食欲不振を改善する方法で、健康長寿も目指せる!
作成日:2019年10月10日
いつまでも若々しく、心もカラダもいきいきとしていたいものですね。そのためには、低栄養を防ぐことからはじめることが大切です。
いくら活動しようと考えても、いくら何か楽しいことに集中しようとしても、栄養不足では思っているように行動できないものですし、打ち込むことも簡単ではありません。
そこで今回は、高齢者の方がよりよく、元気で健康に過ごしていただけるヒントとして、食欲不振の理由や健康でいるために大切な食事についてご紹介していきます。
目次
高齢者の食欲不振、なぜおこるのか
自分では感じていない方も多いと思いますが、誰でも年齢を重ねることで少しずつカラダの機能は低下していくものです。
60代の頃は大変健康で元気だったとしても、70代に入る頃から少しずつカラダの機能が低下し、ほとんどの方が
・食事の量が減った
・筋肉の量が減った気がする
・立ち上がるのに時間が必要
・歩く速度が遅くなったかも
・ちょっと買い物へ歩いていくと疲れてしまう
このような経験をされていることでしょう。こういった経験は自然現象として仕方のないことではありますが、少しの工夫によって改善させることもできるのです。
しかし、こういう経験をさらに進行させてしまうと、今度は次のようなカラダの変化を感じることにもなりかねません。
・8020を目指していたのに歯の本数が減った
・噛む力が弱くなって少し硬いものは食べたくない
・飲み込むときに「むせる」ことが増えて食べたくない
・食事の消化が低下してお腹が張ってつらい
・味がしなくなった
こうなると、健康なカラダを維持するために必要な栄養素を取り込むことが難しくなり、高齢者の方に起こりやすい「低栄養」を引き起こすこともあるのです。
そして知らない間に「やせすぎ」になってしまい、さらなる
・食欲低下
・食事量の減少
・動くことの減少
・筋肉が衰え
を招くことになりカラダのエネルギー消費も落ちますので、摂取も少なくなるという「負のサイクル」に入ってしまい、横になっている時間が増えることで、症状が進んでしまうと「寝たきり」に近い状態を経験する確率が高くなっていきます。
これは誰もが望んでいる状態ではないはずです。望んでいるのは健康なカラダと様々なことを楽しめる力です。
そのためには、次からお話する「食事」が大事になってきます。
高齢者の健康は食事にあり!
高齢者の寿命が長くなったという話を耳にすることがあります。確かに年齢だけを見ると長寿になっているでしょう。
しかし、人がいきいきと暮らすためには、健康な状態でいられる「健康寿命」がどれくらいの年齢まで続くのかも重要です。
そこで平均寿命と健康寿命について、過去に厚生労働省が調査した結果を見てみると次のようになります。
・男性の平均寿命:80.98歳 健康寿命:72.14歳
・女性の平均寿命:87.14歳 健康寿命:74.79歳
おそらく平均寿命に関しては医療の進歩なども含め、今後も延びていることが予想されますが、健康寿命はというと自分で健康なカラダを意識した暮らしを続けることがポイントになると思います。
そこで、どういった部分に意識を向けて暮らせば良いのかを紹介していきます。
大切なのは食事のとり方
先ほどの平均寿命と健康寿命を見るとわかりますが、最期の約10年は病気になる可能性や、寝たきりになる可能性があることを示しています。
ですから、私たちが最初に意識しておきたいポイントは、残りの10年をギリギリまで健康な状態で暮らせるようになることです。
そのためには、人間が健康に生きるために絶対的に必要な「食事」のとり方が大変重要になってきます。
まずは、毎日の食事量を大幅に減少させることなく、規則正しく食べることが大切です。
さらに、カラダのことを考えて栄養をとることにも意識を向けておきましょう。
・たんぱく質
・脂質
・ビタミン
・ミネラル
・食物繊維
・糖質
・乳酸菌
・ポリフェノール
年齢にあわせて意識的に、毎日の献立へ含めることでカラダの老化を予防することにも役立つでしょう。
また、カラダを動かすときに必要となる「筋肉」を減らさないことも大切です。
筋肉量が減少すると、立ち上がったり歩いたりすることが億劫に感じるため、エネルギー消費がされにくくなり食欲不振を引き起こし、食事を積極的にとらなくなることが増えていきます。
低栄養を防ごう
食事から必要な栄養素をとることで、高齢者の方がなりやすい「低栄養」の予防を意識しましょう。
低栄養になると、基礎代謝が落ちたり、疲れがいつまでもとれなかったりしますので、どんどんと生活の中から元気な雰囲気が低下していきます。
