民間の介護保険は必要?種類や選ぶ際のポイントをわかりやすく解説
作成日:2019年6月17日
高齢のご家族に介護が必要となったとき、公的な介護保険だけで本当に大丈夫なのか、民間の介護保険が必要なのではと不安を感じている方も少なくないと思います。
ここでは、民間の介護保険への加入を検討しておられる方に向けて、民間介護保険の必要性や選び方などを解説していきます。この記事を参考に民間介護保険についての理解を深め、将来家族に介護が必要になったときに役立てください。
目次
民間介護保険とは?
ここでは民間介護保険と公的介護保険との違い、民間介護保険の必要性などについて詳しく解説していきます。
民間介護保険の特徴
民間の介護保険は、公的な介護保険だけではカバーしきれない部分を補うために、個人がそれぞれ任意に加入する介護保障のことです。契約した保険会社が定める「所定の状態」になった場合、介護年金もしくは介護一時金のかたちで保険金を受け取ることができ、公的介護保険の限度額を超えた自己負担分などを補填ができます。
公的介護保険との違い
民間介護保険と公的介護保険との違いは、下記のような点です。
加入方法・条件
公的介護保険は40歳で自動的に加入し、給与からの天引きなどで納付します。民間介護保険への加入は任意で、20代でも保険に加入できます。
保険料
公的介護年金で収めるのはお住まいの市区町村が対象者の年齢や所得に応じて定めた金額ですが、民間介護保険では、保険会社や加入年齢に応じて変動します。
保障対象・保障内容
公的介護年金では、要介護・要支援と認定されれば費用の9割が現物給付されます。民間介護保険では、保険会社の定める「所定の状態」になったとき、年金もしくは一時金のかたちで給付されます。
民間介護保険の必要性
次に挙げるような視点から民間の介護保険が必要かどうかを考えてみましょう。
年金だけで足りるか
65歳以上の方の年金の月額は、国民年金で平均5万円、厚生年金で平均14万円です。合計額は月々介護に必要とされる額とほぼ同額ですが、国民年金だけの方は不足する可能性があります。
介護に必要な費用は
統計上、介護に必要な費用はおよそ300万円から500万円の計算です。これは、介護の初期費用と月々かかる費用、介護の平均的な年数を計算して割り出した数値になります。
介護保険ですべてまかなえるか
1ヶ月あたりの利用限度額を超える費用、介護施設での家賃や居住費、食費といった生活費、保険外サービスの利用料は自分たちでまかなわねばなりません。
民間介護保険に加入したほうが良い方
では、民間介護保険への加入をおすすめしたい方について解説していきましょう。
家族の負担になりたくない方
自分が要介護状態になったとき、子どもや孫といった家族の負担や面倒をかけたくないとお考えの方は多いと思います。 そのような方は、子供が成人するまでのライフプランを立てたうえで民間介護保険に加入し、介護費用に必要な額を準備しておくと安心です。
介護してくれる家族がいない方
独身の方や子供のいない家庭では、将来介護が必要なときに頼れる家族がいないことも考えられます。現役時代に生活資金以外の老後資金を貯められそうにないという場合は、民間介護保険で介護費用を準備しておきましょう。
親の介護の負担を減らしたい方
介護離職が大きな問題になっている昨今、ご両親の介護費としてお子さまが民間介護保険に加入するケースも増えています。ご両親を老々介護することに不安のある方は、民間介護保険に加入し、互いの経済的・身体的・精神的負担を軽減しましょう。
民間介護保険を選ぶ際のポイント
民間介護保険に加入する際は、気をつけたいポイントがいくつかあります。ここでは、民間介護保険を選ぶポイントを解説します。
介護に必要となる費用を試算する
民間の介護保険を選ぶときのいちばんのポイントは、その保障額です。あまり保障を大きくすると、介護が必要になるまでの保険料が増え、経済的な負担にもなりますので、まずは介護に必要な額を試算することが大切です。
介護が必要になった場合も、在宅サービスを利用するのか、介護施設に入居するのかで費用が異なってきます。自分が将来どのような介護を受けたいのかを想定して、初期費用も含め、月々にかかる費用に見合う保険を選ぶようにしましょう。
