ブロッコリーなど、高齢者でも食べやすい冬におすすめの野菜料理と効能
作成日:2020年2月10日
ブロッコリーに大根、水菜、白菜、春菊…冬に旬を迎える野菜にはおいしいものがたくさんありますね。これらの野菜は単に旬を迎えておいしくなるだけではなく、冬ならではの私たちの体の悩みを解決してくれる栄養素、効能をたっぷりと含んでいます。今回はそんな冬においしい野菜や野菜料理をご紹介します。
ブロッコリーなど、冬が旬の野菜の効能
ブロッコリー
ブロッコリーはアブラナ科の野菜で、普段私たちが食べているのはつぼみが集まってできた、花蕾という部分です。固く締まっていて、緑色が濃く、切り口の部分に割れ目がないものが新鮮です。一年中スーパーマーケットの店頭に並び、使いやすくて便利な野菜ですが旬は11月から3月です。
数多くのつぼみがギュッと詰まったブロッコリーは、隙間に埃や虫が入り込んでいる場合があるので、小房に分けたものをボールに溜めた水のなかで振り洗いし、上からザルや皿をのせて沈めておくときれいに洗浄することができます。
咀嚼や嚥下に不安がなければ、茹でたり蒸したりして温野菜サラダに、また、メインディッシュの添え物としても手軽で使いやすい野菜ですね。
栄養価も高く、DNAの合成や細胞の正常な分化、増殖を助ける葉酸、老化防止や肌を健やかに保つために効果的なビタミンCなどを豊富に含んでいます。
アメリカの国立がん研究所で1990年に制定されたがん抑制効果のある食品をまとめた「デザイナーフーズ」にも含まれています。
このデザイナーフーズについては、公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット様のサイト内、「がん予防のための食事とは」の項に紹介されています。ご参照ください。
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyou-shippei/yobou-gan-shokuji.html
アメリカ国立がん研究センターによる、デザイナーフーズピラミッド
ブロッコリーソースのフィジッリ
ブロッコリーと、ねじの足のような形をしたマカロニを一緒に茹で、ニンニクを効かせたオリーブオイルで和えて作るパスタです。スクリュー型のパスタのくぼみに、くたくたに煮た柔らかいブロッコリーソースがからまり、おいしくいただけます。
デザイナーフーズの頂点に位置するにんにく、低GI値食品のパスタ、地中海式ダイエットでも有名なオリーブオイルを利用した、とても健康的な一皿です。
メインとしてだけでなく、少量作って料理の付け合わせにしてもよいですね。
【材料】 2人分
ブロッコリー 1/4株
フィジッリ 120g
オリーブオイル 大さじ2
にんにく 1かけ
アンチョビ 1枚
(ない場合は塩 ひとつまみ)
【作り方】
1、にんにくは縦半分に切り、芽を取り除いて薄切りにする。
2、鍋に湯を沸かし、塩(分量外※)を入れた熱湯でフィジッリを茹でる。
3、フィジッリの袋を確認し、茹で上がり5分前に、小房に分けて洗浄したブロッコリーを加え、フィジッリと一緒に茹でる。
4、フライパンにオリーブオイル、(1)のにんにくを入れて火にかけ、にんにくの香りが出てきたらアンチョビを加え、煮溶かすように弱火で加熱する。
5、ブロッコリーとパスタに火が通ったら湯を切り、(4)のフライパンに入れ、ヘラなどでブロッコリーをつぶしながら全体を混ぜる。
※パスタ100gに対し、水1リットル、塩10gを使うのが一般的ですが、塩分を制限しておられる場合などは、若干コシは弱くなりますが、塩は入れなくても大丈夫です。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合
パスタは、パッケージに表示されている茹で上げ時間よりも、長く柔らかく茹で、(5)で全体を和えてから小さく刻む。
ブロッコリーとエビの中華風
エビには、疲労回復に効果的なタウリンが豊富に含まれています。同じくタウリンを多く含むタコやイカと違い、固すぎることなく、食べやすいのも魅力ですね。
中医薬膳学では、エビは体を温める食材として知られています。まだまだ寒さが続く冬の間に、ぜひ食べておきたいですね。