元気な雰囲気や気持ちがもてないと、人は活動することを嫌いますので、これもエネルギー消費を下げる原因になります。
そうすると、先ほどお話したことと同じように、食欲不振を引き起こす原因を作ってしまい、さらに低栄養になることも十分に考えられるのです。
そこで低栄養を防ぐためには、規則正しい食事習慣によって胃腸の働きを促進することから始めてみましょう。
お昼前になれば「お腹が空いたな」と感じられるのは、大変すばらしいことです。
でも、規則正しい食習慣を続けようと意識すると、毎日献立を考えるのが大変だという方もいらっしゃいます。このお気持ち、大変理解できます。
そこでスーパーで売っているお総菜を活用すること。
散歩も含めて外食すること。
さらに、毎日同じような献立では飽きてくると思いますので、栄養バランスを最初から考えてある「宅配弁当」を検討されると、献立で悩むことも減るはずです。
私たち「まごころ弁当」も、このような栄養バランスを考えたお弁当を提供しております。原材料からこだわったお弁当なので、いつでも安心して食事を楽しんでいただくことができるでしょう。今なら無料試食キャンペーン中ですので、お試しいただけると幸いです。
噛む飲み込むが大切
食事を楽しみ、栄養素をしっかりとるためには、食事の入り口で重要な
・噛む
・飲み込む
この2つの力を強くすることにも意識を向けていただきたいと思います。
舌や顎などの筋肉も、腕や脚と同じように年齢と共に誰もが衰えていきます。これらの筋肉が衰えると噛むことが難しいので、食事をおいしく感じられなくなる方が増えてきます。
すると、人は食べなくなっていきます。特に噛みづらい
・牛肉
・豚肉
・鶏肉
など、栄養素として必要な「たんぱく質」をとらないようになるため、さらに筋肉量が減少し、食欲の低下を招き低栄養を引き起こすという、歓迎できないサイクルを作り出すことにもなりかねません。
日頃から、噛む力や飲み込む力を維持するための運動を、かかりつけ医などに教えてもらうことが必要です。
また、筋肉の減少ではなく「お口のトラブル」で噛めない飲み込めない場合もあります。
うまく噛めなくなったな。飲み込むのが難しいなと感じられたら、歯科医院で噛み合わせや歯茎の健康状態をチェックしてもらうことも有効です。
このようなポイントを意識していても、誰もがいつからは噛む飲み込むがスムーズにできなくなってきます。
そういったときには「とろみ」を食事にかけることで、噛む力や飲み込む力の衰えを予防しながら、食事を楽しむことができるでしょう。
高齢者がとっておきたい栄養とは
次に、高齢者の方がとっておきたい栄養素についてお話します。
たんぱく質
筋肉を維持するためには「たんぱく質」が必要です。
また、たんぱく質は筋肉だけではなく、臓器やカラダ全体に不可欠な栄養素なので、誰もが必要なものなのです。
そこで、たんぱく質を多く含んでいる食材を見ておきましょう。
たんぱく質:含有量Top10
順位 | 食品名 | 成分量(100gあたりのg) |
1 | 肉類 | 87.6 |
2 | 卵類 | 86.5 |
3 | 乳類 | 86.2 |
4 | 魚介類(さめ類) | 83.9 |
5 | 魚介類(魚類) | 80.0 |
6 | 豆類(塩分無調整タイプ) | 79.1 |
6 | 豆類(塩分調整タイプ) | 79.1 |
8 | 魚介類(かつお類)かつお節 | 77.1 |
9 | 魚介類(かつお類)削り節 | 75.7 |
10 | 魚介類(いわし類) | 75.1 |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
URL:https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
たんぱく質は血管や細胞なども丈夫にし、免疫力を高める効果があるといわれています。
脂も必要
脂(油)と聞くと、「カラダによくないのでは?」と思われる方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。
私たちのカラダには、脂も必要な栄養素の一つなのです。確かに脂をとりすぎると良くありませんが、これはどのような栄養素でも同じこと。
適度な量を摂取することで、エネルギー源として働いてくれます。
特に脂の中でも、
・オメガ3系
・EPA
・DHA
・エゴマ油
・アマニ油
・しそ油
・オリーブオイル
こういった油は、血液の流れをスムーズにする作用があると言われていますので、血液によってカラダの隅々まで栄養と新鮮な酸素が届きやすくなり、免疫力アップも期待できます。
