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配達で届くご飯の栄養について

作成日:2019年12月10日

配達で届くご飯の栄養について

40年前、配達で届くご飯といえば、おそば屋さんや中華料理屋さん、お寿司屋さんの出前が主なものではなかったでしょうか。現在ではさまざまなジャンルのお料理を、こちらの都合で選ぶことができます。上手に利用したい、配達のご飯の種類や栄養についてご紹介します。

配達で届くご飯の種類とは?

一言で配達のご飯といっても、その形態にはいくつかの種類があります。生活スタイルや状況に合わせてうまく使い分けることができます。

料理の配達

昔ながらの出前のように、できあがった料理が、すぐに食べられる状態で届くタイプです。個人経営の中華屋さんやお蕎麦屋さん、他の飲食店などでも配達してくれるお店はありますが、多くはごく近所の配達に限られます。チェーン店の宅配ピザなども、良い状態で食べてもらえるように配達できるエリアが限られているため、地域によっては配達されない場所があります。

しかし配達可能なエリアであれば、自宅や会社などに限らず、場所が特定できれば屋外でも配達可能な場合もあります。ピクニックやお花見のときなどに利用すれば、そのまますぐに屋外で食べることができて便利です。

食材の配達

料理に必要な食品や食材が届くタイプです。自分で必要な食品・食材を選んで注文するものや、献立を選ぶと、それに必要な量と種類の食材がまとまって届くもの、切ったり漬け込んだりしてある食材と調味料などがセットになっている、料理キットなどがあります。

献立に迷うことなく作り始めることができるのは、食事の準備の負担を大きく減らすことができるといえます。さらに料理キットの場合は、味付けにも迷わずに済むので、料理が苦手な人にも、簡単においしいご飯を作ることができます。

お弁当の配達

お弁当の形式で配達されるタイプです。冷凍や冷蔵、または常温で配達され、必要であれば食べるときに電子レンジなどで温めます。お弁当といってもおかずと主食は別になっているものも多く、主食は食べるときに食べたい主食を選んで、自分で用意します。

料理の配達と、サービスの種類

配達してもらえる料理の種類も増えていて、今では電話注文はもちろん、パソコンやスマートフォンのアプリから、簡単に料理の配達サービスを利用することができます。「出前館」や「Uber Eats(ウーバーイーツ)」などの料理配達サービスもアプリを使って注文が可能で、都市部を中心に徐々にエリアが広がっています。

中でもピザとお寿司は複数の宅配専門のチェーン店が全国展開をして、とても身近な配達の料理といえます。

宅配ピザ

日本の宅配ピザは、1985年(昭和60年)東京恵比寿のドミノ・ピザが最初です。ドミノ・ピザはアメリカの宅配専門ピザチェーンですが、その後ピザーラなど日本生まれのピザ宅配店が参入し、全国展開して日本中に宅配ピザが広まっていきました。

主に小麦粉で作られたビザ生地に肉や魚介、野菜とチーズをのせて焼き上げたピザは、いろいろな食材が摂れるという面ではすぐれた料理といえます。しかしトッピングの種類によっては食材が偏る可能性もあります。またチーズの量が多いほど摂取できるカルシウム量は増えますが、同時に脂質量も増えるため注意が必要です。

< 宅配ピザの平均的な栄養バランス >

・総カロリーと三大栄養素
直径20㎝のピザ1枚のカロリーおよそ 900 Kcal
炭水化物たんぱく質脂質
100g40g36g
・ビタミン、ミネラルなど
ビタミンA236㎍カリウム760㎎
ビタミンB10.45㎎カルシウム507㎎
ビタミンB20.65㎎2.8㎎
ビタミンB60.50㎎亜鉛4.8㎎
ビタミンC47.7㎎食物繊維7.3g

ピザ生地の種類やトッピングの食材によって、カロリー、栄養素は大きく変動します。一般的には薄いピザ生地に、トマトソースベースでシーフードと野菜が多いタイプを選ぶと、カロリーは低めに抑えられ、ビタミン・ミネラル類も摂れるといえます。最近はトッピングの種類やサイドメニューも充実していますので、積極的に野菜類が摂れる選択を心がけましょう。

