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実は高齢者向き納豆の効果的な食べ方と注意ポイント

作成日:2019年11月10日

実は高齢者向き納豆の効果的な食べ方と注意ポイント

納豆、召し上がっていますか?独特のにおいや粘りで好き嫌いが分かれますね。ですが、この納豆の小さな一粒には私たちの身体を健康へと導いてくれる、とても大きな力があります。今回は納豆の持つ健康パワーと、苦手な方にも召し上がっていただきやすいメニュー、そして、持病により、気をつけたいポイントなどをご紹介します。

納豆、日本の誇るスーパーフード

諸説ある 納豆の生い立ち

その一 弥生時代に住居で自然発生

納豆とは、いつごろから私たちの食卓に上り、日本人の健康を後押ししてくれていたのでしょうか?
これには諸説あり、未だに定かではないそうなのですが、一説には弥生時代終り頃には食べられていたのではないか?と考えられています。

当時の人々の住まいの床には、稲作で手に入る藁が敷き詰められていました。稲藁には、日本の国菌に指定されている麹菌のほかに、納豆菌も付着しています。

茹でて食べていた大豆が藁の上にこぼれて納豆菌が付着・発酵し、自然に納豆になったものを見た当時の人々が、納豆をつくるようになったのではないかと考えられているのです。

その二 平安時代 戦争中に偶然できた

平安時代後期、戦争に欠かせなかった馬の飼料に、茹でた大豆を与えていたそうです。
当時の武将、源義家もしかり。東北地方に出向いた際、思いがけず長引いてしまった戦の最中に不足した馬の飼料を、村人に急いで準備させました。

通常しっかりと冷ましてから藁づとに包む茹で大豆を、村人は急ぐあまり熱いままで包んでしまったそうです。
熱に強く、湿気を好む納豆菌ですので、栄養価が高くて暖かく、適度な湿気を持つ煮大豆があれば、一気に発酵してしまいます。

そうこうするうちに藁づとから漂ってくる納豆の香りに気付き、味見をしたところ、とても柔らかく美味しく仕上がっていたそうで、それ以来飼料ではなく、人間の食料として人々に愛されるようになったのでは?という説もあります。

いづれにしても、納豆は日本で生まれるべくして出来あがった食品の様ですね。

納豆のすぐれた栄養成分とは?

体に良いことで知られる大豆を発酵させて作る納豆、どのような成分が豊富なのかを見てみましょう。

タンパク質

大豆に豊富に含まれるたんぱく質は、発酵することにより吸収されやすい形に変化しています。

私たちの身体をつくるたんぱく質を構成するアミノ酸は、20種類ありますが、そのうち18種類が、納豆に含まれています。筋肉を作るもとになるのはもちろんですが、この豊富なアミノ酸はビタミンDなどとともにカルシウムの沈着を促し、骨粗鬆症の予防にもなります。

カルシウム

納豆の原料である大豆には、カルシウムも含まれています。
固くて私たちの体を支えてくれている骨ですが、実は成人でも約3年で、そのすべてが新しく生まれ変わっているということです。骨が丈夫になると骨折を予防し、ひいては寝たきりの予防にもつながりますね。

また、カルシウムはマグネシウムとともに神経伝達物質の信号をスムーズに伝え、イライラを解消し、ストレスに強い体づくりに効果的です。

マグネシウム

マグネシウムは、カルシウムやリンなどとともに私たちの骨や歯などを形作っているミネラルです。その半分ほどが骨の中に蓄えられており、食事からの摂取が不足すると、適宜血液の中に放出されて神経の興奮を抑えたり、血圧を一定に維持したりする働きがあります。

