1日の正しい食事回数について徹底解説 ダイエットとの関係は?
作成日:2022年12月12日
ダイエットをしたいけれど、1日の食事回数を減らした方がよいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、食事の量や回数について正しい知識を学びたい方向けに、1日の食事回数に関する複数の説を紹介し、正しい食事のとり方について解説します。
ダイエットをするうえで、正しい食事をどのようにとればよいかを理解し、参考にしてください。
目次
1日の食事回数は3回と言われる理由
なぜ食事は1日3回なのか、あらためて考えたことのない方も多いのではないでしょうか。ここでは、基本的に1日の食事回数が3回といわれている理由を解説します。
江戸時代、全国的に広まった1日3食
江戸時代中期までは、実は1日2食が基本だったといわれています。
庶民は、早朝に起きてひと仕事片づけた後に朝食をとり、仕事の合間に昼食を食べ、日が沈むと寝ていました。
しかし、1657年に「明暦(めいれき)の大火」が発生した後、焼けた町の復興のために職人が江戸に集結してから、食の事情が変わってきたという説があります。
肉体労働のため1日2食では体がもたず、屋台などの外食産業が繁盛し、昼過ぎにも食事を提供するようになったためです。
また、江戸中期から照明用の菜種油の価格が下がったことで、明かりが庶民にも普及し日没後も起きているようになりました。
このような背景から、1日3食へと変遷していったといわれています。
昭和初期、国立栄養研究所の研究者が1日3食を奨励
昭和のはじめ(1935年)には、国立栄養研究所の研究者である佐伯博士が、朝・昼・晩の1日3回食事をとることを奨励しました。
佐伯博士の説によると、当時の日本人は欧米人に比べ体格が小さく、その原因は摂取カロリーが不足しているためだと考えられました。
欧米人のような体格を目指すために必要なカロリーを計算したところ、1日2食では到底摂取しきれないカロリーが必要だったので、1日3食が理想である、という説を発表したようです。
1日に必要なカロリーとは?
健康を維持するために必要なカロリーは性別や年齢、身体活動レベルによっても変わります。
「日本人の食事摂取基準(2020版)」では、1日に必要な推定エネルギー量を下記のように決められています。
推定エネルギー必要量(kcal/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||||
身体活動レベル | I | II | Ⅲ | I | II | Ⅲ |
18〜29(歳) | 2300 | 2650 | 3050 | 1700 | 2000 | 2300 |
30〜49(歳) | 2300 | 2700 | 3050 | 1750 | 2050 | 2350 |
50〜64(歳) | 2200 | 2600 | 2950 | 1650 | 1950 | 2250 |
65〜74(歳) | 2050 | 2400 | 2750 | 1550 | 1850 | 2100 |
75以上(歳) | 1800 | 2100 | − | 1400 | 1650 | − |
身体活動レベル
I:生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
II:座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合
Ⅲ:移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020版)」
1日の消費エネルギーよりも摂取カロリーが多くなれば、肥満の原因になりますし、摂取カロリーが少なすぎれば体を健康に保つことができず低栄養を引き起こす可能性もあります。
自分に必要なエネルギー量を把握して、バランスのいい食事を心がけることが大切です。
正しい食事回数は1日何回がよいのか?
1日3食が定着した背景を踏まえたうえで必要な栄養素を摂取し、かつ太らないためには、1日のうちどのタイミングで何回食事をとるのが適切なのかを考えてみましょう。
ダイエット方法や健康法について調べてみると、さまざまな方法を見つけることができます。
1日1食がいいというものから食事の回数を多くして食べるのがいいと言われているものまで、色々な情報が出てくるのでどれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
食事の回数については、1日1回から6回まで、さまざまな持論が提示されているため、それぞれについて以下で紹介していきます。
1日1回の食事回数とは?
