アスタキサンチンで白髪予防 抗酸化物質を食べてアンチエイジング
作成日:2022年12月6日
しみやしわ、白髪などの老化現象は活性酸素による身体の錆びつきが関係しています。
私たちの身体の中では呼吸で取り入れられた酸素のうち、約2%が活性酸素に変わり、正常な細胞を傷つけているのです。これがしみやしわの原因となり老化のもととなります。
ここでは、活性酸素が増える原因や、元々身体に備わっている抗酸化力を高めるための生活の注意点、食事など解説します。
目次
抗酸化作用について
大気中に含まれる酸素が呼吸によって取り込まれると、一部は通常よりも活性化された状態になります。これを活性酸素といいます。
活性酸素は体内で常に発生しており、免疫機能や感染防御の重大な役割を担う人体にとって必要な物質です。
しかし、過剰に産生されてしまうと、細胞やDNAを傷つける「酸化」を起こします。
抗酸化作用とはこの酸化を抑える働きのことです。元々、私たちの身体には活性酸素から自己を防御する抗酸化防御機能が備わっており、活性酸素の産生を抑制したり、生じたダメージの修復や再生を促したりしています。
しかし、抗酸化防御機能と酸化のバランスが崩れると細胞の修復が追い付かなくなり、老化の促進や、がんや心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。
活性酸素の産生が上回り、抗酸化防御機能のバランスが崩れた状態を酸化ストレスといいます。
酸化ストレスは紫外線や大気汚染、喫煙、激しい運動や精神的ストレスなどにより増加します。
酸化ストレスが増える要因
・加齢
・紫外線
・排気ガス
・喫煙
・飲酒
・激しい運動
・運動不足
・食品添加物の多い食事
・油ものが多い食事
・肥満
・精神的ストレス
など
酸化ストレスが身体に及ぼす影響の一例
・しみ、しわ、たるみ、くすみ
肌の中では皮脂やコラーゲン、遺伝子などの様々な物質が酸化ダメージを受けます。
肌の中で酸化が起こると、表皮の細胞が損傷し、くすみや肌が硬くなるなど様々なトラブルを引き起こします。
長期的な酸化ストレスの蓄積は、肌の老化が促進する原因となり、しみやしわ、たるみやくすみとなって現れます。
・白髪
白髪ができる要因には、加齢や血行不良、睡眠不足などがありますが、酸化ストレスもその一つです。
活性酸素は、髪に着色する色素細胞である「メラノサイト」の老化を早め、黒髪を作る働きを弱くさせてしまいます。
また、活性酸素は、ヘアカラーやパーマ液などの薬剤にも含まれており、徐々に毛根に蓄積されることで白髪の原因になると考えられています。
・白内障、緑内障
紫外線は水分に反応して活性酸素を発生します。特に屋外では目は常に活性酸素の危険にさらされている状態となりますが、酸化を防ぐための酵素やビタミンCが眼球には備わっています。
しかし、加齢とともに酵素を作る能力やビタミンCが不足してしまうと、活性酸素によって細胞が破壊され、白内障を引き起こします。
・がん
人間の身体は60兆個の細胞で構成されており、約200日で新しい細胞に生まれ変わります。
細胞の中には遺伝子が入っており、遺伝子情報によって身体の細胞は正常な働きをして、形や性質が全く同じ細胞を形成しています。
しかし、活性酸素によって、細胞の遺伝子が傷つけられると、DNAに障害が起き、遺伝子情報に誤りを生じてしまい、細胞の再生が正しく行われなくなります。
すると細胞は突然変異を起こし、分裂と増殖を無限に繰り返してがんを発症させます。
また、活性酸素が過剰に発生し、抗酸化機能を上回っている状態では一般的に免疫力も低下してしまうため、発生したがん細胞を攻撃する力が弱まり、がんが進行していく危険が高まります。
・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞
血液中のLDLコレステロールが酸化すると、血管の中の掃除をする働きをするマクロファージがそれを異物とみなし、マクロファージ自身の中にどんどん取り込んでいきます。
マクロファージが酸化したLDLコレステロールを取り込み続けると、膨れ上がって泡沫細胞となり、時間の経過とともに次第にアテロームプラークと呼ばれる状態となります。
このアテロームプラークが血管の壁の内側に盛り上がることで、血管の壁が脆く、硬くなったり、内腔が狭くなったりして動脈硬化は進行していきます。
この動脈硬化が心臓の動脈で起こり、狭窄した内腔に血の塊が詰まってしまうと、心筋梗塞となります。
また、脳で同様に詰まってしまうと脳梗塞が起こります。
・肥満
活性酸素は、脂質や糖質などのエネルギー源を燃焼するミトコンドリアの活動を低下させるため、酸化ストレスが高い状態が長期化すると肥満になりやすくなります。
ミトコンドリアは脳からの伝達で活動していますが、活性酸素が身体に蓄積すると脳からの伝達が不十分となり、ミトコンドリアの活動が低下します。
その結果食事からのエネルギーの燃焼量が低下し、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されることが活性酸素と肥満が結びつく一因と考えられています。
・神経変性疾患(アルツハイマー型認知症・パーキンソン病など)
脳の細胞は、身体の中の酸素の約20%とかなりの量を消費しています。活性酸素は脳細胞の成長や認知機能のサポートをする働きがあります。
過剰に産生されると、脳細胞内の構造に損傷を与え、細胞死を引き起こし、神経変性疾患となるリスクを高めると考えられています。
酸化ストレスを減らすには?
