介護保険制度の年齢について解説 | いつから納める?いつから利用できる?
作成日:2019年6月19日
ご家族が高齢になり、そろそろ介護を視野に入れておきたい方もいるのではないでしょうか。ご家族に介護が必要になったとき、頼りになるのが介護保険です。
この記事では介護保険について、いつからいくら納めるのか、いつから利用できるのか、利用できるサービス、利用方法などを解説しています。介護に備えておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
護保険料を支払うのはいつから?
介護保険制度とは、保険者が全国の市町村と特別区、被保険者がその地域の40歳以上の住人で成り立っています。被保険者に介護が必要な状態になったときに自動的に介護サービスが受けられるわけではありません。保険者である市町村または特別区に要介護認定を受けるための申請が必要で、要介護者として認定されると介護保険サービスの給付を受けられます。
給付される介護保険サービスの元となるお金は、 市町村や特別区の税金、さらに被保険者が支払っている介護保険料から支払われます。介護保険料の支払いは被験者となる40歳から始まり、支払いの納付に期限はありません。つまり、生涯にわたって介護保険料を納め続けることになります。
介護保険の支払い方法
介護保険制度は40歳以上になった月から加入義務が発生し、保険料を支払います。被保険者のなかで年齢によって「第1号被保険者」と「第2号被保険者」に分かれ、それぞれで介護保険の支払方法が異なります。
第1号被保険者の納付方法
第1号被保険者は、65歳以上の介護保険被保険者が該当します。第1号被保険者は年金の受給金額によって介護保険の納付方法が異なってきます。
年金を月額1万5,000円以上、年間18万円以上受け取っている場合は、介護保険料はそこから特別徴収としてそのまま天引きされます。年金が月額1万5,000円に満たない場合は、保険者である市町村や特別区から普通徴収という形で、口座振替や納付書を使って別に介護保険料を納付することになります。
第2号被保険者の納付方法
第2号被保険者は40歳から65歳までの介護保険被保険者が該当します。介護保険料は、医療保険と同時に納付しますが、加入する医療保険によって納付方法が異なります。
健康保険組合に加入している会社員などの場合は、毎月の給料から介護保険料が天引きされます。国民健康保険に加入している自営業者などの場合は、口座振替や納付書を使って介護保険料を納付します。
介護保険料はいくら納める?
介護保険料は被保険者の年齢の他、住んでいる市区町村や特別区によっても異なってきます。次に、第1号被保険者、第2号被保険者ごとにどのくらいの介護保険料を納めるかを解説します。
第1号被保険者(65歳以上)の介護保険料
65歳以上の第1号被保険者が支払う介護保険料は、保険者である市町村や特別区が3年ごとに策定する「介護保険事業計画」をもとに決まります。介護保険事業計画の予算のうち、21%が第1号被保険者全員から支払われる総額となるので、これを第1号被保険者の数で割った金額が基準になります。
基準となった保険料をそのまま支払うのではなく、できるだけ平等に保険料が支払われるために使われるのが、所得段階です。所得段階とは、被保険者本人や世帯収入などの合計で段階を決め、その段階ごとで計算された保険料を支払うことになります。なお、所得段階は保険者である市町村や特別区によって6~15段階と開きがあります。
厚生労働省発表の、第7期計画期間(平成30年度~32年度)介護保険の第1号保険料は、5,869円です。第6期の5,514円よりも300円ほど増加しています。
参考:厚生労働省|第7期計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について
第2号被保険者(40歳以上~65歳未満)の介護保険料
第2号被保険者が支払う介護保険料は、保険者である市町村や特別区の予算として決まるのではなく、毎年国によって決められます。日本全国の介護保険サービスでかかる費用を見込みとして算出し、第2号被保険者ひとりあたりが、どのくらいの保険料を支払うかを国が決めます。
そのうえで健康保険組合などの医療保険者が、国の決めた第2号被保険者ひとりあたりの負担額に、それぞれの健康保険組合に加入している第2号被保険者の数をかけて、介護保険料の基準額を算出します。
厚生労働省の発表した平成30年度の第2号被保険者ひとり当たりの介護保険料負担見込額は、5,659円です。
介護保険サービスを利用できるのはいつから?
