少し夜食が欲しい高齢者のために ちょっとつまめるおかずレシピ
作成日:2019年12月10日
夕食がいつもより早かったとき、ちょっと物足りなかったとき、夜も更けてきてから少しつまみたいなぁ、小腹がすいて眠れないなぁ、ということはないですか?ですが、スナック菓子やインスタントラーメンなどはちょっと気が引けますね。今回は、作り置きできてちょっとつまむのにも便利なレシピをご紹介します。
目次
空腹とよい睡眠の関係
小腹がすいて眠れない
高齢者様のみならず、どうにもお腹がすいてしまって眠れないという夜はありませんか?何かを食べるにも、夜も更けてきてからの食事は準備が億劫だったり、胃もたれや肥満が気になったりしますね。
ではなぜ、空腹から眠れなくなってしまうのでしょうか?大きく分けて3つの原因をみてみましょう
1、血糖値の低下や栄養バランスの悪さ
早すぎる夕食や、血糖値の乱高下を招きやすいといわれる炭水化物が多い食事で、横になるときに血糖値が下がってしまっている時、また、栄養バランスの悪い食事を続けていると、不足している栄養分を補うために脳が食べ物を欲するという研究もあります。
2、摂取カロリー不足
高齢になり、食が細くなってくると、一食でとれるカロリーが不足し、床につく頃に空腹を感じる場合があります。
3、ストレスなど
冬は特に寒さから外出が億劫になったり、日照不足による季節性のうつ症状が出たりして、ストレスを感じ、そのストレスのために過食になることがあります。
なお、食生活以外での、よい眠りと生活習慣の関係については、厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネットに掲載されております。ご参照ください。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
食事のバランスを整える
このような原因のうち、前出の1.と2.に関しては、かなり食が細くなっていない限り、三度の食事である程度改善することができます。ですが、栄養学の知識がないと少し難しいかもしれませんね。
こんな時にはまごころ弁当のお弁当を利用するのも、一つの方法です。まごころ弁当のお弁当は、栄養学のプロである管理栄養士が、こだわりを持って選んだ食材を使用し、きちんと栄養バランスを考えて作ったお弁当です。
持病による食事制限のある方にも選んでいただきやすい、カロリー調整食やたんぱく調整食、また、咀嚼・嚥下の不安がある方にも安心のきざみ食やきざみ食のとろみつき、やわらか食、ムース食と、召し上がられる方の立場に立って作られています。
このようなお弁当を利用し、いただくことでカロリーや栄養のバランスを整えることができるのはもちろん、おかずの中にはどのような食材が、どの程度の量入っているのかをみることで、ご自身が食事の支度をする時の参考にもなりますね。
今なら無料試食キャンペーンを実施中です。この機会にぜひお試しくださいね。
夜食とおやつは4回目の食事と考える
とはいえ、どうしても食が細くなりがちな高齢者様は、一度に食べられる量に限界がでてくるため、3度の食事で必要な栄養素がきっちりと取れていないこともあります。空腹で睡眠が阻害されるような場合には、夜食やおやつを第四の食事と考え、床につく2時間くらい前に、軽く召し上がるとよいですね。
選ぶメニューは、できれば低カロリー低脂質で、胃腸の負担にならないものがおすすめです。あらかじめ軽くつまめるおかずを口にしておくことで、空腹感から解放され、気持ちよく横になることができれば、おのずと眠れない原因の一つ、ストレスからも解放されることでしょう。
消化がよく栄養が取れる夜食レシピ
ここからは、具体的にどのようなメニューがおすすめなのかを、ご紹介していきます。
これらのおかずは夜食に限らず、普段にちょっと口にする小鉢のおかず、朝食のスープとしてもご利用いただけます。お酒をたしなむ方にはちょっとつまむ「おあて」にもお勧めです。ぜひお試しくださいね。
カルシウムを取りたい時に
カルシウムは数ある栄養素の中でも吸収率が低い食品です。出来ればこまめに摂取したい食品ですね。カルシウムは乳製品や豆腐や納豆をはじめとする大豆製品、小魚、ひじきやわかめなどの海藻類、また、小松菜やモロヘイヤなどの野菜類に多く含まれています。
小松菜と海老の茶碗蒸し
エビには疲労回復に役立つタウリンが含まれ、体を温める働きもあります。良質のたんぱく質を含む卵を使ってほっこりとした茶碗蒸しはいかがでしょうか?
