ケアハウスとはどんなサービスが受けられるの?
作成日:2019年8月10日
ご高齢のご家族がいる場合、今は元気だとしてもゆくゆくは介護が必要になることがあります。しかし、ご家族の状況によっては介護しながら一緒に暮らすのが難しいこともあるでしょう。また、自立して生活できるものの一人で生活させるのは心配だという方もいるのではないでしょうか。そんなときにおすすめなのが、「ケアハウス」です。
この記事では、一人暮らしが不安な方や介護が必要な方でも快適に暮らせ、低額で入居できる「ケアハウス」について解説します。
目次
ケアハウス(軽費老人ホーム)とは
ケアハウスは、軽費老人ホームの一種で一般型と介護型があります。社会福祉法人・地方自治体・民間事業者などが運営する福祉施設で、食事や洗濯などの介護サービスを受けられるものです。入居者の所得制限がなく、比較的安い料金で利用でき、一人暮らしはもちろん夫婦でも入居できるため、利用を希望する人も少なくありません。
60歳以上(種類によっては65歳以上)なら介護が必要な方はもちろん、介護の不要な方でも入居可能です。
ケアハウスには種類がある
ケアハウスが属する軽費老人ホームには、A型・B型・C型があり、軽費老人ホームC型がケアハウスにあたります。また、一口に軽費老人ホームC型といっても、ケアハウスには一般型と介護型があり、それぞれ特徴が異なります。
ここでは、軽費老人ホームA型・B型・C型(ケアハウス一般型・介護型)の特徴について詳しく見ていきましょう。
軽費老人ホームA型・B型
「身の回りのことは自分でできるが一人暮らしに不安がある」という方が入居できる軽費老人ホームA型・B型には、次のような特徴があります。
・軽費老人ホームA型
原則として、入居できるのは60歳以上の方で、食事の提供や入浴準備、緊急対応など、日常生活をおくるうえで必要なサポートが受けられます。
・軽費老人ホームB型
軽費老人ホームA型とほぼ同じですが、食事の提供がありません。
A型・B型どちらも入居者の所得によって月額料金が変わりますが、食事提供がないB型のほうが費用は安いのが一般的です。軽費老人ホームA型・B型は1990年以降新設されておらず、代わりにC型(ケアハウス)が登場しました。
軽費老人ホームC型
ケアハウスと呼ばれる福祉施設は、主にこの軽費老人ホームC型を指します。ケアハウスの中には、介護が不要な方でも入居できる一般型と、要介護の方が入居できる介護型があります。次にそれぞれの特徴を解説します。
一般型
軽費老人ホームC型(一般型)は、介護が不要な方はもちろん軽度であれば介護が必要な方も入居でき、夫婦でも入居可能な施設です。基本的には全室個室でバリアフリー設備が整っており、高齢の入居者が快適に暮らせるよう配慮されたつくりになっています。
食事の提供や日常生活に必要なサポートや緊急時対応、見守りサービスなどが受けられ、入居した後に介護が必要になった場合でも、軽度であれば訪問介護などの介護サポートが受けられるのが特徴です。
介護型
軽費老人ホームC型(介護型)は、65歳以上で要介護1~2の方を入居対象とした施設です。介護スタッフが常駐しているため、食事の提供や買いものなどの日常生活支援はもちろん、通院のつき添いや入浴・排泄補助などの介護サービス、機能訓練などを受けることも可能です。
サポートが手厚い分、一般型より入居費用は高くなる傾向がありますが、介護度が上がっても入居を継続できるため同じ環境で長く過ごすことができます。
ケアハウスのサービス内容
ケアハウスで受けられるサービスの内容を一般型と介護型で見ると、次のようになります。
一般型 | 介護型 | |
食事の提供 | ○ | ○ |
日常生活サポート | ○ | ○ |
緊急時対応 | ○ | ○ |
身体介護 | × | ○ |
身体機能回復サポート | × | △ |
医療処置 | × | △ |
食事の提供や居室の掃除、洗濯など日常生活の援助や見守りは一般型・介護型どちらも受けられます。入浴や食事補助など、介護サポートに関しては、介護型のケアハウスで条件を満たせば受けることが可能です。
ケアハウスの設備について
