デリバリーの食事、現代の出前事情や注文方法(アプリ)について
作成日:2020年2月10日
デリバリーは日本語に訳すと「宅配」ですが、日本では、食事の配達や出前を指して使われることが多い言葉です。近年デリバリーは料理の種類や注文の方法も多様化しており、日常の食事から特別な日の食事まで選択肢が広がっています。
目次
アプリで注文できる、デリバリーとは
30~40年前はデリバリーの食事というと、そば屋や寿司屋、中華料理屋などの出前が主なものでした。職場での昼食に利用したり、家庭では来客があるときなどに利用するというイメージがありました。
食事のデリバリーの始まり
大八車や天秤棒を担いで食品を売り歩くスタイルが、食事のデリバリーの始まりと考えられています。この販売方法が定着したのは江戸時代の中期頃、食品の保存技術がなかった時代には店を構えてお客さんを待っているよりも、食品を持ってお客さんの方へ出向いて売りさばく方が、食品をムダにすることなく効率的だったと考えられます。
時代を経て移動手段が変わり、電車を使って食品やその他の品物を都会に売りに行く「行商」や、車を使って移動しながら売る豆腐屋や焼いも屋、ラーメン屋やおでん屋なども、昭和の時代のデリバリーの一種といえるでしょう。
1970年代、ファミリーレストランの登場やファストフードの多様化など、外食産業の発展によって食事のデリバリー市場はいったん縮小します。外食産業の急速な発展は、安価なことに加えて、献立の種類の豊富さや幅広さが大きく影響していると考えられます。男女雇用機会均等法により女性の社会進出が進んだことで、それまで主に女性が担っていた家事労働、特に毎日の食事の準備にかかる負担は、非常に大きくなっていました。
子どもから高齢者まで幅広い年齢層に対応した献立が、いつでも食べられるファミリーレストランでの食事は、食事にかかわる家事代行の意味合いがあったといえます。
出前は「デリバリー」となって再発展
1985年、宅配ピザの登場がひとつのきっかけとなり、再び食事のデリバリー産業が注目され始めます。現在ではピザやお寿司、カレーなどのデリバリーから、料理人が指定先で調理をするケータリングまで、幅広い方法での食事サービスが行われています。需要の増加に伴い食材や食品、料理をデリバリーする会社は増えていますし、食事の内容や種類、注文方法、配達の仕組みなども多様化しています。
高齢化や地方の交通格差による買い物難民といわれる人に対応した、買い物代行ともいえるネットスーパーなどの食材配達や、半調理済み食品、レトルトや冷凍食品の配達など、家族構成や生活スタイルに合わせた食事のデリバリーを選べるようになっています。
デリバリーの進化
現在はデリバリーの食事の種類も、注文・配達の仕組みやサービスもさまざまです。多彩な選択肢の中から、必要な食事の内容によって使い分けることができます。
デリバリーの仕組みの変化
従来の出前は、電話で飲食店が直接注文を受けて、調理された料理を飲食店の店員が配達するのが主な方法でした。現在もこの方法でデリバリーを行っている飲食店も多くありますが、この場合は配達のための人員や自動車やバイクなどの車両など、全てを飲食店自身が用意して配達を行います。そのため来店客が多く忙しい時間帯は配達ができなかったり、指定場所に料理が届くまでに時間がかかることもありました。
一方、新しいデリバリーサービスの仕組みにはいくつかの種類があります。
デリバリー専門店
宅配ピザや宅配寿司に代表されるのが、デリバリー専門店です。電話やインターネットで注文した商品が、短時間で手元に届きます。場所が特定できれば屋外にも配達が可能な場合もありますので、キャンプや行事のときなどにも利用することができます。
ピザがデリバリー専門店の先駆けともいえますが、現在はお寿司やサンドイッチなど、メニューの選択肢も増えています。また最近では宅配専門だったピザ店でも、テイクアウトにすると価格が下がるような販売方法を併用しているお店もあります。
フードデリバリーアプリ
インターネットやスマートフォンアプリで食事を注文することができます。その仕組みにはいくつかの種類があります。
お店ごとの注文アプリ