1日1回の食事の場合は、朝と昼はとらずに夕食だけというケースが多いです。1食で食べられる量には限界があるため、1日の摂取エネルギー量は少なくなります。
しかし、1食分の上限カロリーを気にせずに食事を楽しめるため、心のゆとりを持てるというメリットがあります。
デメリットは、空腹時間が長くなるため栄養が吸収されやすい点です。
また、筋肉を作るもとになるたんぱく質の摂取量が足りないと筋肉量が低下してしまう可能性もあります。
1日2回の食事回数とは?
1日2回食事をとる場合は、朝食を抜いて昼食・夕食をとる方法があります。
朝食を抜く分、昼の空腹感が強くなり食べすぎる恐れがあるため、野菜や果物、穀類を中心にして腹八分目に抑え、ドカ食いをしないよう注意しましょう。
メリットは、半日ほどの断食状態をつくりだすことで内臓を休めることができ、体の不調などがリセットされやすくなる点です。
デメリットは、空腹時間が長くなるため、昼食の内容に注意しないと栄養が吸収されやすくなる点です。
1日3回の食事回数とは?
1日3回食事をとるのは、最も標準的なパターンです。
人間の脳が活動するには約120gのグリコーゲンが必要ですが、1回の食事では最大でも60g程度しか摂取できず、約5時間しかもたないといわれています。
1日3食のメリットは、グリコーゲンなどの栄養素を適切な量とタイミングで摂取できる点です。
また、体は食事の時間を目安にして活動時間や休息時間を認識しているので、1日3食規則正しく食べることで体のリズムを整える効果もあります。
デメリットは、食事の内容に気をつけないと栄養過多になりやすい点です。
1日4回の食事回数とは?
仕事で夕食が遅くなる方は、食事を1日4回にする方法があります。
朝食・昼食・夕食を2回とりますが、注意したいのは、1回で必要な夕食の量を2回に分ける点です。
18時ごろに主食の炭水化物のみを食べ、20時以降にそれ以外の栄養素をとります。
20時以降は、肉や魚、大豆製品などのたんぱく質と野菜などを中心にして、糖質を控えることがポイントです。
メリットは、空腹感を感じる時間が少ないためドカ食いを防ぐことができる点で、デメリットは1食あたりのカロリー計算をしないと1日の摂取カロリーがオーバーしてしまう点です。
1日5回の食事回数とは?
食事を1日5回にする場合は、朝・昼・夜の食事の間に間食を2回とります。
たとえば、朝食を7時、間食を10時、昼食を12時、間食を15時、夕食を18時にとるなど、各食事の間を2〜3時間あけて、5食の摂取エネルギー量が1日3食の場合と等しくなるようにします。
メリットは、各食事の間が短くなるため、食べたいという欲求が収まることや、血糖値が急激に上昇しにくくなる、脂肪が蓄積しづらく、消化の負担が軽くなるなどの点です。
デメリットは1回あたりの食事量が少なくなるため、満足感を感じにくくなる点です。
1日6回の食事回数とは?