宅配寿司

明治時代の寿司屋の売り上げは、出前が8割とほとんどが配達であったようです。昭和に入ってからは、立地によっても異なりますが、店内飲食と出前が半々程度と店内飲食が増えてきます。これは顧客側が「お寿司屋さんに食べに行く」という特別感を求めるようになった半面、配達に人手がかかることも要因のひとつといえます。寿司屋に配達の需要があっても、配達する人手が不足していることに着目して始まったのが宅配専門の寿司屋です。

< 宅配寿司の平均的な栄養バランス >

・総カロリーと三大栄養素
握りずし1人前(8貫)のカロリーおよそ 588 Kcal
炭水化物たんぱく質脂質
86g35g10g
・ビタミン、ミネラルなど
ビタミンA200㎍カリウム613㎎
ビタミンB10.31㎎カルシウム83㎎
ビタミンB20.35㎎2.5㎎
ビタミンB60.43㎎亜鉛3.0㎎
ビタミンC9.5㎎食物繊維1.8g

握り寿司はしゃりの大きさや、酢めしの味付けによってもカロリーが大きく変動します。寿司ネタの多くは魚介類であり高たんぱく・低脂肪ですが、野菜類が摂りにくい料理といえます。

ファミレスやファーストフード、お弁当屋さんの配達

ファミリーレストランやファーストフード、お弁当屋さんでも配達をしてもらえるお店があります。ただし配達については、金額や個数の制限(何個以上から、何円以上から配達可など)があったり、同じチェーン店であっても地域や店舗によって配達の対応は異なるようです。

< ハンバーグの平均的な栄養バランス >

・総カロリーと三大栄養素
ハンバーグ1人前(160g)のカロリーおよそ 450 Kcal
炭水化物たんぱく質脂質
15g28g30g
・ビタミン、ミネラルなど
ビタミンA138㎍カリウム721㎎
ビタミンB10.47㎎カルシウム184㎎
ビタミンB20.39㎎3.3㎎
ビタミンB60.54㎎亜鉛4.5㎎
ビタミンC14.4㎎食物繊維2.1g

代表的な料理としてハンバーグの栄養素を上げましたが、上記はケチャップベースのソースのハンバーグのみの場合です。主食の量や付け合わせによって、栄養バランスは大きく変わります。ファミリーレストランやファーストフード、お弁当屋さんもメニューの種類は豊富ですので、サイドメニューの選び方次第で栄養バランスを整えることができます。

食材の配達と、そのサービス

自分で選んだ食品が届くものや、献立に必要な食材がセットになって届くもの、半調理済みの食材や調味料がセットになっているものなど、いくつかの種類があります。品物や献立の種類も幅広く、家族構成やライフスタイルなども考慮したセット商品など、会社によって特徴があります。

配達方法は、宅配便で送られてくる場合と自社配送の場合があります。配達エリアや配送日が選べるかどうか、配送料などは会社によって異なるため、それぞれ確認する必要があります。

食材や食品を自分で選ぶ

自分で選んだ食材や食品を注文する方法です。どちらかというと買い物代行の要素が強いといえます。品質や値段なども考慮して、欲しいものだけを注文することができるので、近所のスーパーなどの買い物と併用するのも上手な利用方法といえます。買い物に行く時間を節約でき、お米や飲料などの重いものも玄関先まで配達してもらえるので助かります。

食材セット

あらかじめ選んだ献立に必要な食材が、セットになって届きます。献立をその都度考えなくて済むのですぐに調理にとりかかることができ、調理の負担を軽減できます。家にある食材を足したり、食べる人に合わせて食材の切り方を変えたりできるので、アレンジの幅が広いといえます。

料理キット

あらかじめ選んだ献立に必要な、カット済みの食材や調味料、味付け済みの食材などがセットになって届きます。レトルトの総菜などを選べるものもあります。包丁やまな板を使わずに、すぐ加熱調理を始めることもでき、調理にかかる時間を大幅に短縮することができます。味付けに迷うこともないので、料理が苦手な人でも手軽においしいご飯を作ることができます。

栄養成分

各社とも国産、減農薬・有機野菜、契約農家など、食材の品質にはこだわりを持っているようです。献立の栄養成分については、カロリー、たんぱく質、脂質、炭水化物、塩分などを、カタログやウェブサイト上で表示している会社がほとんどです。管理栄養士による献立作成や、人気の料理家やシェフなどの監修をアピールしている会社もあります。

