痛風など食事制限のある方におすすめの宅配弁当
作成日:2020年2月10日
糖尿病や腎臓病をはじめとする病気を患うと、食事制限が必要になってきます。でも好きなものを好きなだけ食べられないことがストレスになってしまうことも考えられます。また、糖尿病や腎臓病の疑いがある方の場合であれば、今のうちに予防もかねて食事制限をする生活習慣に変えるのが健康で過ごすポイントになってきます。
しかし、食生活を変えることは簡単ではありません。そこで今回は、食事制限が必要になる病気について。そして食事制限が必要な方におすすめの食事のポイントと宅配弁当についてご紹介していきたいと思います。
目次
痛風など食事制限をすすめられる病気
食事制限を好き好んでやる人はいません。誰でも好きなものを好きなだけ食べたいものです。しかし、そういった食生活を続けることで摂取する栄養素にかたよりが出ると、次のような病気になってしまうことがあります。
糖尿病
(1)糖尿病と関わりの深い血糖値とは
糖尿病と一緒に聞くことの多い「血糖値」とはどういうものでしょうか。血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を表す数値です。私たちの体全体でブドウ糖はエネルギーとして必要とされています。
一般的に言われているところでは、普通の生活をしていると毎日300g~700gのブドウ糖が体全体で必要になっているということです。当然、一日の中で動いているときも、眠っているときにも脳や心臓などはエネルギーが必要なのでブドウ糖を消費しつづけています。
(2)血糖値が変化する仕組み
私たちの体に必要な血糖値を決めるブドウ糖は、次のような順序で生まれます。
食事をすることで、炭水化物やいも類、果物などの糖質、食物繊維などを摂取します。摂取した栄養素は胃を通過し小腸でブドウ糖に分解・吸収されます。吸収されたブドウ糖は血液の中に入り血糖値が上昇します。そうすると自動的に膵臓が「インスリン」と呼ばれるホルモンの分泌を始めます。血糖値が上がった血液が肝臓へ運ばれると、膵臓から分泌されたインスリンによってブドウ糖が肝臓へ取り込まれます。
また、体に必要な筋肉にも取り込まれ、活動のエネルギー源として使われるようになります。ここでブドウ糖が余ってしまうと脂肪として蓄え、ブドウ糖が不足したときのエネルギーとして保管します。このように肝臓や全身の筋肉によって血液中に入ったブドウ糖が消費されると、血液の中のブドウ糖濃度は低下し、一時的に血糖値が上昇してもしばらくすると正常値へ安定します。
(3)糖尿病の原因
健康な方ですと、一時的な血糖値上昇は起こりますが、しばらくすると安定します。しかし肝臓や筋肉などで使われないブドウ糖が増え続け、脂肪となったまま使われない状態が続くと、膵臓がいくらがんばってインスリンを分泌しても、肝臓や筋肉でブドウ糖の吸収が進まなくなります。そうすると、血液中に含まれているブドウ糖が余ったままになりますから、さらに膵臓はインスリンの分泌量を増やそうと賢明にがんばります。
こういった状態が続いていると、想像できますが膵臓は静かにがんばり続け、そのうち疲れ切ってしまうタイミングがやってきます。疲れ切った膵臓はしだいにインスリンの分泌をしなくなり、血液中に含まれているブドウ糖は余ったままになるため、血糖値が下がることがなくなります。このような慢性的に血糖値が高いことが糖尿病の原因なのです。
腎臓病
(1)腎臓の働きとは
腎臓は目立たない臓器ですが、次のような働きを行っています。
・体内の水分調整
・血圧を調整するホルモン分泌
・尿の元をつくる
この中で特に大きな役割は、体内の老廃物を排出することです。
(2)腎臓の働きが低下すると
血液中にある必要のない老廃物を尿として排出することができなくなります。そうすると血液中に老廃物がたまったままになり、血管や血液の流れに影響が出てきます。
