糖尿病にうれしい食材と食事宅配のポイント
作成日:2019年12月10日
糖尿病は年齢を重ねるとともになっていることの多い病気です。40代を過ぎた頃から健康診断で「糖尿病」を告げられたことがある人もいらっしゃることでしょう。
でも、生活の中で困るような症状がないため、治療を受けていない人もいらっしゃいます。また、好きなものが食べられなくなる、食べてもいいものがおいしくない、仕事が忙しいので治療をする暇がない、というような理由で、わかってはいても先延ばしにしてしまっているという方もおられるはずです。でも、糖尿病は放っておくことで自然に完治する病気ではありません。また日常生活で困るような症状が出てきたときに慌てても、思うように改善する可能性は低いと言えるでしょう。
このような糖尿病ですが、きちんと病気を理解し、正しい食事制限について知ることで、無理においしくない食事を選ぶような必要はありません。それでは、糖尿病の基礎知識や献立、おすすめの食材についてお話していきます。
目次
糖尿病の基礎知識と食事
糖尿病を理解するためには、糖尿病と関係の深い「血糖値」というものを知っておくことが大切です。
糖尿病と関係の深い血糖値とは
血糖値とは、血液の中に含まれているブドウ糖の濃度を表す数値です。ブドウ糖は私たちのカラダの臓器で利用される大切なエネルギー源なのです。決してブドウ糖は悪者ではありません。
健康な人ですと、普段の生活の中で毎日300~700gのブドウ糖を消費しています。これは通勤中の移動や仕事で頭や体を使った場合に消費されています。そして仕事が終わりお家で休んでいるとき、寝ているときにも平均して1時間に10gのブドウ糖が消費されていると言われています。また、ブドウ糖がカラダから無くならないように、肝臓が常に作っているため、食事をしていないときにも血糖値は急激に下がることがなく、私たちは健康に過ごすことができています。
仮に血糖値が上昇したとしても、膵臓から分泌されているインスリンによってブドウ糖の濃度が適正になるように調整されています。ここで健康な人の血糖値に関する流れを見てみると次のようになります。
(1)人が食事をすると、炭水化物が小腸でブドウ糖に分解され吸収
(2)血液中に入ったブドウ糖が肝臓を経て全身へ運ばれ血糖値が上昇
(3)血糖値を適切な濃度にするため膵臓がインスリンを分泌
(4)インスリンの力でブドウ糖が肝臓や筋肉に取り込まれる
(5)取り込まれなかったブドウ糖は脳などでも使われる
(6)ブドウ糖が使われたので血糖値が150mg/dlくらいに戻る
(7)余ったブドウ糖は脂肪になる
健康な人は、少しくらい食べ過ぎても飲み過ぎても、一時的に血糖値が上昇してもしばらくすると血糖値が150mg/dl前後に戻るようになっています。
糖尿病に大切な知っておきたいポイント
では、糖尿病の場合は、健康な人とどのような点が違ってくるのでしょう。ここは大切なポイントです。本来なら、ブドウ糖は何らかの形で使われるため、血糖値は一定に保たれます。しかし糖尿病になると、血糖値が高濃度を維持するようになります。これは、次のような理由から起こっています。
まず気づいていただきたいことは、血液中のブドウ糖の濃度がどうして下がらないのかということです。これは言い換えると、血液中に余ったブドウ糖が入り込んで残っているということ。すなわち、本来なら肝臓や筋肉で吸収され使われるときに働いているインスリンの効果が低下しているということです。
インスリンの効果が低下すると、膵臓はより多くのインスリンを分泌し、何とかしてブドウ糖を肝臓や筋肉に吸収させようとします。膵臓はガンバリ屋さんなのです。しかし、こういった膵臓の対処は、そのうち効き目が低下していきます。いくらインスリンを分泌しても、肝臓や筋肉がブドウ糖を吸収しづらくなっていくのです。そして、休んでいるときや眠っているときに分泌されたブドウ糖もありますので、余った分と増加した分とが合わさって血糖値が上昇することになります。
さらに、こういった状態が続くと、膵臓は頑張り過ぎて疲れていまい、今度はインスリンの分泌ができなくなるというのです。ということは、すでに肝臓や筋肉はブドウ糖の吸収をしづらくなっていますし、眠っているときには自動的にブドウ糖が作られていますので、どんどんと血糖値が上昇し、カラダの仕組みだけでは血糖値を下げることが難しくなっていくのです。最終的には、このような状態を「糖尿病」と呼び、すぐに治療を始めることが重要になってきます。