宅配ピザやファストフード、ファミリーレストランなど、それぞれお店独自の注文用のアプリがあります。特定の宅配ピザ店や、特定のファストフード店などを多く利用している場合には便利なアプリです。多くの場合で、自分の情報を登録しておけば毎回情報を入力する手間が省けます。チェーン店であれば自分がいる現在地に近い店舗を探したり、アプリ限定メニューや限定のクーポンなどが用意されている場合もあります。
デリバリーが可能な飲食店のキュレーションアプリ
デリバリー専門のチェーン店やファストフード、ファミリーレストラン、その他のデリバリーが可能なお店の情報が集められているアプリです。アプリを開けば多種類のデリバリー可能な食事やお店がわかるので、その中から食べたいものを選ぶことができます。配達エリアや届くまでの予想時間なども調べることができるので、効率よく注文することができます。
配達パートナーシステムのアプリ
デリバリーのシステムを持っていない飲食店も登録されているので、そのお店に行くことができないときにもデリバリーで食べることができます。近くにいて配達可能な配達パートナーとして登録された人が、飲食店から注文された料理を受け取り、指定場所まで配達します。まだ新しい仕組みのため配達エリアは限られていますが、今後エリアの拡大が期待されています。
注文時の配達担当者の状況や配達距離などによって配達料金が異なる場合があるため、注文時に確認が必要です。初めに一連の登録作業が必要ですが、一度設定しておけば、設定された住所の近くにある飲食店が自動的に表示され、注文操作も簡単です。
お取り寄せ品
電話やインターネットで注文するお取り寄せの料理も、デリバリーの食事のひとつといえます。地方の特産品や産直品、地方の有名料理店などのお土産用商品やお弁当、お正月料理や節分の恵方巻など年中行事に応じた食事、スイーツなど、さまざまな商品があります。配送は宅配業者によって運ばれ、商品によっては冷蔵や冷凍の状態で届きます。日常的な食事というよりは、身近では手に入らない特別な食事というイメージで利用することが多いかもしれません。
宅配弁当とは?
日常的に利用するデリバリーの食事といえば、やはり宅配のお弁当が便利です。お弁当の種類は、食べる人の生活環境や年齢、健康状態などに合わせて選ぶことができます。各社とも原材料の安全性や、調理加工中の衛生管理などには細心の注意を払っており、安心して食べることができます。
妊産婦さんの体調管理に
妊娠中はにおいに敏感になっていたり、食の嗜好が変化したりと、食事の準備を苦痛に感じることはよくあります。しかし元気な赤ちゃんを出産するためには栄養バランスの良い食事を摂ることは大切ですし、妊娠中は貧血になりやすかったり、体調によっては医師から減塩食を指導される場合もあります。
出産後も数時間おきの授乳は体力を消耗しますし、赤ちゃんにお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる場合はさらに忙しく、自分の食事はついおろそかになりがちです。そんな妊産婦さんにぜひ利用してほしいのが宅配のお弁当です。
宅配のお弁当の多くは、栄養バランスに配慮がされていて、栄養士や管理栄養士が献立作成に携わっている会社も多くあります。カロリーや塩分の調整がされているものもあるので、体調に合わせて選ぶことができます。忙しいとき疲やれているとき、体調が優れないときなどに、温めるだけで栄養バランスの良い食事が摂れるということは、体のためだけではなく、気持ちにも余裕が生まれるのではないでしょうが。
妊産婦さん向けの葉酸サプリメント、エレビットのウェブサイトです。妊娠中の栄養についてわかりやすくまとめられています。ご参照ください
https://www.elevit.jp/column/pregnant/nutrition/
疾病による食事制限がある方に
高血圧、糖尿病、腎臓病などの疾病では、カロリーや塩分、たんぱく質、その他の栄養素の摂取量に制限が必要な場合があります。これらの病気は食事のコントロールが病状に大きく影響することがあります。しかし家庭で、制限のある食事を、毎日厳密に調整するの難しく、作っていても「本当にこれでいいのかな?」と疑問が出てくることがあります。宅配のお弁当各社では、カロリーや塩分、たんぱく質などを制限した献立を用意しています。