・脳卒中
・心筋梗塞
など、命の危険に関わる病気の原因になることもあります。
また、腎臓機能が低下し、老廃物の濾過が難しくなると「透析」が必要になることもあります。
痛風や高尿酸血症
(1)痛風とは
関節に激しい痛みを感じる病気です。一般的に多いのは足の親指です。痛風や高尿酸血症は、血液中に含まれる尿酸値濃度が高くなることで症状が出てきます。
(2)痛風や高尿酸血症の原因
特に原因として問題視されているのは「肥満」「飲酒」です。
・肥満
肥満によって血糖値が上がりやすくなると、インスリンの過剰分泌が起こりやすくなることで尿酸の排泄が阻害されることもあります。
・アルコール
アルコールに含まれているプリン体によって尿酸が増えることがあります。
・水分不足
尿に必要な水分が不足すると排泄量が減ることも原因のひとつと言われています。
(1)高血圧とは
高血圧とは、血管の内側に高い圧力がかかっている状態です。血圧が高い状態が慢性的に続くと、血管の負担が増えてくることで
・血管が硬くなる
・血管がもろくなる
このような状態が進行する可能性が出てきます。そして動脈硬化になると脳卒中などを引き起こす原因になりうるのです。
(2)高血圧の原因
一般的には次の2つの原因があると言われています。
[1]体質的な原因
・加齢
・遺伝(親が高血圧や糖尿病だったなど)
[2]生活習慣の原因
・塩分のとりすぎ
・喫煙
・運動不足
・肥満
・ストレスの多い生活
・睡眠障害
どちらかというと、高血圧は生活習慣に起因していることが多いようです。
脂質異常症
(1)コレステロールや中性脂肪
脂質異常症に関係が深いのが、コレステロールや中性脂肪です。コレステロールも中性脂肪も私たちの体にとって必要な成分です。これらの成分がないと細胞膜を作ることができなくなり、細胞そのものが弱くなってしまい健康を損なう可能性も出てきます。また、コレステロールや中性脂肪は、体の機能を調整する「ホルモン」の材料にもなっていますので、どちらもイメージの悪い成分ですが大切な役割を担っています。
また、勘違いされやすいのですが、コレステロールは
・卵
・乳製品
・お肉
こういった食材から摂取しているイメージを持ちやすいですが、あくまでも食材の摂取はコレステロールの原料となるだけで、ほとんどは肝臓で生み出されています。
(2)コレステロールは2つある
コレステロールには、2つの種類があります。ひとつは「悪玉コレステロール」と呼ばれることが多い「LDLコレステロール」。LDLコレステロールは全身に脂肪を運ぶ役割を持っています。もうひとつは「善玉コレステロール」と呼ばれる「HDLコレステロール」。HDLコレステロールは、体内に余ったコレステロールを回収しながら肝臓まで運ぶ役割を持っています。
どちらも体に必要なコレステロールです。
(3)中性脂肪とは
コレステロールとセットで見ることの多い「中性脂肪」。中性脂肪は私たちが活動するために必要なエネルギー源のひとつです。また、中性脂肪はエネルギーの備蓄をする役割もあります。
・炭水化物
・タンパク質
こういった栄養素を摂取し余ってしまうと、中性脂肪として備蓄します。備蓄された中性脂肪はエネルギーとして使えるようになっていますから
・空腹のとき
・運動しているとき
こういったときに備蓄を少しずつ使っていきます。
(4)脂質異常症とは
コレステロールも中性脂肪も必要な成分なのですが、備蓄した成分が消費されないままとなると、脂質のバランスが崩れ始めます。そうすると、LDLコレステロールや中性脂肪が増えすぎた場合。反対にHDLコレステロールが減少しすぎた場合。血液中のコレステロール量が過剰になります。この状態を脂質異常症と言います。
(5)脂質異常症の原因
・食生活の乱れが続いている
・運動不足
・動物性脂質が多い
また、男性は30代後半、女性は閉経前後から脂質バランスが崩れやすいと言われています。