ビタミンでアンチエイジング
ビタミンの中でも、
・ビタミンA
・ビタミンC
・ビタミンE
これらはカラダの中で作ることがほとんどできません。そのため積極的に食事から取り入れる必要が出てきます。
ビタミンAは粘膜や肌を守る働き。
ビタミンCはストレスからカラダを守る働き。
ビタミンEは皮膚の老化を防止する働き。
このような効果が期待できると言われていますので、いつまでもいきいきとした暮らしを送るためには、不可欠な栄養素だということになります。
また、ビタミンBも老化防止に、ビタミンDは骨を強くする効果があると医療分野では言われていますので、アンチエイジングにも有効な栄養素だといえます。
貧血予防にもミネラル
ミネラルには
・カルシウム
・カリウム
・マグネシウム
・ナトリウム
・鉄
など16種類があります。
これらの成分は、カラダの内部を整えるために必要なものなのですが、私たちの体内で作り出すことができません。
そのため食事によって摂取することが大変重要になってきます。
特に体力が低下してくると起こりやすい「貧血」などは、鉄の摂取が必要になりますし、カラダを動かすためにも欠かせない栄養素の一つなので意識しておくことが必要です。
体内からキレイに腸内環境を整えよう
食物繊維はカラダにとって良い効果を運んでくれます。
腸内環境を整える働きがある「不溶性食物繊維」や、血糖値の上昇を防ぐ「水溶性食物繊維」があります。
どちらもカラダにとって良い効果を生み出しますので、食物繊維を積極的に摂取していただきたいと思います。
そこで、食物繊維を多く含んでいる食材を見ておきましょう。
不溶性食物繊維:含有量Top10
順位 | 食品名 | 成分量(100gあたりのg) |
1 | きのこ類(あげきくらげ) | 73.1 |
2 | いも及びでんぷん類(こんにゃく) | 70.4 |
3 | きのこ類(きくらげ) | 57.4 |
4 | きのこ類(しろきくらげ) | 49.4 |
5 | 野菜類(わらび) | 48.0 |
6 | 緑茶類(煎茶) | 45.5 |
7 | 豆類 | 42.1 |
8 | 野菜類(とうがらし/果実) | 41.0 |
9 | きのこ類(まいたけ) | 39.4 |
10 | 緑茶類(玉露) | 8.9 |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
URL:https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
水溶性食物繊維:含有量Top10
順位 | 食品名 | 成分量(100gあたりのg) |
1 | いも及びでんぷん類(こんにゃく) | 73.3 |
2 | きのこ類(しろきくらげ) | 19.3 |
3 | 野菜類(らっきょう) | 18.6 |
4 | 青汁 | 12.8 |
5 | 野菜類(わらび) | 10.0 |
6 | 種実類(あまに) | 9.1 |
6 | 野菜類(エシャレット) | 9.1 |
8 | 野菜類(きく) | 8.2 |
9 | 豆類(あずき) | 7.7 |
10 | 豆類(だいず) | 7.6 |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
URL:https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
糖質はゼロでなくていい
糖質制限という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。
ダイエットの分野では「糖質制限」することでやせるという方法が紹介されていますが、高齢者の方の場合は糖質を「適量」食べる方に意識を向けてもらいたいと思います。
というのも糖質はエネルギー源になりますので、不足すると体力低下によって活動することが難しくなってきます。
食べ過ぎ、摂取しすぎはいけませんが、ごはんなら毎食軽くお茶碗1杯くらいを目安にしてもらうと良いでしょう。
高齢者の食欲不振を改善まとめ
高齢になると、どうしても活動することが減ってしまいます。そのためカラダの衰えは進みやすくなるものです。
でも、きちんと食事をとることで活動するエネルギーがカラダの中に満たされると、あれもしたい、これもやりたいという気持ちが起こってくるはず。
いつまでもいきいきと健康長寿で暮らしていただくためにも、低栄養にならないような食事を意識していただきたいと思います。