1食あたりのカロリーから商品を選べたり、「減塩」「低糖質」など、特定の栄養素の量で分類したもの、「キッズ」や「シニア」など、年齢層に合わせた献立の分類など、会社によってラインナップにも特徴があります。

お弁当の配達と、その種類について

もっとも手軽なのがお弁当の配達といえます。お弁当といってもいくつかの種類があり、主食が入ったいわゆるお弁当形式のものや、おかずだけが主菜・副菜・副副菜とパックになっているもの、主食・主菜・副菜などが単品で選べるものなどがあります。また、配達時の保存状態も冷凍・冷蔵・常温などがあるので、食べる人や食べる環境、生活スタイルなどに合わせて選ぶことができます。

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冷凍タイプ

お弁当容器に詰められたものやレトルトパックが冷凍の状態で届きます。多くは宅配便の冷凍便で届くので、受け取り日時を指定して確実に受け取ることが可能です。近年の冷凍技術の進化によって、「冷凍はおいしくない」というイメージは無くなりつつあります。おいしく食べるために必要なのは、むしろ届いてからの保管状態と温め方です。指示通りの保管方法と温め方を守るようにしましょう。多くの場合、電子レンジや湯せんなどで温めるので、電子レンジのワット数や温め時間などを守るようにしましょう。

長期の保存が可能なため、買い置きしておくことでいつでも食べることができます。会社によって注文できる最低個数が異なり、数個まとめての注文が必要な場合が多いため、冷凍庫のスペース確保が必要です。冷凍での保管状態によっては霜がついたりして味が落ちてしまうことがあります。また、いったん解凍したものは再冷凍や冷蔵保管はできないので注意してください。

冷蔵タイプ

届いたら冷蔵庫での保管が必要です。冷凍に比べて保管期間は短いので、毎日、もしくは食べるときがわかっている場合に便利です。1食ずつ、または少量の注文が可能な場合が多く、保管場所をあまり気にせず注文できます。

常温タイプ

作ったものをその都度配達してもらえます。多くの場合、配達エリアの担当者が直接手渡しで配達してくれますが、配達エリアが限られるため、対応していない地域もあります。保存がきかないため確実に在宅して受け取り、届いたらすぐに食べることが前提です。

常温でのお弁当配達サービスは民間の会社の他にも、自治体やデイサービスなどの介護施設、地域のお弁当屋さんなどでも行われていることがあります。ご飯の内容や注文方法、金額などで自分に合ったサービスを選びましょう。

栄養成分

食材の配達と同様に、各社食材の品質や安心・安全にはこだわりを持っているようです。
お弁当形式は1食あたりの栄養コントロールが容易です。管理栄養士による献立作成や監修がされている会社が多く、カロリーや塩分、たんぱく質などに制限がある人にとっては、とても便利です。

主食がセットになっていない場合は、自分で主食を用意する必要があります。ご飯やパンなど、好きなものを選べる反面、主食の量によってカロリーや他の栄養素が変わるため、制限がある人にとっては注意が必要です。

食べる人に合わせて選ぶ

お弁当の配達サービスは、大きく分けると一般向け、高齢者向けに分けられます。
一般向けでは家庭はもちろん、会社に配達が可能な場合もあります。一般向けのお弁当ももちろん安全面や栄養成分の配慮がされていますが、食事のボリュームやメニューの種類にも注力されていて、幅広く充実しています。

高齢者向けには栄養成分の他に、食事形態に配慮されていることも大切で、一口の大きさや食材のやわらかさなども、とても大切なポイントといえます。

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配達ご飯の栄養についてまとめ

食事作りは献立を考えるところから始まり、買い物、調理、後片付けまで、毎日の労力は非常に大きいものです。ご飯を配達してもらえることは、食事作りの負担を軽くするためにとても役立ちます。

食事の配達サービスは、その会社ごとに主軸となる顧客層は異なり、会社によっては幅広く事業展開しているケースもあります。食べる人に合ったサービスが得られるように、味や栄養成分だけではなく、配達方法、保管方法、金額などを総合的に考えて、食事の選択の幅を広げましょう。

この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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