また、マグネシウムには神経の異常な興奮を抑える効果があります。介護をする側、受ける側それぞれのストレスの解消を助けてくれそうですね。

イソフラボン・イソフラボンアグリコン

イソフラボンは、大豆に含まれる女性ホルモン「エストロゲン」に似た物質です。
年齢を重ね、エストロゲンの分泌が減っている方には、ホルモンの代わりを務めてくれます。

一方、イソフラボンアグリコンはイソフラボンが発酵により変化してできた物質です。
がん細胞の増殖を抑え、抗菌作用に優れています。

亜鉛

亜鉛は細胞の再生を助けるミネラルで、細胞を生まれ変わらせて、肌や粘膜の傷の治りを早めます。さらには血管の内側にコレステロールが沈着するのを防ぐ作用があり、動脈硬化の進行を遅らせる効果があります。

また、亜鉛は糖質をエネルギーに変換するためにも必要なミネラルの一つです。不足すると糖質がエネルギーに変換できず、中性脂肪へと変化し、肥満へとつながります。

レシチン・サポニンなど

レシチンとは、いわゆる乳化剤のことで、肝臓の細胞膜の成分でもあり、肝機能を高め、コレステロールの増加を食い止める働きがあります。

また、サポニンは大豆に多く含まれる成分で、免疫細胞(白血球・リンパ球)の働きを活性化します。抗酸化作用が強く、コレステロールや中性脂肪を低下させ、血栓の生成を抑制し、動脈硬化の促進を遅らせることができます。

また、食物繊維も豊富で、コレステロールの排泄、ブドウ糖の吸収抑制、便秘の解消などに効果があります。

納豆が苦手でも食べやすいメニュー

大根おろし納豆

納豆のネバネバとした食感が苦手な方は多いものです。ですが、このネバネバ、大根おろしを加えると、大根の持つジアスターゼや水分のおかげでサラサラとして食べやすくなるのです。
麺つゆを加えて蕎麦に添えてもおいしいですよ。

【材料】   1人分
納豆       1パック
大根おろし    大さじ1~

【作り方】
納豆を添付のつゆなどで好みに味付けし、大根おろしを加えてよく混ぜる。

※咀嚼・嚥下に不安がある場合
納豆は包丁で叩き、添付のたれで味付けする。ねばりがある方が嚥下が楽な場合は、大根おろしは混ぜてしまわずに、添える程度し、お粥に添えてもよいですね。

納豆とチーズの焼き春巻き

納豆とチーズの焼き春巻き
納豆の香りが苦手な方には、春巻きの皮の香ばしさ、チーズのミルキーな風味がおすすめです。今回は手軽さとカロリーを控えることを念頭に、トースターで焼いて仕上げるレシピにしました。

咀嚼や嚥下に不安の無い方向けのメニューにはなりますが、パリパリと噛んで食べることができ、夕食のメニューだけでなく、ちょっとおなかがすいたときのおやつにもおすすめです。

【材料】    2人分
納豆       2パック
ピザ用チーズ   50g
春巻きの皮    2枚
水溶き小麦粉   大さじ1程度
お好みで、紫蘇 ねぎなど
各適宜

【作り方】
1、納豆は添付のたれなどで好みに味付けする。好みで千切りの紫蘇や小口切りのねぎを加える。

2、春巻きの皮を四角く1/4サイズに切り、手前側に(1) の納豆、ピザ用チーズをのせて巻き、巻き終わりを水溶き小麦粉で止める。

3、オーブントースターの焼き皿にアルミホイルを敷き、(2)の春巻きを乗せて500Wのオーブンで焼く。
(トースターのサイズや、春巻きから電熱線までの距離で焼きあがり時間が変わります。状態を見て調整してください。また、紙製のオーブンシートは燃えてしまう場合がありますので、アルミホイルを利用してくださいね。)

納豆のお焼き

納豆がひとまとまりにならず、口の中でつるつるとして噛みにくい方向けには、お焼きにしてひとまとまりにしておくと食べていただきやすくなります。

今回はビタミンCが多いじゃがいもを使用して作ります。じゃがいもには腸の動きを促進する働きもありますので、便秘気味の方にもおすすめです。

【材料】   2人分
納豆      1パック
ネギ      1本
または大葉  2枚
じゃがいも   中1個
薄力粉     大さじ1~
サラダオイル  大さじ1