なお、ブラックタイガーやクルマエビはプリプリとした食感がおいしいのですが、咀嚼・嚥下に不安がでてくると、固くて食べにくさを感じることもありますね。このような方には、赤エビや甘エビが、身が軟らかくお勧めです。ご家族の状況により、使い分けてくださいね。
【材料】 2人分
エビ 8匹
しょうが 1/2かけ
白ネギ 1/2本
片栗粉(掃除用) 大さじ1程度
ブロッコリー 1/3株
ごま油 大さじ1
中華スープのもと 小さじ1~
しょうゆ 少々
水 100cc
水溶き片栗粉 大さじ1
【作り方】
1、しょうが、白ネギはそれぞれみじん切りにしておく。
2、エビは殻をむき、竹串などを利用して背ワタを抜いてから掃除用の片栗粉をまぶし、しっかりとこすり洗いして流水ですすぎ、水気をきっておく。
3、ブロッコリーは小房に分けて洗浄し、固めに下茹でするか、耐熱容器に入れて水大さじ2を加え、ラップをして600Wで3分程度過熱しておく。
4、フライパンにごま油を入れて熱し、(1)のしょうが、白ネギを炒める。
5、(4)の香りがでてくれば、(2)のエビを加えて炒める。
6、エビの表面に火が通れば、(3)のブロッコリー、水を加えて炒め煮にし、火が通れば中華スープのもとを加え、味を調える。(中華スープのもとはメーカーにより塩分濃度が違います。少しずつ加え、加減してください。)
7、水溶き片栗粉を加え、とろみをつける。
春菊
菊菜ともいわれ、冬になると鍋の具材としてもよく利用される野菜ですね。ビタミンC、βカロテンや葉酸を豊富に含み、独特の香りで好き嫌いが分かれるところですが、この香り成分は胃腸の働きを助け、食欲増進に効果があります。また、豊富なビタミンAやCは肌や粘膜のトラブルを修復する役割もあります。
中医薬膳学では、ストレスを発散し、肺の働きを整え、むくみ解消に効果があるといわれています。
冬しか楽しめない旬の味、さまざまに利用しておいしくいただきたいですね。
春菊団子
ヨモギと同じキク科の春菊は、さっと茹でてミキサーにかけたものを団子や餅に練りこむと、ほんのりと、よもぎ餅にも似た香りが楽しめます。草餅のように餡とあわせていただいてもよいですし、鍋の具材の一つとして利用してもおいしくいただくことができます。
本来、団子粉や白玉粉を利用して作りますが、高齢者でも食べやすいようにおからと片栗粉を使って作る方法をご紹介します。
【材料】 直径約2cmのもの20個程度
春菊 80g
(葉先の柔らかい部分)
水 60cc
乾燥おから 10g
片栗粉 60g
【作り方】
1、春菊はさっと茹で、水にさらしてから固く絞り、粗く刻んで水とともにミキサーにかける。
2、乾燥おからと片栗粉をよく混ぜ、(1)の春菊のピューレを少しずつ加えながら、耳たぶ程度の固さになるまで練り混ぜる。(菊菜の絞り具合や乾燥おからの吸水量で、必要な水の量が変わります。レシピの水の量ではなく、手触りでギュッと握ってまとまる程度を目安に加えてください。)
3、一口大に丸め、中央をへこませて、たっぷりの熱湯で浮き上がってくるまで茹でる。(丸めるときは、手の中でコロコロと転がすとほぐれてパラパラになってしまいます。ギュッと握るようにして形作ってください。)
山菜
春の初め頃、冬眠から目覚めた熊は、最初にフキノトウなどの苦みのある山菜を食べるということです。これは、冬の間体内にたまってしまった老廃物を出す、いわばデトックスのための行為だといいます。
明治時代の医師、石塚左玄も、「春苦み、夏は酢の物、秋辛味、冬は脂と合点して喰へ」と、食養生を唱えています。春には苦みのある山菜を食べてデトックスを行う、ということを推奨しているのです。
春、温かくなると、吹き出物や花粉症などのアレルギー症状が出る方が多くなりますが、寒い冬の間に溜まってしまった老廃物も、その一因となることがあります。
フキノトウ、よもぎ、ウルイに、ウドやたけのこ、土筆、菜の花…里山で確認しながら採取し、料理できれば何よりですが、最近はスーパーマーケットでも入手できますね。
天ぷらがおいしい春の山菜ですが、デトックスを考えると、できればさっと茹でるか蒸したものを酢味噌などでいただくのがおすすめです。
ウルイと釜揚げシラスの酢味噌和え
山菜の中ではアクも少なく、生でも食べられるウルイ。ユリ科ギボウシの若芽で、シャキシャキとした歯ごたえが魅力ですが、中央部には少しとろみ成分を持つ食物繊維を含み、老廃物の排せつ、便秘解消、大腸がんの予防にも効果があるといわれています。