さらに栄養士や管理栄養士が献立作成や調理を担当・監修している会社も多く、安心して食べることができます。調整されたお弁当を実際に食べてみることは、味付けや量、調理方法などが確認でき、日常の食事の参考にもなります。
食事制限の内容などに不安がある場合は、メールや電話での相談を受けている会社もあるので直接相談してみましょう。食物アレルギーなどについても、個別の対応が可能な場合もあります。
介護食が必要な方に
介護食とは、食べる方の摂食嚥下機能に合った食事形態に調整した食事のことです。
加齢にともない、顔やあご、舌、首などの筋力が低下することで、噛む力や飲み込む機能が低下することがあります。食事に時間がかかるようになったり、食事を残したり、むせ込むことが増えてくるのは、食べる機能が低下し始めているサインかもしれません。食べ物や飲み物、だ液などが気管へ入り誤嚥性肺炎をおこすと、命に危険が及ぶこともあります。
またやわらかく食べやすい食品だけを食べ続けていると、栄養が偏り「低栄養」の状態に陥ることがあります。低栄養は筋力の低下や免疫力の低下などを引きおこし、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。
・食事形態の種類(まごころ弁当の場合)
調理形態 | 説明 | このような方に |
わらか食 | 凍結含浸法(※1)を使い食材そのものをやわらかくしています。 | 食材を細かく刻んで食べている方向けです。 |
一口大 | あらかじめ一口大に切ってあります。 | 前歯で噛み切ることが難しい方向けです。食材の歯ごたえは残したい方にお勧めです。 |
刻み | 一口大よりもさらに小さめに切ってあります。 | 噛む力が弱くなったと感じている方や、義歯に不具合のある方などにお勧めです。食べる方の噛む力に応じてお選びください。 |
極小 | 刻みよりもさらに細かく刻んであります。 | |
極小のとろみ | 極小にとろみをつけたタイプです。 | 飲水や食事のときにむせ込むことがある方にお勧めです。噛む機能・飲み込む機能に低下のある方向けです。 |
ムース食 | ペースト状にした食材または料理を介護食用のゲル化剤を使用して再形成したものです。味はもちろん見た目にも美味しく、安心して召し上がっていただける食事形態です。 UDF(※2)「舌でつぶせる」に相当します。 | 食べ物を噛むことや飲み込むことが困難な方向けです。 |
※1:凍結含浸法とは、食材内部に他の物質(酵素、栄養成分、調味料など)を急速に含侵させることで食材の見た目はそのままで、歯ぐきや舌で簡単につぶせるほどにやわらかくすることができる技術です。
※2:UDF(ユニバーサルデザインフード)は年齢や障がいの有無にかかわらず普段の食事から介護食まで、できるだけ多くの人が利用できるように考えられた「みんなにやさしい」食品のことです。日本介護食品協議会が定めた規格に適合した商品には、UDFマークが付けられています。
食事形態を適正に整えるためには、フードカッターやミキサー、介護用ゲル化剤、介護用とろみ剤など、特別な調理器具や食品が必要な場合があります。介護食を家庭の台所で毎食作ることは、介護する方にとって大きな負担となることがあります。
また介護される方にとっても、精神的な負担になることもあります。宅配弁当の介護食は食事形態だけではなく、栄養バランスにも配慮がされていて、安全においしく、安心して食べていただけます。作る人にも食べる人にも安心で、負担が軽減できる宅配弁当の介護食を有効に活用しましょう。
デリバリーと宅配弁当まとめ
さまざまな種類から選べるデリバリーの食事を上手に利用することで、食事にかかわる手間を軽減しながら、栄養のバランスが良い食事を摂ることができます。
【まごころ弁当】では一般のご高齢者様向けの献立はもちろん、カロリー調整食やたんぱく調整食、食べやすい食事形態のやわらか食やムース食などをご用意しております。ただいま無料試食キャンペーン中です。ぜひご利用ください。
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