高齢者向けのおやつとは?役割とおすすめレシピを紹介
作成日:2022年12月16日
食べる力がだんだんと衰えてくるご高齢の方に出す食事には、気を使わなくてはいけない点が多くありますが、おやつはどうなのでしょうか。
健康維持のためには、食事の栄養バランスを整えることが大切です。おやつは、食事で補いきれない栄養の補給や、食に対する楽しみのためにもぜひ出しましょう。
この記事では、高齢者向けのおやつの役割や、おすすめのおやつレシピを5種類ご紹介します。
参考にしてください。
目次
高齢者におやつが必要な理由
ご高齢の方の健康を維持するには、栄養をバランスよく摂取させることが必要です。
しかし、年齢を重ねるにつれて食が細くなったり、食べる意欲があっても食べられない日もあるでしょう。
おやつは味や見た目の違いだけではなく、食感の違いも楽しめます。さらに、健康維持と食事の楽しさを兼ね備えています。
ご高齢の方が食べるおやつには、1日3食の食事では補いきれない栄養を補填する役割があり、日常生活において大切な補食となっています。
どこで食べるのが良いのか?
おやつは食べる場所によって、目的や得られるメリットは異なります。
ここでは、どこでおやつを食べればよいのかについて解説します。
自宅のおやつ
自宅のおやつは、家族だけではなく、近所に住む友人らとコミュニケーションをとれる良い機会です。
昼食と夕食の間にリラックスタイムをとったり、小腹が空いた時に美味しいおやつを食べるなど、ご高齢の方が自主的に栄養補給できる点がメリットです。
空いた時間を有意義に過ごす手段にもなります。
施設のおやつ
施設に入っている方にとっておやつは、家族らとの交流を深められるメリットがあります。
家族が差し入れをするおやつは、施設に入っている方にとって嬉しいものであり、一緒に食べる喜びも味わえます。
レクリエーションの一環として食べる場合には、味や場の雰囲気、おやつの見た目を楽しめるので思い出作りにも役立ちます。
また、おやつは水分補給の役割も担い、毎日飲んでいるお茶や水に飽きた場合は、味やとろみがあるゼリー状の飲み物で摂取することができます。
高齢者のおやつの役割
ここでは、ご高齢の方が食べるおやつがどのような役割を持っているかについて解説します。主に4つの役割があります。
エネルギー補給
食事を3食とっていても、必要な栄養を全て補えるわけではありません。ご高齢の方は食べられる量が少なくなってくるので、一回に十分な食事量をとれない方もいます。
身体を動かすためには、エネルギーや筋肉のもととなるタンパク質、エネルギー源となる炭水化物(糖質)、脂質が必要となり、これらが不足すると低栄養状態になってしまいます。
体が栄養不足の状態では、筋肉量の減少、骨が弱くなる、免疫力が低下する、認知機能が低下するなど、体に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
この状態が長引けば寝たきりになるリスクも高まります。
タンパク質を摂取できるおやつとしては、卵を使ったプリンやチーズ、ヨーグルトなどがおすすめです。
チーズやヨーグルトなどの乳製品にはカルシウムが豊富に含まれているので、骨粗しょう症予防にもおすすめのおやつです。
乳製品のカルシウムは体内に吸収されやすいので効率的にカルシウムを摂取することができますよ。
炭水化物を補うためには、パンを使用したフレンチトーストやおはぎ、焼き菓子などがおすすめです。
脂質を補いたい場合は、バターを使用したお菓子やチョコレートなどを取り入れてみるのがおすすめです。
食物繊維をとるため
毎日の食事で野菜が不足すると、体調を崩しやすくなったり、食物繊維不足により便秘になってしまったりします。
高齢になると内臓の機能低下や食事量の減少などが原因で便秘になりやすくなります。健康管理や便秘予防のためには野菜のおやつを食べるのがおすすめです。
野菜や果物を食材として使うことで素材の旨味を感じながら、不足しがちな食物繊維やビタミン・ミネラル類を補います。
普段とはひと味違う野菜のおやつを食べることで、ご高齢の方の楽しみが増えます。
旬の果物は美味しいだけでなく、ビタミン、ミネラルも豊富で、水分が多く含まれているものが多いので、水分補給にもなります。
レーズンやプルーンなどのドライフルーツには、食物繊維や鉄など、高齢の方が不足しがちな栄養素が多く含まれています。
食べやすい大きさに切って、ヨーグルトに混ぜたり、焼き菓子に混ぜ込むなどして食べるのもおすすめです。