小松菜は購入したときにまとめて洗い、さっと茹でて小分けにし、冷凍しておくとすぐに使えて便利ですよ。
【材料】 2人分(150ccの椀2個分程度)
冷凍エビ 殻なし 2~4尾
片栗粉 ひとつまみ
日本酒 小さじ1
小松菜 1本分
出汁 200cc
しょうゆ・みりん 各小さじ1~
(市販の出汁の場合は加減する)
卵 1個
【作り方】
1、エビは流水解凍してさっと洗い、ワタを取り除いてから必要に応じて細かく切り、日本酒で溶いた片栗粉をまぶしておく。
(このひと手間でえびが柔らかくしあがります。)
2、小松菜は硬さを加減して茹で、一口大に切る。
3、ボールに卵を溶きほぐし、出汁を加えてのばし、しょうゆ、みりんで味を整える。
4、蒸し器か深めの鍋に5cm程度の深さで湯を沸かす。
(鍋の場合は底に布巾を一枚敷き、ぐらつき防止にします。)
5、耐熱性の椀に小松菜、エビを入れ、(3)の卵生地をそっと流しこみ、(4)の鍋に入れて4~5分蒸す。
※電子レンジにスチーム機能、茶碗蒸しモードがあるものもあります。添付の取扱説明書を確認のうえ、お試しください。
しらすと豆腐の磯辺焼き
しらす、豆腐、そして、あおさや青のりに代表される海藻類は、カルシウムをはじめとするミネラルを豊富に含んでいます。
また、豆腐は良質のたんぱく質を含み、消化も良いので、夜食にはおすすめです。
【材料】 2人分
しらす干し 大さじ2
豆腐 1/2丁(150g)
白玉粉 100g
ネギ 2本
焼き海苔 1/2枚
サラダオイル 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
ネギ、白ごまなど 適宜
【作り方】
1、ネギは小口に切っておく。しらす干しは固かったり塩分が強すぎたりするときは熱湯を回しかけ、水分を切っておく。焼き海苔は8等分に切り分ける。
2、豆腐をザルで裏ごし、白玉粉を加えてしばらく置き、水を吸わせてからよく混ぜ、(1)のネギとしらす干しを混ぜ、8等分して丸める。
3、(2)の両面にのりを貼り付ける。
4、フライパンにサラダオイルを熱し、(3)の団子の両面を焼く。
5、(4)に火が通ったら、しょうゆ、みりんを回しかけ、全体に絡める。
6、器に盛り、小口に切ったネギ、白ごまなどをちらす。
タンパク質を取りたい時に
タンパク質は、細胞の代謝にかかわり、加齢や低栄養からくるサルコペニア及びフレイルを少しでも予防するために、積極的に取りたい栄養素です。
ネギだれサラダチキン
サラダチキンはスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも手軽に手に入るようになりましたね。低脂肪高タンパクのサラダチキンは、胃もたれせずに召し上がっていただける食材の一つです。ネギとゴマ油で少しコクをつけて、ボリュームを感じていただけるように味付けしました。
【材料】 2人分
サラダチキン 1個
玉ねぎ 1/4個
かいわれ大根 1/2パック
(またはスプラウト)
プチトマト 2個
≪ネギ塩だれ≫ 作りやすい分量
白ネギ 1本
塩 小さじ1
こしょう 適宜
ゴマ油 50cc
【作り方】
1、玉ねぎはスライスして、辛いようなら水にさらし、硬く絞っておく。かいわれ大根は根元を切り落とし、洗って水分を切っておく。
2、サラダチキンをスライスし、玉ねぎ、かいわれ大根と共に盛りつけ、ネギ塩だれを添える。
≪ネギ塩だれを作る≫
1、ネギはみじん切りにし、鍋に材料をすべて入れ、まんべんなく混ぜる。
2、(1)を火にかけ、水分が出て全体にふつふつと沸いてくれば出来上がり。
※ネギ塩だれはしゃぶしゃぶ、冷奴などに乗せるほか、焼きそばやチャーハンの味付け、野菜炒めなどにも利用できます。清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で10日ほど保存できますので、いろいろ活用してくださいね。
鱈の雪見鍋
冬に旬を迎える鱈は、鍋仕立てにするととてもおいしいですね。今回は麺つゆで簡単に鍋仕立てに仕上げます。鱈にまぶした片栗粉でだしにとろみがつき、体が温まるとともに、大根おろしが消化を助け、胃もたれを予防してくれます。
【材料】 2人分
鱈切り身 2切れ
塩 適宜
片栗粉 適宜
サラダオイル 大さじ2
だし 400cc
(手元のめんつゆを規定の分量で薄め、400ccになるようにする)
大根 5cm程度