病気による食事の注意点
それでは、それぞれの病気による食事の注意点を見ていきましょう。
糖尿病の食事ポイント
血糖値の上昇を抑えることを考えないといけません。とはいえ、糖分でもある炭水化物など糖質を全く食べないというのはおすすめできません。大切なポイントは、インスリンを分泌する膵臓の負担を少なくする工夫です。
・食物繊維
食物繊維は炭水化物の分解を緩やかにする作用があると言われています。そのため血糖値の上昇も緩やかになるでしょう。また、食物繊維による満腹感も得られますので、食べ過ぎを防止することにも役立ちます。
・ミネラル
亜鉛やマグネシウムなどは、インスリンの分泌を助ける働きが期待できます。
・ビタミンB1
体内にあるブドウ糖をエネルギーに変える働きを助けてくれます。
・炭水化物
一日に必要な量を計算して、きちんと摂取するようにしましょう。とりすぎはいけませんが、不足しすぎも体のエネルギー不足になり負担になります。
腎臓病の食事ポイント
ポイントは「塩分」を控えることです。
そのため、
・味噌汁
・おつけもの
こういったものは控えましょう。また、外食するときには定食を選ぶようにすると塩分調整をしやすくなります。野菜を食べるときには、ドレッシングはなるべく控えめにすると、より塩分を控えることができます。
痛風や高尿酸血症の食事ポイント
最大のポイントは「プリン体」を食べ過ぎないことです。一般的に言われるプリン体の多い食品は「ビール」。まずはここから控えめにしていきましょう。また、
・牛のレバー
・豚のレバー
・鶏のレバー
・大正エビ
・あん肝
・いさきの白子
・まいわしの干物
こういったものもプリン体を多く含んでいますので注意が必要です。
高血圧の食事ポイント
ご存じかと思いますが、高血圧の食事のポイントは「減塩」です。そして「減量」も大切です。とにかく塩分のとりすぎに注意することが大切です。1日6gまでと言われていますが、症状や体の状態によって適切な量は違いますので、必ず医師に確認しておきましょう。
また、お酒を楽しまれる方の場合は「量」にも注意しておきましょう。日本酒なら一合、ビールなら中瓶1本くらいが一日の目安と言われています。
脂質異常症の食事ポイント
脂質異常症の食事ポイントは、代謝をアップさせコレステロールの排泄を改善することです。そのためには次のような食事がおすすめです。
・大豆製品
豆腐や大豆など「不飽和脂肪酸」と呼ばれる食物繊維を多く含んだものを食べるようにしましょう。
・食物繊維
野菜やきのこ、ナッツ、海藻などを多くとりましょう。
・不飽和脂肪酸
オリーブ油が代表的です。他には魚に含まれている脂もおすすめです。とりすぎに注意しながら、
・さば
・いわし
・オリーブ油
などを選ぶのがおすすめです。
・抗酸化作用
ブロッコリーやホウレン草、ピーマンなどに含まれる抗酸化作用も代謝アップが期待できます。
食事制限:宅配弁当の利用を検討しよう
食事制限を毎日きちんと意識し、献立を考えて食事をするのがベストですが、実際にはなかなか難しいところもあります。この難しさが原因になり、続けようと考えていても面倒に思えてしまい「明日からがんばろう」となってズルズルと制限しない食生活を送ってしまう方もいらっしゃることでしょう。
でも、これは体の健康に直接影響してくることですから、食事制限を意識した生活をしなくてはいけません。そこでおすすめなのが宅配弁当です。
宅配弁当のメリットとは
食事の宅配弁当には次のようなメリットがあります。
・栄養計算をしながら献立を考えなくていい
・栄養計算をしながら調理をしなくてもいい
・毎日の料理の手間が省ける
・自分の体の状態にあわせて簡単に献立を選べる
・栄養に関する専門知識がなくても安心して食べられる