また、野菜ではさつまいもやかぼちゃがおすすめです。甘みがあり、おやつにもぴったりですし、ビタミン、ミネラルに加えて食物繊維も豊富に含まれています。
スイートポテトやプリン、羊羹、茶巾絞りなど、お菓子にもアレンジしやすい食材なのでおすすめです。
水分をとるため
ご高齢の方は、筋肉量が減ってしまい、水分を身体に留めておく機能が弱くなっています。
身体の水分量の減少は、脱水症状や便秘の原因にもなります。加齢により喉の渇きを感じにくくなるので、脱水症状になる前にこまめな水分補給を心がけることが大切です。
そこで、おやつと一緒にお茶や水を摂ることで、水分補給もでき、飲み込みやすくもなります。
ご高齢の方は、食事の際に必要量の水分補給を勧めても飲めないこともあります。
水分量の多いおやつか、おやつと交互に水分をとるようにしましょう。
飲み込む力が弱くなってくるとサラサラとした液体を飲み込みにくくなり、飲み込む時にむせてしまうことがあります。
飲み物が誤って気管に入ってしまうと誤嚥性肺炎の原因にもなりかねません。
そのような場合は、飲み物にもとろみ剤で適度にとろみをつけてあげると飲み込みやすくなります。
また、喉ごしのいいゼリーは、飲み込みやすく水分補給としても適しています。
いちごや桃、柿など、季節のフルーツを使用したゼリーや紅茶味、コーヒー味のゼリーなどさまざまなアレンジができるので、飽きることなく食べることができますよ。
食べる楽しみ
おやつを食べることで得られる最大のメリットが、食事やおやつを楽しいと感じてもらうことです。
通常食とは異なり、食感の違いや甘さなどが加わったおやつは、食べること自体が日々の楽しみになります。
食べることが楽しめないと、食も細くなり栄養補給が難しくなってしまいます。
美味しいものを食べる楽しみは、ストレス解消や日常生活にアクセントを与えるというメリットもあります。
ひな祭りやハロウィン、クリスマスなど、行事にあわせたおやつを用意するのも食事の楽しみが増え、食欲を高める効果が期待できますよ。
高齢者のおやつの注意点
ここでは、ご高齢の方におやつを勧める際に注意する点について解説します。
食事の時間を考える
おやつを出す時間はきちんと考えましょう。おやつを食べて満腹感を覚えてしまい、食事を食べられなくなると、栄養補給が十分にできません。
逆に入浴後やレクリエーション、リハビリ後におやつを食べると、小腹を満たせますし、気分のリフレッシュにもなって、より食べる楽しさが増します。
喉つまりに注意する
噛む力や飲み込む力が衰えてくるとパサパサしたものやサクサクしたものは飲み込みにくくなります。おやつの中には、ゼリーなど喉に詰まりやすいものもあります。
ゼリーだけではなく、嚥下力が低下しているご高齢の方がおやつをとる際には、窒息などの危険性があるため、喉につまらないよう注意しましょう。
噛む力や飲み込む力は個人差があるので、その方に合わせて食べやすいおやつを用意することが大切です。
噛む力や飲み込む力が衰えてきた方には、水分が多いものやなめらかなもの、しっとりとしたものが好まれます。
ご高齢の方がおやつを食べる際には、職員や家族が近くにいると安心しておやつを楽しめます。
マンネリ化を避ける
ご高齢の方は、若い頃食べたおやつを好む傾向があります。ですが、あえて現在流行っているおやつを勧めてみましょう。
現在人気のおやつには、見た目や食感、匂いなど、昔にはなかったものが多いので、五感を刺激できます。流行のおやつに興味を持つことで、会話も弾みます。
高齢者のおやつレクの目的
施設では、おやつレクリエーションと称して、「おやつ作り」が行われています。
旬の食材を使ったり、季節を感じられるもの、またはご高齢の方が昔好んでいたおやつを作ったりすることもあります。
おやつレクは、レクレーションとしての楽しさはもとより、入居者同士のコミュニケーションの活性化、指先を動かすことで脳の活性化の効果も期待されています。
高齢者におすすめのおやつレシピ5選
抹茶プリン
材料
・牛乳 200cc
・卵 1個
・砂糖 大さじ2
・緑茶 大さじ1
・ゼラチン 2.5g
・水 大さじ1
調理方法
①ゼラチンを水で柔らかくしておき、牛乳を弱火で熱しておく
②熱した牛乳に緑茶の茶葉を入れる
③煮だしたら砂糖とゼラチンを中に入れて溶かす
④溶き卵を入れ、混ぜながら弱火にかけ、とろみが出たら火を止める
⑤ザルでこして器に入れ、ある程度冷めたら冷蔵庫で冷やして固める
※参考:クックパッド | ぷるるん抹茶プリン
焼き餅の胡麻和え
材料