ビタミンC、カリウムを多く含み、肌を健康に保ち、血圧の調整にも一役かってくれます。
柔らかい釜揚げシラスとともに酢味噌和えにしました。咀嚼や嚥下に不安がなければ生でシャキシャキとした食感を楽しみたいものです。
生はちょっと…という場合は、さっとゆでて柔らかくしてからいただきましょう。
今回は手に入りやすい釜揚げシラスを用いましたが、さっと茹でたシロウオやホタルイカでもおいしいですよ。
【材料】 2人分
ウルイ 4本
釜揚げシラス 大さじ2程度
≪酢味噌≫ 作りやすい分量
西京味噌 大さじ2
酢 大さじ1
砂糖 小さじ2
みりん 小さじ1
【作り方】
1、ウルイは洗って一口大に切り、茹でる場合は沸騰した湯に白い部分を先に入れ、10秒程度してから葉の部分を入れて茹で、ザルにとり、水気を切っておく。ウルイは水にさらす必要はありません。すぐに柔らかくなるので茹で時間に注意する。
2、酢味噌の材料をすべて鍋に入れ、よく混ぜ溶かしてから火にかけ、もとの味噌の固さくらいになるまで弱火で練る。
3、ボールに釜揚げシラスとウルイを入れ、西京味噌適宜を入れて和える。
フキノトウ味噌
苦みの効いたフキノトウは、中医薬膳学では、解熱、解毒、整腸作用、疲労回復効果があるとされています。βカロテンやカリウム、葉酸を多く含み、苦み成分でもあるフキノール酸というポリフェノールは、咳を止める効果があるほか、血中ヒスタミン濃度を低下させるため、花粉症などのアレルギー症状の緩和に効果的です。
【材料】 作りやすい分量
ふきのとう 5個
味噌 100g
みりん 100cc
【作り方】
1、ふきのとうは外側の葉が痛んでいれば取り除き、ザクザクと刻む。
(咀嚼・嚥下に不安がある場合は、この段階でごく細かいみじん切りにします。)
2、小鍋に味噌とみりんを入れてムラができないようにかき混ぜ、フキノトウを加えて中火にかけ、焦げないように注意しながらぽってりとしてくるまで煮詰める。
3、清潔な保存容器に移し、冷蔵庫で保管する。
※湯豆腐やこんにゃくの田楽、ごはんやお粥にそえるとおいしいです。
※苦みがあまり得意でない方は、ふきのとうを半分程度に減らし、すりごまやくるみを加えてもおいしいです。
旬の野菜と栄養バランス
旬の路地ものの野菜は、旬以外に収穫されるハウス野菜と比べて、その時々に体に必要な栄養素や微量に含まれる有効成分の含有量が多いものです。私たちだけでなく、植物も、冬であれば冬の寒さに対する抵抗力を蓄えているのですね。
バランスのととのったお弁当で健康維持を
旬の食材を使った野菜料理を毎日いただくことができればよいのですが、たんぱく質や糖質など、栄養バランスも考えて日々作るとなると、なかなか大変です。
栄養バランスを整え、健康的に冬を楽しむためにも、週に数回は、まごころ弁当のお弁当を利用してみませんか?
まごころ弁当のお弁当は、栄養学のプロである管理栄養士がこだわりを持って選んだ食材を利用して作る、栄養バランスの整ったお弁当です。
持病による食事制限があるから、市販のお弁当を食べることができない、と悩んでおられる方にも手に取っていただきやすいたんぱく調整食やカロリー調整食、また、咀嚼・嚥下に不安がある方にも選びやすい、刻み食やソフト食、ムース食など、食べる方の立場に立って、種類も豊富につくられているのがうれしいですね。
朝食や昼食は、旬の野菜料理を中心に、卵や焼き魚など、調理も簡単なたんぱく質とごはんで、夕食は栄養バランスの整ったまごころ弁当のお弁当を頼んでおいて、ちょっとゆっくりと趣味や家事を、というのもよいですね。
今なら無料試食キャンペーンを実施中です。この機会にぜひお試しくださいね。
冬におすすめの野菜料理まとめ
今回は冬においしい野菜のうち、ブロッコリーと春菊について、また、春を健やかに迎えるためにとりたい山菜から、アクが少ないうるいと、苦みも効いた春の味、フキノトウをご紹介しました。
それぞれ、冬においしい野菜料理は今回ご紹介した以外にもたくさんあります。まだまだ寒さが厳しいうちは油を足して天ぷらなどに、春の足音が聞こえ、アレルギーや吹き出物が気になる頃には、デトックスも兼ねて、あっさりとした調理法で、と、ご家庭の味でも楽しんでみてくださいね。
今回の記事が、野菜の力をいただき、楽しい春を迎えるための一つのきっかけになれば幸いです。