夕食はお弁当!花粉症の季節を迎える前におすすめの昼食メニュー
作成日:2020年3月10日
春になると、花粉やPM2.5、冬から続くインフルエンザをはじめ、その年々に流行する感染症と、体調不良をもたらす多くの原因がありますね。鼻水が出て、咳にくしゃみ、目がかゆい…と、目をこすってしまったり、鼻のかみ過ぎで鼻の下の皮膚が赤くなってしまったりと悩みはつきません。
今回は、夕食に栄養バランスがよいまごころ弁当のお弁当をいただき、昼食に食べたい花粉症対策メニューをご紹介します。
目次
花粉症とは?~メカニズムと発症率~
花粉症発症のメカニズム
私たちの体は、本来、外部から入ってくるウイルスや異物を体外へ排せつし、病気になったり、中毒を起こしたりしないようにする働きがあります。この最初の砦となるのが、主に鼻粘膜や扁桃腺で、ここで危険を察知した免疫細胞が抗体を作り、時には発熱して病気から守ってくれています。
花粉(異物)を大量に取り込んでしまった場合も、異物を攻撃・排せつする働きを担う抗体が作り出されます。ところが、長期にわたり花粉を吸いこみ続けてしまったり、一度に大量に取り込んでしまったりすると、免疫細胞は迷走をはじめ、ついには私たちの体自身を攻撃するようになってしまうのです。それが目や鼻、のどの症状となって現れるのですね。
世代別花粉症発症率
今や国民病と言っても過言ではない、とまで言われる花粉症、全国民の約半数が発症しているといいます。では、どのような年代の方に多く発症しているのでしょうか?
東京都福祉保健局より、平成28年度花粉症患者実態調査報告が発表されています。(平成29年12月)http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/kj_kankyo/kafun/jittai/houkokusho.pdf
この中から年齢区分別スギ花粉症推定有病率をご紹介します。
このグラフは東京都あきるの市、調布市、大田区での調査をもとにまとめて表したものですが、発症者数全体を100としたとき、平成18年度まで少なかった高齢者発症の割合が急に増えているのがわかります。
原因として、被験者の加齢による年齢の推移をはじめ、大気汚染や花粉の発生量の増加、生涯にわたる花粉の吸入量の増加、食の欧米化、洗剤や柔軟剤などに含まれる化学物質など、さまざまな原因が指摘されています。
交差アレルギーに注意
花粉症を発症した方が、ある時急に他の食品でアレルギーを発症してしまう、というとこがあります。これは、花粉のアレルゲンとなるたんぱく質の構造とよく似た形をしている、ほかの食材に対しても免疫細胞が反応することでおこり、これを交差アレルギーといいます。
アレルゲンとなる花粉 | 交差アレルギーを起こす可能性のある食品 |
スギ科 | トマト |
ヨモギ | セロリ、にんじん、マンゴー |
カバノキ科(シラカンバ・ハンノキ・オオバヤシャブシ) | リンゴ、西洋ナシ・サクランボ・スモモ・アンズ、アーモンド、セロリ、にんじん、じゃがいも、大豆、落花生、キウイ、ヘーゼルナッツ、マンゴー、ししとう |
ブタクサ | メロン、すいか、ズッキーニ、キュウリ、バナナ |
イネ科 | メロン、スイカ、じゃがいも、トマト キウイ、オレンジ、ピーナツ |
花粉症を発症しておられるすべての方が、これらの食品を食べられないわけではないのですが、念のため覚えておいていただくと安心ですよ。
花粉症対策メニュー~レシピ付き~
粘膜を保護・強化するために
花粉症は、主に花粉が鼻やのど、目の粘膜に付着することで発生します。あらかじめ花粉の季節を迎える前に粘膜を保護し、強化しておくことがおすすめです。
鶏レバーのオイルコンフィ
鶏レバーには粘膜を細菌などから保護するビタミンA、粘膜の機能を維持し、成長を助けるビタミンB2が多く含まれています。これらが不足すると、口内炎や口角炎をはじめとする、皮膚や粘膜のトラブルが増えることがわかっています。
粘膜を強化してくれる栄養素が豊富に含まれるレバーをサラダオイルに漬けて、低温で煮て仕上げます。高齢者様のなかには、昔ながらのしょうが醤油煮はおいしいけれど固くて食べにくい…という方もいらっしゃることと思います。
油に漬けて80℃程度の温度でゆっくりと火を通すことで、とても柔らかく仕上がります。つぶして簡単にペースト状にすることもでき、咀嚼・嚥下に不安がある方にも召し上がっていただきやすいですよ。昼食にプラスする副菜の一つにいかがでしょうか?