酸化ストレスによる老化を食い止めるためには、日常的な対策が必要です。
・規則正しい生活をする。
→睡眠不足は疲労が蓄積し酸化ストレスに抗うために元々備わっている能力、「抗酸化防御機能」を低下させてしまいます。
規則正しい生活をして十分な睡眠時間を確保しましょう。
毎日同じ時刻に寝たり、起きたりすることで体内時計が調節されます。夜更かしや寝坊は生活リズムが乱れやすくなるため、気をつけましょう。
・栄養バランスの良い食事を食べる。
食事は主食・主菜・副菜を組み合わせて栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。
自分の適性体重や必要エネルギー量を知り、身体に必要な栄養やエネルギーを過不足なく摂るようにしましょう。
・紫外線対策をする。
紫外線の量は3月から増え、4~9月にピークを迎えます。しかし、10~2月にも紫外線は降り注いでおり、ゼロではないため注意が必要です。
晴れの日だけでなく、曇りの日も油断してはいけません。日頃から帽子や日傘、日焼け止めなどで紫外線から身体を守りましょう。
また、目に紫外線を浴びて酸化ストレスが蓄積すると白内障にもなりやすくなるため、外出時はサングラスをかけて目を保護するようにしましょう。
太陽が高く昇るとサングラスの隙間から紫外線が目に入ってしまうため、つばのある帽子を併用して紫外線を防御すると良いでしょう。
目に影ができるように帽子を深くかぶることで、紫外線のカット率は20%から50%にアップします。
普段から眼鏡をかけている人は、レンズに紫外線カット効果があるものを選ぶのがおすすめです
・精神的ストレスを溜め込まない。
精神的ストレスは酸化ストレスが高まる要因となります。
ストレスが蓄積しないよう、適度な休息をとることや、趣味に没頭して気分転換を図るなど自分に合ったストレスの対処法を見つけましょう。
・適度な運動をする。
運動不足と激しい運動のどちらも酸化ストレスが高まる要因となるため、適度な運動を心がけましょう。毎日継続することで肥満の予防・解消にも効果的です。
適度な運動量は個人差がありますが、目標脈拍数を目安とすると自分に適した運動負荷量を知ることができます。
目標脈拍数=0.6×{(220-年齢)-安静時脈拍数}+安静時脈拍数 |
例)70歳、安静時脈拍数が60回/分の人の場合
0.6×{(220-70)-60}+60=114
目標脈拍数は114回/分となります。
・禁煙をする。
たばこを吸うと、1本あたり約100兆個の活性酸素が発生するだけでなく、抗酸化作用のあるビタミンCを破壊してしまいます。
喫煙はたばこに含まれているニコチンに依存性があるため簡単にやめることはできません。自力では難しい場合は禁煙外来のある医療機関を受診しましょう。
禁煙治療には健康保険が適用される場合もあり、治療費の負担を軽くすることができます。
抗酸化作用を高める為の食事
活性酸素の働きを抑えるには、抗酸化作用のある酵素を増やす必要があります。
この酵素はもともと身体の中にあるものですが、加齢とともに徐々に減少していくため、食事やサプリメントなどで補う必要があります。
酵素を作るには、タンパク質と亜鉛やマンガンなどの栄養素が必要です。
また、抗酸化作用のある栄養素を摂取することでも活性酸素を減らす働きがあります。
抗酸化作用のある栄養を含む食品を積極的に摂取して体内に活性酸素が蓄積されないようにしましょう。
<抗酸化作用のある栄養素>
・ビタミンA
ビタミンAはもともと身体に備わっている抗酸化力をアップさせ、コレステロールの酸化を防いで動脈硬化を予防したり、目や皮膚を健康に保つ働きがあります。
ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため油と一緒に調理すると吸収率が良くなります。ビタミンAはレバー、緑黄色野菜に多く含まれます。
・ビタミンC
ビタミンCは細胞の代わりに活性酸素に酸化されるため、細胞を守る効果があります。
ビタミンCは一度に大量に摂取しても、余剰になった分は尿として排出されてしまうため、毎日摂取することが大切です。
ビタミンCは果物や野菜に多く含まれます。
・ビタミンE
ビタミンEは血管を拡張して血行を促進するほか、活性酸素によるコレステロールの酸化を抑制する働きがあります。