ケアハウスは、居室・キッチン・トイレ・浴室・緊急通報システムなどの設備で構成されています。1⼈⽤の居室の広さが21.6 平方メートル以上、2⼈⽤居室なら31.9平方メートル以上あり、居室内に洗⾯所・トイレ・収納・簡易キッチンなどが設置されているタイプと、共用の食堂や談話室・キッチン・トイレなどが設置されていて、居室の広さが1⼈⽤15.63平方メートル以上、2⼈⽤23.45平方メートル以上のタイプがあります。
民間事業者の運営する介護型ケアハウスでは、ユニット型個室となっているケースもあります。
ケアハウスの入居条件
ケアハウスの入居条件について見てみましょう。一般型も介護型も、自立した生活を送ることに不安がありながらも、家族の援助を受けるのが難しい高齢の方を入居対象とした施設です。そのうえで、一般型の場合は60歳以上の一人暮らしの方、もしくはどちらかが60歳以上のご夫婦で、介護の必要がないもしくは軽度な要介護状態であることが条件となっています。
介護型の場合は、65歳以上で要介護1以上の方であることが条件となり、所得制限はありません。
ケアハウスの費用はどのくらいか
ケアハウスに入居する際、初期費用と月額費用がかかります。入居するための費用目安は、一般型・介護型それぞれ次のようになっています。
一般型 | 介護型 | |
初期費用 | 約30万円 | 数十万円~数百万円 |
月額費用 | 6万円~数10万円 | 6万円~20万円 |
月額費用の中には、家賃・食費・光熱費・施設運営費などが含まれています。
介護型の場合は、介護サービス費もプラスされるため、通常は一般型よりも費用は高くなります。また、施設によって費用は異なりますので、上記金額は目安としてとらえてください。
ケアハウスのメリット
ここで、ケアハウスに入居するメリットをまとめてみましょう。ケアハウスのメリットは次のとおりです。
・有料老人ホームなどに比べて初期費用や月額費用が安い
・介護型であれば介護が必要になってもそのまま入居を継続でき、長く住み続けられる
・一人もしくは夫婦の個室が与えられる
・自由に使用できるキッチンはあるものの、食事の提供も受けられる
個室でプライバシーを確保しながら、費用が安く快適に入居できるなど、ケアハウスのメリットはたくさんあります。
ケアハウスのデメリット
ケアハウスへの入居には、次のようなデメリットもあります。
・入居希望者数が多い
・要介護度が上がると、場合によっては退去が必要
入居費用が数千万円以上、月額費用が40万円以上になることもある有料老人ホームに比べて安く入居できるケアハウスは、入居希望者が多く入居が難しいケースもあります。また、一般型の場合は外部の介護サポートを受けることもできますが、要介護度によっては入居を続けられないケースもあります。
ケアハウスと有料老人ホームの違い
ケアハウスと有料老人ホームには、費用以外にも異なる点があります。ここでは、有料老人ホームとはどのようなものなのか、ケアハウスとはどのような違いがあるのかを解説します。
有料老人ホームとは
有料老人ホームは、高齢の方が住みやすいよう配慮された施設で、食事の提供や日常生活の援助、入浴や排泄補助などの介護サービスなどが受けられます。要介護者を対象とした「介護つき」、要介護者と介護不要の自立した高齢の方を対象とした「住宅型」、介護不要の自立した高齢の方を対象とした「健康型」の3種類があります。
介護つき有料老人ホームは、介護型と同じく「特定施設入居者生活介護」指定を受けています。
有料老人ホームとの違い
ケアハウスは、地方自治体や社会福祉法人、医療法人などが運営するのが一般的ですが、有料老人ホームは民間企業が運営していることが多いです。そのため、公的側面の強い機関が運営するケアハウスのほうが、入居費用が安くなる傾向があります。
また、有料老人ホームには、管理者・生活相談員・栄養士・調理員の配置が義務付けられていますが、ケアハウスの場合は、施設長・生活相談員・介護職員・栄養士の配置が義務付けられているなど、人員体制にも違いがあります。
ケアハウスのまとめ
一人暮らしが不安な方や介護が必要な方でも快適に暮らせ、低額で入居できるケアハウスについて解説しました。低額とはいえ料金の負担が難しい場合は、在宅介護を検討してみましょう。在宅介護の場合は、食事はもちろん日常生活のサポートなど、ご家族に負担がかかる部分があります。そんな悩みには、食事面のサポートとして宅配弁当の利用をおすすめします。
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