せり または三つ葉 数本
【作り方】
1、鱈は塩適宜をふり、バットに入れてしばらく置き、出てきた水分をふき取っておく。
2、(1)の鱈の骨や皮を取り除き、一口大に切って片栗粉をまぶす。
3、フライパンにサラダオイルを熱し、(2)の鱈の表面を焼き固めるように焼く。
4、鍋にだしを沸かし、(3)の鱈を入れ、煮る。
5、大根をおろして鍋に加え、ひと煮立ちしたら小口に切ったせりまたは三つ葉を添える。
冷えが気になる時に
空腹とともに体の冷えが気になって眠れないこともありますね。そんな時には胃に優しく、体を温めてくれるものがよいですね。冷えから下痢や便秘を引き起こしたり、風邪を引いてしまったりすることもあります。
しっかりと温まって気持ちよく眠れるようなものをいただきましょう。
グリューヴァイン
ドイツやフランスでは寒い冬に楽しまれている、赤ワインに数種のスパイスなどを入れて飲む暖かい飲み物のことをグリューヴァイン(独)またはヴァンショー(仏)と言います。
中に入れるのはクローブにシナモン、八角など、体を温めてくれるスパイスがメインになります。
なお、加熱することにより、アルコールは揮発しますが、加熱時間や温度により残る場合があります。普段お酒を召し上がらない方、お酒に弱い方は赤ブドウジュースで割ったり、ジュースのみで作ったりしても良いですね。
甘味を足したい場合は血糖値・インスリンへの影響が低い蜂蜜を少々加えるとよいですよ。
【材料】 2人分
赤ワイン 300cc
(または赤ブドウジュース)
クローブ 2粒
シナモンスティック 1本
八角 1個
オレンジの皮 少々
(ポストハーベストが気になる場合は果肉を一切れ)
【作り方】
1、鍋に材料をすべて入れて弱めの中火にかけ、スパイスの香りを引き出すように温める。
2、茶こしでこしながら器に注ぐ。
春雨入りBLTスープ
BLTとは、サンドイッチでおなじみのベーコン・レタス・トマトの略です。ベーコンを少量加えることでスモーキーな香りがプラスされ、おいしいひと皿になります。
春雨も入り、ボリュームがあり、スープで体を温めることもできます。
【材料】 2人分
ベーコン 1枚
トマト 1/2個
レタス 1枚
卵 1個
スープ用春雨 2個
(あらかじめ下茹でする必要のない、スープに入れるための春雨ですが、ない場合は通常の春雨を適宜ご利用ください)
コンソメスープ 300cc
(市販のコンソメスープのもとを、規定量で薄める。)
しょうゆ・こしょう 各適宜
【作り方】
1、ベーコンは1cm幅、トマトとレタスは角切りにする。
2、鍋にスープを沸かし、ベーコン、トマト、春雨を入れてさっと煮る。
3、春雨が柔らかくなったら溶きほぐした卵を加えて軽く混ぜ、卵に火が入ったらレタスを入れてさっと煮る。
4、しょうゆ、こしょう各適宜を加え、味を整える。
夜食に使用したいおすすめ食材
夜食にもおすすめのレシピを、目的別に6種ご紹介しましたが、お好みのものはありましたでしょうか?夜食が食べたいと思う時は、いつも急なものです。
いざ作ろうと思っても、肝心の材料がそろわない、作られない、と、ついインスタントラーメンに頼りたくなることもあるかと思います。しかし、塩分や脂質が多いものもあり、持病によっては体の負担が大きくなることもありますね。
今回ご紹介したレシピは、必ずしもきっちりと同じ食材を使用する必要はありません。
ここに、胃腸の負担になりにくい食材をいくつかご紹介しますので、使えそうなものを利用し、おおらかな気持ちで、作る側の気持ち、食べる側の胃腸、共に負担にならない程度にアレンジしてみてくださいね。
肉・魚介類 | 鶏ささみ、鶏むね肉、豚ヒレ肉、貝類、タイ、スズキ、サワラなど |
野菜 | 白菜、キャベツ、トマト、レタス、大根、かぼちゃ、かぶら |
豆類 | 豆腐、納豆 |
夜食レシピまとめ
どうしても眠れない夜、お風呂で温まったはずの体は布団の中で少しずつひえてゆき、さらに眠れなくなってしまいますね。そんな高齢者様の気配を感じていると、介護している側も気になって眠ることができず、ともにストレスを感じる時間だと思います。
今日は夕食があまり進まなかったなぁ、早すぎたなぁと思う時には、早めに声かけをし、ちょっとしたおかずを夜食として早めに召し上がっていただくのも、安心して床につく一つの方法ですね。
寒い季節です。温かい気持ちと体で、質の良い睡眠が取れますように。