給付条件の介護レベルをチェックする
民間介護保険が給付される条件は、保険会社が定める介護状態が一定期間続いた場合とされており、その条件となる介護状態のレベルは保険会社によって異なります。
要支援1から給付されるものもありますが、要介護1~2で保険金が支払われるものが一般的です。公的介護保険と連動して介護度の認定を受けるものも多いのですが、要介護3と認定されるケースはさほどありません。どのレベルで認定されれば保険金が下りるのかをしっかりチェックしておきましょう。
保険をどう活用するか考える
民間介護保険を選ぶ際は、将来どのように保険を活用したいかを考えることも大切です。介護状態にならずに死亡しても一時金が支払われる高額な保険は、保険料が高めに設定されています。将来の出費に備えるためとはいえ、貯蓄すべき額を削ってしまうのでは意味がありません。
また、子供の学費や結婚費用など、ライフスタイルの変化に応じて介護保険を見直し、そのときどきに適切な保障額を得られるように心がけましょう。
民間介護保険の主な種類
次に、民間介護保険にどういった種類があるのかを解説していきます。
貯蓄性の有無(貯蓄・掛け捨て)
民間介護保険には、貯蓄性の有無で「貯蓄型」「掛け捨て型」の2種類に分かれます。
特徴
・貯蓄型 死亡保険や年金保険などがセットになった、介護保険の主流
・掛け捨て型 解約返戻金や満期保険金などを抑えたりなくすことで、貯蓄型より割安な保険料を実現
メリット
・貯蓄型 介護保障以外にも死亡保険金や解約返戻金、年金などを受け取ることができ、遺族の老後資金として充当可能
・掛け捨て型 手ごろな保険料で介護状態に備えることが可能
おすすめの方
・貯蓄型 いざというときのための死亡保障も準備しておきたいという方
・掛け捨て型 死亡保険などは別に準備ずみで、介護費用だけが用意できればよいという方
受け取り方法(一時金・年金・併用)
民間介護保険は、給付金の受取り方法を「一時金」「年金」「併用」の3タイプから選べます。
特徴
・一時金 給付金を一時金として受け取るタイプ
・年金 年金のかたちで給付金を受け取るタイプ
・併用 一時金・年金を併用して受け取るタイプ
メリット
・一時金 介護の初期費用を保険金でまかなうことが可能
・年金 介護の長期化に備えることができる
・併用 介護の初期費用・継続的な費用の両面で費用を工面できる
おすすめの方
・一時金 介護の初期費用や施設入所費用などを民間介護保険で準備したい方
・年金 長期的な介護に備えておきたい方
・併用 介護保障を手厚くしておきたい方
保険期間(定期・終身)
保険期間から考えると「定期型」「終身型」の2タイプに分かれます。
特徴
・定期型 保険の給付期間や一定年齢までの給付が定められているタイプ
・終身型 給付条件に該当すれば、介護保障が一生涯続くタイプ
メリット
・定期型 終身型と比べて保険料が手ごろで、更新時に保険商品の見直しが可能
・終身型 保険金の払込期間中は保険料が上がることなく、保障が一生涯続く
おすすめの方
・定期型 介護保障を手ごろな保険料で準備しておきたい方
柔軟に保険内容を見直していきたい方
・終身型 健康状態に不安がある方や年金生活に入っている方
給付条件(要介護・要支援)の違い
民間介護保険には、給付条件が「要介護」なのか、「要支援」なのかという違いもあります。
特徴
・要介護 要介護1から5までの5段階に即して保険金が支払われるタイプ
・要支援 要支援1、2でも保険金が支払われるタイプ
メリット
・要介護 要支援でも保険金が支払われるタイプより月々の保険料が安い
・要支援 要支援の段階から保険金を受け取れるため、十分な備えができる
おすすめの方
・要介護 手ごろな保険料で将来に備えておきたいという方
・要支援 介護が必要な状態に十分な備えを用意しておきたいという方
まとめ
介護への備えは、介護を受ける本人とご家族にとっての大きな課題です。ここでは、民間の介護保険に関心がある方に向けて、その特徴や選ぶ際のポイントを詳しく解説しました。
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