ビタミンCとビタミンEは抗酸化作用を補い合うため、一緒に摂取すると効果的です。ビタミンEは植物油や魚介類に多く含まれます。
・ビタミンB2
ビタミンB2は活性酸素によりコレステロールが酸化された過酸化脂質を分解する働きがあります。
ビタミンB2 は熱に強いですが水に流れ出やすい性質があるため、煮汁ごと摂取できる調理法がおすすめです。
また、光に弱いためビタミンB2 を多く含む食品は遮光が必要です。ビタミンB2 はレバー、うなぎ、納豆、卵などに多く含まれます。
・イミダゾールジペプチド
イミダゾールジペプチドは、優れた抗酸化作用がある2つ以上のアミノ酸が結合した構造を持つ成分で、抗疲労効果があることが科学的に実証されています。
イミダゾールジペプチドは、渡り鳥など鳥類の胸の筋肉や回遊魚の尾びれに豊富に含まれており、人間では脳や筋肉に存在していますが、加齢とともに減少していきます。
イミダゾールジペプチドは毎日200~400mg摂取することが理想とされています。
特に鶏むね肉に多く含まれており、煮ると成分が流出してしまうため、煮汁ごと摂取できる料理がおすすめです。
参考:日本予防医薬 イミダゾールジペプチド
https://imidapeptide.jp/
・ポリフェノール
ポリフェノールは植物の色素や苦みのもととなる部分で、自然界に5000種類以上存在します。
植物が過酷な生育環境に耐えて生き残るために細胞を守る成分で、活性酸素を捕らえて除去する高い抗酸化作用があります。
代表的なポリフェノールにはアントシアニンやイソフラボン、カテキン、カカオポリフェノールなどがあります。
ポリフェノールは体内に蓄積させておくことができないため、毎日継続して摂取する必要があります。
また、過剰摂取によっては人体に害を及ぼすものもあるため、注意しましょう。
<代表的なポリフェノールと含有量が多い食品>
種類 | 含有量が多い食品 |
アントシアニン | 赤ワイン、黒豆、ブドウ、ベリー類、紫キャベツ、紫イモなど |
カテキン | 緑茶、番茶、ほうじ茶、紅茶など |
カカオポリフェノール | チョコレート、ココアなど |
ルチン | 蕎麦、アスパラガス、柑橘類など |
フェルラ酸 | 米、玄米、小麦などの穀類、ピーナッツなど |
クロロゲン酸 | コーヒー、ナス、ゴボウ、ジャガイモなど |
クルクミン | ウコンなど |
セサミン | アマニ、ゴマなど |
・カロテノイド
カロテノイドは動植物に含まれる色素の総称でその数は750種類以上にも及びます。カロテノイドも紫外線や活性酸素から細胞を守るために作られた成分です。
人間の皮膚や臓器にも存在していますが、自ら作り出すことはできないため食品や化粧品などから摂取する必要があります。
代表的なのはβカロテンやリコピン、アスタキサンチンなどです。
特にアスタキサンチンにはビタミンEの500~1000倍、βカロテンの40倍もの抗酸化作用があります。
カロテノイドの種類によって対応する活性酸素の種類が異なることが明らかにされているため、老化予防には様々な種類のカロテノイドを満遍なく摂取することが大切です。
<代表的なカロテノイドと含有量が多い食品>
食品 | 含有量が多い食品 |
αカロテン | 人参、唐辛子、ゴーヤ、カボチャなど |
βカロテン | しそ、モロヘイヤ、人参、ほうれん草など |
リコピン | トマト、スイカ、グレープフルーツ、柿など |
βクリプトキサンチン | 柑橘系、干し柿、海苔など |
ルテイン | ほうれん草、ブロッコリー、レタス、カボチャなど |
ゼアキサンチン | トウモロコシ、ほうれん草、パプリカ、卵黄など |
カプサンチン | 赤ピーマン、赤唐辛子など |
アスタキサンチン | 桜エビ、銀鮭、いくらなど |
フコキサンチン | 昆布、わかめ、ひじきなど |
抗酸化力を高める生活まとめ
抗酸化作用は、人間の老化を促進する活性酸素の働きを抑える働きのことです。
人間は老化から逃れることはできませんが、老化のスピードには個人差があります。
元々身体に備わっている抗酸化防御機能を高めることで、老化のスピードは遅くなり、見た目が若々しく見えるだけでなく、病気になりにくい身体を作ることができます。
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