糖尿病と食事は切り離せない
ブドウ糖が余り続けた状態が糖尿病ですから、ここで私たちができることは、できるだけブドウ糖を消費する手伝いをすること。それはあなたもご存じのように、次の2つが重要になってきます。
・食事
・運動
ここで間違ってはいけないのは、ブドウ糖が余るのなら全く取らないようにするという行動です。このような行動は、カラダに必要なエネルギーが不足することになりますので良い方法とは言えません。必要なのはブドウ糖を消費するために運動を行い、消費しやすい量のブドウ糖の元となる食事を意識するということなのです。そのためには、運動として1駅分歩くというのもおすすめです。じっと座っている時間を少なくする工夫も大切です。
そして食事に関しては間食や味の濃いお弁当をやめること。デリバリーのピザなどは控えた方が安心です。規則正しく3食で必要な栄養を摂取することが基本となります。このようなお話をすると、自分に適した食事の量や栄養はどのくらいなのかという疑問が出てくるでしょう。そこであなたに知ってもらいたいことは、
・体格に合わせた1日に必要なエネルギー量
・1日に食べてもいい食材の量
そしてもうひとつ、これまでの食生活を振り返り
・何時くらいに食べていることが多いのか
・何を食べていることが多いのか
・味付けは濃いのが好みになっていないか
・外食の頻度はどれくらいか
こういったことを洗い出して、糖尿病を専門にしている病院へ相談してみてください。
糖尿病にやさしい献立とは
糖尿病だから食べてはいけないということはありません。きちんと正しく食べることが大切です。
4つのステップで献立を考えよう
次の4つのステップで献立を考えるようにしてみましょう。
STEP1:1日に食べてもいい量を3食に分割する
朝抜きとかはNGですし、お昼は食べないというのも良くありません。病院で教えられた、あなたに必要な1日の食べていい量を、朝・昼・夜の3食で分割して考えましょう。1日のトータルが、病院で指導された量になるようにするのです。
STEP2:主食を何にするか
主食は糖質を多く含んでいる食材が多いです。そのため血糖値に直接影響していきます。ですから、最初から
・ごはん
・パン
・めん
というように選ぶものと量を固定しておくと便利です。この方法なら、お昼の外食でも食べ過ぎることが減っていきます。
STEP3:主菜は何にするか
主菜とは、タンパク質が多く含まれている食材です。
・お肉
・お魚
・大豆
・卵
3食、それぞれのシーンで、どの食材を食べるか決めておきましょう。一緒に野菜を食べると食物繊維による糖質の吸収を低下させる働きも作用するのでおすすめです。
STEP4:副菜や汁物
副菜では野菜を食べるようにしましょう。また汁物もおすすめです。ただし、野菜も汁物も塩分や味の濃いドレッシングには注意が必要です。どうしても、食べやすい調味料やドレッシングには、炭水化物が多く含まれていたり塩分が多めになっていたりすることがあります。できるだけ薄味、または、素材の味を楽しむように心掛けましょう。
昼食や夕食に便利な食事宅配
3食の献立を考えるのが面倒なときもありますね。長期のお休みは毎日のことになりますので面倒になりがちです。また、一人住まいの方は、考えて料理するのが面倒ということも出てきます。そういったときには「配食」というサービスを利用することで、栄養バランスの整ったご飯を食べてもらうことができます。
私たち「まごころ弁当」では、原材料からこだわり栄養バランスが整った食事を提供しております。今なら無料試食キャンペーン中ですので、カラダのことを真剣に考えていただいているあなたにこそ、一度は試していただきたいと思います。
食事は適量を知ることが大切です
糖尿病だから、きつい食事制限が必要なのではありません。本当に必要なのは、あなたに合った適量を知り食べることです。もしあなたが、
・自分の好きなものが一生食べられないかもしれない
・おいしいごはんを食べられないかもしれない
・食べる楽しみがなくなるかもしれない
そんな不安から糖尿病の治療へ一歩踏み出せないのなら、その先入観は誤解です。自分の適量を病院の指導によって理解することができたなら、その範囲で
・ごはん
・パン
・おやつ
・外食
・お弁当