【材料】 2人分
鶏レバー 100g
牛乳 適宜
塩 1つまみ
酒 大さじ2
にんにく 1かけ
ローズマリー・タイムなど 1枝
サラダオイル 適宜
【作り方】
1、鶏レバーは白い筋を取り、横半分に切る。(ハツ(心臓)がついている場合は取り外し、切り開いて中の血液を洗う。ハツは一緒にオイル煮にしても、塩コショウで炒めてもおいしく召し上がれます。)水道水を細く出しながら、断面の穴(血管)に当てると、中に溜まっていた血液の塊が出てきます。きれいに洗って水気を切り、ボールに入れてひたひたに牛乳を注ぎ、30分程度臭み抜きをします。
2、(1)をザルにあげ、水分を切ってキッチンペーパーで軽くふき取り、塩、酒をまぶしつける。
3、鍋にサラダオイル、にんにく、ローズマリーなど、(2)のレバーを入れる(サラダオイルの量はレバーの表面までつかる程度に)。火にかけて、弱火で油面が少し揺れる程度(約80℃)程度になるように加減し、約30分、ゆっくりと加熱する。
4、熱いうちに耐熱性のある清潔な保存瓶に詰め、オイルを口まで注ぎ、蓋をして逆さまにして冷めるまでおいておく。冷蔵庫で1週間程度保存できる。
※炊飯器の保温機能を使って作ることもできます。(炊飯器の取り扱い説明書を確認し、75℃以上で保温できる場合。)
1、(3)で、耐熱性のあるファスナー付きの保存袋などにサラダオイル、にんにく、ローズマリー、レバーを入れ、口を閉じる。
2、炊飯器の内釜に熱湯を入れ、(1)のレバー入り保存袋を浮かべて1時間程度保温する。
3、清潔な耐熱性の保存瓶にレバーを詰め、口までオイルを注いですぐに蓋をし、瓶を逆さまにして冷ます。
※鶏肉の副産物である鶏レバーには、まれにカンピロバクターやサルモネラ菌といった食中毒の原因菌が付着している場合があります。75℃以上の温度で1分以上加熱すると菌は死滅しますので、加熱温度にはご注意ください。不安な場合は、最後にフツフツと沸いた状態(約100℃)で3分程度加熱してください。
鼻水を止めたい
鼻水には、サラサラとしたものとドロッとした粘りがあるものの2種類がありますね。これは体が冷えているか、熱がこもっているかによることが多く、その状態で選びたい食材は違ってきます。どのようなものが合うのか見てみましょう。
サラサラとした鼻水に 香味鶏
花粉症の症状があらわれてサラサラとした鼻水が出るときは、体の中心が冷え、体内に余分な水が溜まり、時には寒気を感じることもあります。冷えを取る鶏肉を使い、しょうが、ねぎ、シナモンや八角を合わせて、体を温められるメニューをご紹介します。
【材料】 2人分
鶏もも肉 1枚
酒 50cc
しょうゆ 25cc
みりん 25cc
しょうが 1かけ
白ねぎの青い部分 1本分
シナモンスティック 1/2本
八角 1個
卵 2個
ししとう、スナップエンドウなど 適宜
【作り方】
1、鶏もも肉は余分な脂肪分やスジを取り除く。
2、鍋に鶏もも肉と卵、ししとうやスナップエンドウ以外のすべての材料を入れて沸騰させ、(1)の鶏もも肉を入れて落し蓋をし、中心まで火が通るまで弱火で煮る。途中出てくるアクや脂は取り除く。
3、卵は茹で卵にし、(2)の鍋に入れて味卵にする。
4、鶏肉に火が通ったら一口大に切り、味卵とともに器に盛る。
5、ししとう、スナップエンドウなどを塩ゆでし、(4)に添える。
その他のおすすめ食材
かぼちゃ、豚肉、黒砂糖、黒豆、鮭など
ドロッとした黄色い鼻水に あさりと緑豆もやしの中華風粥