介護保険制度の介護保険サービスを利用できるのは、年金受給開始となる「65歳以上から」と決められています。40歳になってから65歳になるまで、滞納なく介護保険料を納めていれば「介護保険証」が自宅に郵送され、要介護状態になったときに介護保険サービスを受ける資格が得られます。
介護保険サービスを実際に受けるには、介護保険証を持っているだけでなく申請も必要です。要介護者と認定されると介護保険サービスが利用できます。
40~64歳でも特定疾病なら利用できる
40~64歳の第2号被保険者は、基本的に介護保険サービスは利用できません。ただし、「特定疾病」として認定されている16種の病状が原因で要介護状態になった場合は、40~64歳でも介護保険サービスの利用ができます。
16種の特定疾病は以下のとおりです。
1.末期がん | 2.関節リウマチ | 3.筋萎縮性側索硬化症(ALS) | 4.後縦靱帯骨化症 |
5.骨折を伴う骨粗鬆症 | 6.初老期における認知症 | 7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病 | 8.脊髄小脳変性症 |
9.脊柱管狭窄症 | 10.早老症 | 11.多系統萎縮症 | 12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 |
13.脳血管疾患 | 14.閉塞性動脈硬化症 | 15.慢性閉塞性肺疾患 | 16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 |
引用:【知っておきたい】介護保険制度「特定疾病」の16種|みんなの介護
利用できる介護保険サービス
介護保険制度で利用できる介護保険サービスは、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの三種類があります。それぞれどのようなサービスを受けられるか、サービスの種類ごとに解説していきます。
居宅サービス
居宅サービスとは、要介護者が現在住んでいる場所で利用できるサービスを指します。居宅サービスのなかでも、さらに受けられるサービスの種類ごとに訪問サービス、通所サービス、短期入所サービス、その他のサービスに分類できます。
訪問サービスは自宅で暮らしている要介護者のもとをヘルパーや医師などが訪問して受けられるサービスを指します。日常生活介助や訪問看護サービス、訪問リハビリなどが該当します。通所サービスは、自宅から要介護者が施設に通所して受ける通所看護や通所リハビリが該当します。
短期入所サービスは、施設に要介護者が短期宿泊して介護を受ける短期入所生活介護や短期入所療養介護をさします。その他のサービスは、介護保険認定を受けた施設に入所している要介護者が受けられるもの、自宅で暮らしている要介護者が受けられるものに分かれ、上記いずれにも該当しないサービスを指します。
施設サービス
「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」のいずれかに入所している要介護者が受けられるサービスが施設サービスです。施設の入所者を一定期間または長期間受け入れ、食事や入浴、トイレなどの日常生活介助を提供するサービスの他 、医療措置やリハビリを提供するサービスもあります。
・特別養護老人ホーム
主に日常生活介助を中心にした介護老人福祉施設入居者生活介護
・介護老人保健施設
日常生活介助に加えて医療措置も行う介護老人保健施設入居者生活介護
・介護療養型医療施設入居者生活介護
医療措置がすぐに受けられる医学管理のもとで日常生活介助とリハビリを中心としたサービスを提供しています。
地域密着型サービス
地域密着型サービスは、2005年から新しく介護保険サービスに認定されたサービスです。特定事業所のある市町村に住む要介護者を対象にしたサービスで、要介護者がより身近な環境で介護サービスを受けられる目的で作られました。
訪問・通所型サービス
居宅サービスの訪問サービスや通所サービスと同じく、自宅にいながら、または施設に通って日常生活介護が受けられます。
認知症対応型サービス
自宅から通所、または施設に入所している認知症の要介護者を対象に生活支援や認知症のケアが受けられます。
施設・特定施設型サービス
施設サービスのように特別養護老人ホームや有料老人ホームに入所する要介護者を対象に日常生活介護や看護、リハビリサービスが受けられます。
介護保険を利用する方法
介護保険制度を利用するには、 居住している市町村役場や区役所の「介護保険課」窓口、または地域包括センターで手続きを行います。被保険者の分類によって手続きに必要なものは異なります。
・第1号被保険者(65歳以上)
介護保険被保険者証と医師の意見書
・第2号被保険者(40歳以上~65歳未満)
介護保険被保険者証の代わりとして加入している医療保険の被保険者証(健康保険証)と医師の意見書
窓口での手続き、審査を経て要介護者として認定後、介護保険サービスを受けられます。 要介護認定は必要な支援や介護の度合いによって「要支援1~2」「要介護1~5」の7つのレベルに区分 されます。
まとめ
ご家族の介護が必要になったときに知っておきたい、介護保険制度について紹介しました。今は介護保険制度でも幅広いサービスを提供していますが、特に在宅で介護する場合は、日常的な食事作りなどの介護サービスも視野に入れるとよいでしょう。
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