・めんつゆ3倍濃縮タイプ 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・すりごま おおさじ2
・薄力粉 3/4カップ
・片栗粉 1/4カップ
・水または牛乳 1/2弱
・油 大さじ1/2
調理方法
①薄力粉・水または牛乳・片栗粉を混ぜる
②熱したフライパンに油を敷いて先ほど混ぜたものを焼く
③一口大に切り分ける
④めんつゆ・砂糖・すりごまを混ぜた調味料を和える
※参考:クックパッド | 焼き餅の胡麻和え 老人・子供おやつに♪
もちふわ白玉団子
材料
・白玉粉 30g
・上新粉 10g
・豆腐 40~60g
・黒豆きな粉 適量
・ぜんざいの汁 適量
・三温糖 適量
調理方法
①白玉粉・上新粉を合わせたボウルに、絹ごし豆腐を手で崩しながら混ぜ合わせる
②粉っぽさがなくなるまで混ぜていく
③一口大になるように丸くこねる
④沸騰したお湯に団子を入れ、浮かんでくるまで待つ
⑤冷水で冷やし、冷えたら黒豆黄な粉にまぶす
⑥ぜんざいの汁に入れる
※参考:クックパッド | 高齢者♡子供おやつにも♡もちふわ白玉団子
バナナムース
材料
・バナナ 3本
・水 150ml
・砂糖 50g
・レモン汁 少々
・粉末ゼラチン 12g
・水 50ml
・牛乳 250ml
・生クリーム 35ml
調理方法
①バナナと水・砂糖・レモン汁を鍋に入れ、柔らかくなるまで煮る
②粉末ゼラチンを水でふやかし、湯せんをして溶かしておく
③バナナと調味料の粗熱をとり、牛乳とミキサーにかける
④ミキサーの中身とゼラチン液を入れて溶かし、とろみが出るまで冷ます
⑤角が立つほど混ぜた生クリームを先ほどの液に混ぜ合わせ、型に入れて冷やして固める
※参考:クックパッド | こども~高齢者まで大人気「バナナムース」
林檎煮
材料
・リンゴ 6個
・水 200cc
・蜂蜜 大さじ2
・レモン 少々
調理方法
①リンゴは皮をむいておくが、皮は捨てずにとっておく
②切ったリンゴを鍋に並べ、リンゴの皮を上に乗せる
③水と蜂蜜を加え、弱火で10分くらいリンゴを煮る
④リンゴの色が薄いピンク色になり、煮汁が鍋の底に残る程度で火を止める
⑤レモンを振りかけつつリンゴを自然に冷ましていく
※参考:クックパッド | お年寄り絶賛シリーズ!おやつ・林檎煮!
まとめ
ご高齢の方にとっておやつは、食事だけでは不足しがちな食物繊維や栄養分、水分の補給などさまざまな役割を持っています。
また、食の楽しみが増える点も大きなメリットです。
手作りのおやつはもちろん、市販品のおやつも上手に活用して栄養バランスを整えたいですね。
おやつの食べ過ぎで3食の食事が食べられないといったことがないように、食事との兼ね合いや喉つまりなどに注意しながら、おやつを積極的に摂るよう勧めましょう。
また、食事をおいしく食べるためには空腹感を感じることも大切です。
高齢になると活動量が減ってくるので、無理のない範囲で散歩をしたり、室内でできる簡単な体操などを取り入れて活動量を増やしてみてはいかがでしょうか?
健康に長生きするためには、3食の食事から栄養をしっかりととることが大切です。
加齢による消化器官の衰えや活動量の減少により食事量は自然と減ってきます。しかし、体を維持するためには栄養をしっかりと摂取することが欠かせません。
噛む力や飲み込む力が衰えてくると食べやすい食材に偏った食事になりがちです。
しかし、それでは栄養が不足してしまうので、少量でもバランスよく食べることが大切です。
ご高齢の方の食事については、味付けや栄養など、考慮すべき点がたくさんあり、献立を考えるだけでも大変です。
そんな大変な介護生活をサポートし、便利なのがまごころ弁当です。
まごころ弁当のお弁当は高齢者の方向けに栄養バランスや食べやすさにこだわって作られたお弁当です。管理栄養士がメニューを考えており、栄養バランスにも配慮。
さらに、健康状態に合わせて選べる5つの種類があります。
普通食のお弁当はもちろん、カロリー制限をしている方向けのお弁当やたんぱく質を制限している方向けのお弁当、咀嚼が難しくなってきた方向けのムース食のお弁当など種類が豊富!
お弁当の内容は日替わりなので、続けて注文しても飽きないですよ。
「おかずのみ」や「おかずとごはんセット」も選べるので、ごはんは自宅で炊くので、おかずだけ欲しいといった注文方法も可能です。
さらに、食材アレルギーがある、ご飯をおかゆにしたい、きざみ食にしたいなどの希望にも無料で個別対応をしてくれます。
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