サイトです。利用するシーンから探す、介護保険の対象種目から探す、新商品を探すなど、目的別に介護用品を探すことができます。最寄りの営業所もしくはWEBサイトから問い合わせが可能です。
まとめ
介護保険で介護用品がレンタルできることについて解説しました。介護用品のレンタルはもちろん、日々の食事など、介護生活には何かとお金がかかります。必要なものにお金を回せるよう、費用を抑えられるところは抑えたいと考える方もいるでしょう。
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