なども食べることができるのです。大切なのは、あなたの体格や現在の状態をきちんと調べてもらい、あなたに合った食事の量を知ることなのです。
糖尿病におすすめの食材とは
それでは、ここからは糖尿病におすすめの食材についてお話していきます。
主菜で使う食材の選び方
タンパク質の源をしっかり摂取することで、栄養不足にならないようにしましょう。
(1)お肉
お肉を選ぶときには、脂を減らすようにしておきましょう。牛肉や豚肉なら、ヒレ、モモ、カタ肉がおすすめです。鶏肉なら、ムネ肉、ささみがおすすめです。お肉は食べる部位を選ぶことができますので、脂肪の少ない部分を選びましょう。鶏肉は皮を取り除くことで脂肪を少なくすることもできます。
(2)お魚
魚にはDHAやEPAと呼ばれる血液中の余分な脂肪を減らしてくれる作用があります。血糖値が高いと動脈硬化が進みやすいため、血栓になりやすい脂肪を減らすことも大切です。
(3)大豆
大豆はタンパク質が多いです。また、良質な脂を含んでいるため動脈硬化予防の効果も期待できます。さらにインスリンの働きを促す「クロム」という成分も多いため、糖尿病の方におすすめです。
副菜で使う食材の選び方
副菜は食物繊維やビタミン、ミネラルを意識して選びましょう。
(1)食物繊維
食物繊維は糖分の吸収をゆるやかにしてくれる作用があると言われています。これは食後に血糖値が上がりやすい糖尿病の方には大変うれしい作用です。
100gあたりの食物繊維量
分類 | 食材 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 食物繊維総量 |
---|---|---|---|---|
きのこ類 | えのきたけ | 0.4g | 3.5g | 3.9g |
まいたけ | 0.3g | 3.2g | 3.5g | |
えりんぎ | 0.2g | 3.2g | 3.4g | |
ぶなしめじ | 0.5g | 2.5g | 3.0g | |
野菜 | ごぼう | 2.3g | 3.4g | 5.7g |
にんじん | 0.7g | 2.1g | 2.8g | |
大根 | 0.5g | 0.9g | 1.4g | |
豆類 | 大豆 | 6.1g | 15.4g | 21.5g |
いんげん豆 | 3.4g | 16.2g | 19.6g | |
ひよこ豆 | 1.2g | 15.1g | 16.3g |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」を参考
URL:https://fooddb.mext.go.jp/
(2)抗酸化ビタミン
抗酸化ビタミンは、動脈硬化の予防が期待できると言われています。
・ブロッコリー
・トマト
・ほうれんそう
・グリーンアスパラ
などは、スーパーでも購入しやすい食材ですので、積極的に食べておきたいですね。
(3)ミネラル
血圧を下げる作用があると言われています。
・きゅうり
・なす
・白菜
・昆布
・ひじき
・わかめ
カリウムやクロムが多く含まれている食材を取り入れることも意識しましょう。
汁物で減塩する方法
減塩調味料を利用するようにしましょう。最近は比較的「減塩タイプ」のしょうゆやお味噌がありますので選びやすくなっています。また、調味料を使う場合は「てきとう」ではなく、計量スプーンで計って使うようにしましょう。そして、もっとも良いのが薄味で素材の風味を楽しめるようになることです。どうしてもインパクトのある味を楽しみたいときには、
・カレー粉
・唐辛子
・お酢
などを使うことを考えてみてください。
主食で糖質を抑える方法
ついついご飯を食べ過ぎてしまう。これは予防しなくていけません。ごはんを食べてもいいのですが、毎食量を計って食べましょう。また、白米ではなく玄米を取り入れることもおすすめです。パンを食べたいときは、ライ麦パンにするという方法もあります。あと、どうしても食べたくなる「麺」ですが、麺を少な目にするよう気をつけ、野菜をたっぷり入れ、野菜から先に食べるのがおすすめです。
糖尿病と食事まとめ
糖尿病にうれしい食材と食事宅配のポイントについてお話してきました。糖尿病だから何も食べられないことはありません。また自分の好きなものを全部やめないといけないこともありません。
病院で相談し、あなたに合った量を知った上で食材や献立を選んで食べることが大切です。