ドロッとした黄色い鼻水が出るときは、体の中心に熱がこもっている場合があります。熱っぽさを感じたり、目頭が熱く感じる頭痛が起こったりすることもあります。
こんな時には体の熱を取る働きがあるあさりや緑豆が原料のもやしを使った、消化のよいお粥がおすすめです。スーパーマーケットの雑穀コーナーでハト麦が手に入れば、一晩水につけておいたものを米と一緒に炊いても、こもった熱や膿のようにたまった鼻水をとる効果がありますので、お試しくださいね。
【材料】 2人分
あさり 10粒
日本酒 大さじ2
しょうが 1/2かけ
米 1/2合
緑豆もやし 1/4袋
酢(茹でる時用) 少々
酢(調味用) 小さじ1
しょうゆ(調味用)小さじ2
水 600cc~
中華スープの素 小さじ1程度
乾燥わかめ 少々
ねぎ 少々
【作り方】
1、あさりは3%の塩水につけて砂出しする。殻をこすり合わせて洗い、日本酒、しょうがの千切りを加えて酒蒸しにする。身は殻から取り出し、煮汁は茶こしで濾しておく。
2、米を洗って水につけ、30分程度おいてから(1)のあさりの煮汁と中華スープの素を加え、粥を炊く。(中華スープの素は、あさりの煮汁の塩気をみて、量を加減してください。)
3、緑豆もやしは洗ってから酢を入れた熱湯でさっと茹で、適当な大きさに切る。酢・しょうゆをまぶしておく。乾燥わかめは水で戻し、小さめに切る。
4、(2)の粥が炊けたら(1)のあさりを入れて温め、器に盛り、(3)のもやし、わかめを天盛りにする。
5、ねぎを小口に切り、添える。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合
もやしは意外に繊維が固いので、食べにくいようであれば使用せず、代わりに緑豆(百貨店や中華食材店で手に入ります)大さじ1程度を半日ほど吸水させたものを、米と一緒に柔らかく煮てください。わかめは粥が煮える頃に鍋に加え、少し炊くと柔らかくなります。必要に応じてご対応ください。
その他のおすすめ食材
れんこん、キノコ類、豆腐、ひじき、どくだみ茶など
体の基本を整える
粘膜を保護し、花粉症の典型的な症状ともいえる鼻の不調を改善するための料理を主にご紹介しましたが、一番大切なことは体の根底を整えることですね。そのためには、体調に見合った運動、質の良い睡眠、そして栄養バランスの整った食事をとることが大切です。
昼食は花粉症対策になる食材をつかったメニューに、夕食は栄養バランスが整ったまごころ弁当のお弁当に頼るのもよい方法です。まごころ弁当のお弁当は、栄養学のプロである管理栄養士が、食べる方の健康を想い、こだわりを持って選び抜いた食材を使用して作ったお弁当です。
普通食はもとより、持病により塩分やカロリーの摂取に気を遣う方向けのカロリー調整食、たんぱく質を制限しなければならない方向けのたんぱく調整食、また、咀嚼・嚥下に不安がある方にも選んでいただきやすい数種類のサイズのきざみ食、きざみ食のとろみつき、ソフト食ややわらか食も用意されています。
今なら無料試食キャンペーンを実施中です。この機会にぜひお試しくださいね。
花粉症対策についてのまとめ
花粉症にさまざまな感染症、三寒四温の季節の移り変わりに…春は体に負担がかかり、アレルギーのみならず、それぞれの体の弱いところに症状となって現れますね。
花粉症の症状が見られたとき、まずは体に熱っぽさを感じるか、冷えを感じるかで食材を選んでみてください。
しかし、残念ながら食材は薬ではありません。効果は知られていても、効き目は穏やかです。さまざまな症状がある場合は必ずかかりつけの医師の指導を仰いでくださいね。