実際に食事制限をしながら献立を考えると、多くの方がワンパターンな料理になりがちです。最初の頃ならそれでもがんばれるかもしれませんが、2ヶ月3ヶ月と続くとさすがに飽きてしまいます。また、食事制限の献立が続くと、だんだんと「自己流食事制限」になってしまうという方もいらっしゃいます。「これくらいなら大丈夫だろう」という目分量で食材や調味料を使ってしまうため、制限をオーバーしてしまっているということもあります。
しかし、宅配弁当ならこういった問題が簡単に解決でき、同時に安心も手に入ります。私たち「まごころ弁当」では、原材料からこだわり、栄養バランスの整ったお弁当をお届けてしています。今なら無料試食キャンペーン中なので、簡単にお試しいただくことができます。
制限食のバリエーション
一般的な宅配弁当には、次のようなバリエーションを用意しているところが多いです。
(1)カロリー調整食
1食あたりのカロリーを低めにしたお弁当です。
糖尿病やダイエットをされている方におすすめです。
(2)糖質調整食
炭水化物や糖分など、糖質を制限したお弁当です。
こちらも、糖尿病やダイエットをされている方におすすめです。
(3)タンパク質調整食
カロリーはしっかり取りながら、タンパク質を調整したお弁当です。
腎臓病の方におすすめです。
(4)塩分制限食
塩分を制限した弁当です。
高血圧の方、心臓病の方におすすめです。
(5)カリウム・リン調整食
カリウムやリンを低めに調整したお弁当です。
腎臓病など透析されている方におすすめです。
高齢者の方にも安心
宅配弁当は食事制限だけではなく、高齢者の方の栄養不足対策にもおすすめです。
高齢者の方の場合、うまく噛めない、飲み込みづらいということから、ついつい食事が少なくなり低栄養になってしまっていることもあります。そういった状態が続くと、筋肉量も低下しますので動くことが減り、知らず知らずの間に寝ている時間が増えてしまうようになります。そして気がつくと「寝たきり」ということにもなりかねませんので、今のうちから宅配弁当で栄養不足対策をしておくことが大切です。
宅配弁当には、食べやすい硬さに調整された食事が用意されています。どういった柔らかさがあるのかは、ユニバーサルデザインフードで規格されている内容を参考にしていただくとわかりやすいと思います。
「ユニバーサルデザインフード」の選び方(区分表)
区分 | 容易にかめる | 歯ぐきでつぶせる | 舌でつぶせる | かまなくてよい | |
かむ力の目安 | かたいものや大きいものはやや食べづらい | かたいものや大きいものは食べづらい | 細かくてやわらかければ食べられる | 固形物は小さくても食べづらい | |
飲み込む力の目安 | 普通に飲み込める | ものによっては飲み込みづらいことがある | 水やお茶が飲み込みづらいことがある | 水やお茶が飲み込みづらい | |
かたさの目安 | ごはん | ごはん~やわらかごはん | やわらかごはん~全がゆ | 全がゆ | ペーストがゆ |
さかな | 焼き魚 | 煮魚 | 魚のほぐし煮(とろみあんかけ) | 白身魚のうらごし | |
たまご | 厚焼き卵 | だし巻き卵 | スクランブルエッグ | やわらかい茶わん蒸し(具なし) |
出典:日本介護食品協議会
URL:https://www.udf.jp/outline/udf.html
この内容を参考にしながら、宅配弁当で用意されている「やわらかさ」を選んでいただくと、しっかり食べながら栄養不足の解消にも役立つでしょう。
痛風の方におすすめの宅配弁当まとめ
糖尿病など食事制限のある方におすすめの宅配弁当について紹介しました。
宅配弁当は食事制限における手間やマンネリを解決してくれる方法のひとつです。そして、こういった面倒と思えることが解消できるからこそ、食事制限を続けることもできるのです。予防のため、食事療養のために食事制限を考え始めておられるのなら、続けるための方法として、一週間の中で2~3日でも宅配弁当の利用を考えてみてはいかがでしょうか。