【作り方】
1、じゃがいもは皮と芽を取り除き、すりおろす。ざるにとり、余分な水分を切る。

2、納豆はボールに入れ、添付のタレやネギ、大葉を加えよく混ぜて味を整える。

3、(1)をしばらく置いて、下からぽたぽたと水分が垂れなくなれば(2)のボールに移し、よく混ぜる。

4、薄力粉を茶こしなどでふるいながら加え混ぜて、すくってぽったりと落ちる程度の濃度になるようにまとめる。

5、フライパンにサラダオイルを熱し、(4)をスプーンですくって落とし、両面を焼く。

納豆と長いもの磯辺揚げ

長いもには胃腸の働きを助け、滋養強壮効果があることが知られています。豊富な栄養素を含む納豆とあわせると、最強のコンビですね。

【材料】   9個分
納豆      1パック
長いも 10cm分程度
(手に入れば山の芋のような水分が少ない芋の方が良い)
酢       小さじ1
片栗粉     適宜
寿司のり    全1枚
揚げ油     適宜

【作り方】
1、納豆は添付のタレで味付けしておく。

2、長いもは皮をむいて酢水をくぐらせ、すり下ろす。水分が多いようなら片栗粉を入れて、わらびもち程度の固さにまとめる。

3、寿司のりを縦横それぞれ三等分に切り、(3)の長いも納豆をのせて三角形にたたみ、200℃の油でさっと揚げる。

納豆を食べるときに注意すること

納豆は栄養豊富な大豆を発酵させて作り、その過程を経て生まれる栄養素もあり、消化吸収にもすぐれています。私たちの健康維持のためにも、是非とも取りたい食品だといえますね。
しかし、持病のための薬との相性で、あまりおすすめできない方もいらっしゃいます。

抗血栓薬を服用中は納豆は控える

納豆にはビタミンKが豊富に含まれ、普段は潰瘍の出血を抑えたり、粘膜などが傷ついて出血したときに止血をしたりする働きがあります。

このビタミンKが、ワーファリンの効果を弱めてしまい、血液凝固が起こりやすくなってしまいます。
抗血栓薬を服用されている方は、納豆を食べる前に医師や薬剤師に相談してみてくださいね。

完全栄養食品というわけではない

栄養面では本当に優れている納豆ですが、やはり完璧ではありません。ビタミンA,
C,Dなどは少ないのです。
納豆にも、含まれていない栄養素があり、ほかの食材、料理とあわせて食べる必要があるのです。

しかし、介護に家事にと忙しい日々では、栄養バランスが整った食事を日々提供するのも難しくなりますね。
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また、持病による食事制限のある方にもうれしいカロリー調整食、たんぱく調整食や、咀嚼・嚥下に不安がある方も選びやすいきざみ食、きざみ食のとろみつきやソフト食、ムース食などバリエーションも豊富です。

電話で注文すると自宅まで配達してもらえます。デリバリーを利用することで、離れて暮らすご両親のちょっとしたプレゼントにも、安否確認にもなりますね。
今なら無料試食キャンペーンを実施中です。この機会にぜひお試しくださいね。

効果的な納豆の食べ方まとめ

今回は柔らかくて栄養も豊富、加熱調理をしなくても食べられる納豆について、ご紹介しました。においや粘りから敬遠される方も多いですが、過去には食べる習慣がなかった関西でも、今やスーパーマーケットの店頭では多くの面積を占めるようになっています。

義両親様が関西ご出身の方だから、と遠慮して食卓に乗せない方もいらっしゃるかと思いますが、今は「納豆が苦手」という方は少なくなっているのではないでしょうか?

個々の好みですが、高齢者にも若い世代にも、とても体の良い食品です。大豆アレルギーや服用している薬などで制限がない場合は、今回ご紹介したレシピなどでぜひ召し上がってくださいね。

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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