食事を1日6回にする場合は、朝・昼・夜の食事の間に間食を3回とります。
たとえば、デスクワークの女性に必要な1日のカロリーは1700kcal程度のため、食事は450kcal程度、間食は100kcalに抑えて、合計が1700kcalになるように食べます。
メリットは、1日5食と同じく、各食事の間が短くなるため、食べることを我慢しなくても脂肪が蓄積しづらくなる点で、デメリットは1日のうちで食事にかかる時間が多く占めてしまう点です。
食事の回数はダイエットに関係があるのか
食事の回数は、ダイエットや肥満に関係があるのかについて解説します。
食事の回数が減ると太る
力士は、1日2食にして1食での食事量を増やしています。
こうした例から、食事の回数を減らして、1食でドカ食いすることが肥満につながるという仮説があります。
空腹の時間が長くなると、体内に栄養が吸収されやすくなるからです。
次に食事をするまでの時間が長くなると血糖値が急激に上がりやすくなることから太りやすくなると言われています。
血糖値が急激に上昇すると血糖値を下げるためにインスリンが分泌されますが、インスリンは血中の糖分を脂肪に変えて体にため込む働きがあります。
血糖値が上昇するほどインスリンの分泌量も増えるので、血糖値が急激に上がると肥満の原因になると言われています。
食事の回数が増えると痩せる
1日の摂取エネルギー量が同じなら、食事の回数が多い方が太りにくいです。
ただし、1回の食事量が少なくても、摂取エネルギー量が増えてしまうと余ったエネルギーは脂肪として蓄積されて肥満の原因になるので、その点に気をつけましょう。
食事回数より、大事なのは量である
ここまで解説したことをまとめると、太るかどうかを左右するのは、食事回数よりも1日の摂取エネルギー量といえます。
食事と食事の間が空けば、栄養が吸収されやすいという傾向があるため、同じ摂取エネルギー量なら食事回数が多い方が太りにくいです。
あらかじめ1日の摂取エネルギー量を決め、何回かに分割してとるとよいでしょう。
また、食事を食べる順番に気をつけることも大切です。ごはんやパンなどの糖質を多く含む食材を最初に食べると血糖値が急激に上昇し、太りやすくなります。
血糖値の上昇を緩やかにするには、食物繊維が豊富な野菜から食べはじめるのがおすすめです。
まず野菜が入った副菜や汁物から食べて、メイン料理、炭水化物の順に食べると効果的です。
食事回数を生活スタイルに合わせる
1日の摂取エネルギー量を意識すれば、必ずしも1日3食とる必要はありません。生活スタイルに合わせて食事回数を設定すればよいでしょう。
たとえば、夕食にたくさん食べたい方は、朝食か昼食のどちらかを野菜ジュースなどにして摂取エネルギー量を抑える、1日2食+αという方法もあります。
食事回数増減での注意点は?
注意したいのは、必要な栄養素を毎回の食事にできるだけ振り分ける点です。
3食のうち全てバランスよい食事を摂っている方と、朝食は炭水化物・昼食はたんぱく質・夕食は脂肪など、栄養素に偏りのある食事を摂っている方では、前者のほうが長生きする傾向があります。
なぜかと言うと、栄養素は体内で互いに助け合いながら働いているので、何かの栄養素が不足しているとうまく働くことができません。
体を健康に保つためには、体を作るもとになるたんぱく質、エネルギー源となる脂質や炭水化物、体の調子を整えるビタミンやミネラルなどをバランスよく食べることが大切です。
糖尿病の人は1日3食がおすすめ
糖尿病の人は1日1食や2食では、食後の血糖値が高くなる傾向があるため、1日3食をおすすめします。
糖尿病に限らず、病気や健康病の方、不安を抱えている方は、食事回数・食事量・食事内容については、必ず医師に相談してください。
まとめ(1日の正しい食事回数)
太らないためには、1日の摂取エネルギー量を設定し、生活スタイルに合った食事回数を決め、各食事にエネルギー量を配分して、栄養をとりすぎないように注意しましょう。
また、健康維持のためには食事に気をつける他にも適度な運動を取り入れると効果的です。
ウォーキングなど、軽く汗ばむ程度の運動を1日30分〜1時間程度、週5日を目安に継続すると効果的です。
日頃運動習慣がない方は無理のないペースからスタートするのがおすすめです。
また、スクワットなどの筋トレも代謝をあげることができるので、太りにくい体を作る効果があります。
筋トレの効果を高めるためには、運動後にたんぱく質と糖質を適量摂取すると効果的です。
たんぱく質が豊富なチーズなどの乳製品や豆乳、プロテイン、糖質が含まれているごはんやバナナなどがおすすめです。
食後すぐに運動すると消化不良の原因にもなりますので、食後30分以上時間を空けてから行うようにしましょう。
食後30分〜1時間程度に適度な運動をすると食べたものをエネルギーとして消費するので太りにくくなるとも言われています。
夜ご飯を食べた後に軽いウォーキングなどを取り入れてみてはいかがでしょうか。
とはいえ、日々の食事を時間に配慮しながらとるのは、準備が大変なだけでなく、栄養バランスも偏りがちになります。
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