夕食は宅配サービスで!バランス良い食事で健康に
作成日:2020年4月22日
2020年に入ってから「フレイル対策」という言葉を目にすることが増えました。これは高齢者の方がいつまでも元気で長生きするために大切な対策として国が進めています。
また、フレイル対策よりも前から「生活習慣病の予防」や「寝たきり予防」についても新聞や雑誌で取り上げられることが増えています。このように現在の日本では、高齢者の健康長寿を目指した取り組みが進んでいることで、様々な健康維持の方法を試すことができるようになりました。
そして、健康維持を目指す方法の中でもとりわけ大切なのが「食事」。特に「夕食」のバランスアップを考えることが食生活全体を見直すきっかけになるでしょう。そこで今回は、高齢者の健康の要となる「食事」についてご紹介していきたいと思います。
目次
健康長寿は食事が大事
はじめに、内閣府が発表している日本人の平均寿命と健康寿命について見ておきましょう。
<健康寿命と平均寿命の推移>
年 | 男性 | 女性 | ||
平均寿命 | 健康寿命 | 平均寿命 | 健康寿命 | |
2001年(平成13) | 78.07歳 | 69.40歳 | 84.93歳 | 72.65歳 |
2004年(平成16) | 78.64歳 | 69.47歳 | 85.59歳 | 72.69歳 |
2007年(平成19) | 79.19歳 | 70.33歳 | 85.99歳 | 73.36歳 |
2010年(平成22) | 79.55歳 | 70.42歳 | 86.30歳 | 73.62歳 |
2013年(平成25) | 80.21歳 | 71.19歳 | 86.61歳 | 74.21歳 |
2016年(平成28) | 80.98歳 | 72.14歳 | 87.14歳 | 74.79歳 |
出典:内閣府~平成30年版高齢社会白書(概要版)
URL:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/gaiyou/s1_2_2.html
健康長寿とは心も体も健康で長生きすることですから、この表においては「健康寿命」を指しています。もう一つの「平均寿命」とは、あなたもご存じの通り「命を失うまで」の年齢を指しています。この2つの寿命を見比べるとわかりますが、健康寿命よりも平均寿命の方が8~10年長くなっています。この理由を考えてみると、最後の8~10年間は
・病気
・寝たきり
・介護
このように、自分の自由が減ったり、治療に悩んだりしながら過ごす人が多いということがわかります。そして、私達が今から準備しておきたいことは、この8~10年間をどのように過ごすのかということです。平均寿命ギリギリまで元気に、自分の足で歩きながら、自分もまわりの人も楽しく幸せに過ごせる人生を選ぶのか、こういった暮らしは二の次でもいいのか。あなたならどちらの人生を選びたいでしょうか。
もしあなたが「ギリギリまで元気に暮らす」人生を選ばれるのなら、必要なことのひとつに「食事」があります。私達は毎日健康に活動しながら人生を送っていますが、こういった活動の源になっているのは、毎日の食事にあることはご存じでしょう。ですから、健康な人生を送るためには、毎日の食事が減ることなく、自分の歯で噛むようにし、喉の筋肉を使って飲み込むことができる、バランスの整った体が必要になってきます。
高齢になると避けられないこと
このように「食事」は健康に暮らすためには大切なことのひとつです。そしてあなたもご存じだと思います。しかし、知ってはいても高齢になると次のような「避けられないこと」が起こってきます。
・体の衰え
・食事の量が減少
・筋肉量も減少
・免疫力の低下
・歩く速度が遅くなった
・階段がつらい
・歯の本数が減った
・噛むのがつらい
・飲み込むとむせることが増えた
また、体そのものの機能が低下することで
・味を感じられない
・食欲がわかない
・見えづらいので食べられない
こういった変化に戸惑われる方もいらっしゃいます。そして、このような変化を無視したまま放っておくと、高齢者の方に多い
・低栄養
・栄養不足
・やせすぎ
・隠れ肥満
という、病気の原因になりやすい体になってしまっていることもあるのです。もしあなたが健康診断を受けておられるのなら、理想の体重や肥満の可能性を担当医に確認しておくといいでしょう。健康診断を受けておられないため、自分の体の状態がわからない方は、体重と身長だけでも知ることが大切です。
この2つがわかると、次の計算式によって肥満かどうかを簡単に判断することができます。また、やせすぎなのかどうかも判断できます。
BMI = 体重(kg) ÷ [身長(m)× 身長(m)]
計算結果のBMIを下の表と見比べてみましょう。
年齢(歳) | 目標とするBMI(kg/m2) |
18~49 | 18.5~24.9 |
50~64 | 20.0~24.9 |
65~74 | 21.5~24.9 |
75以上 | 21.5~24.9 |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
年齢によって目標とする値がわかりますので、あなたのBMIがどの位置にあるのかを知っておくことが大切です。目標値よりも多い場合は肥満の可能性があります。反対に目標値に届いていない場合は、やせすぎている可能性があります。肥満の可能性がある方は、減量する必要があるかもしれません。やせすぎている方は、しっかり食事をとる必要があるでしょう。
そしてどちらも共通していることは、食事のバランスを考えた生活を取り入れることが重要であるということです。
バランスのよい食事で健康長寿を
バランスのよい食事は、肥満ややせすぎの改善が期待できます。また、食事がよくなると筋肉の低下や疲れがとれやすくなり、活動量が増えるため、体にとっても脳にとっても良い刺激になると言われています。
低栄養を防ぐ
私達の体が健康であるためには、栄養不足に注意することが大切です。できるだけ毎日の暮らしの中で食事のタイミングを合わせておき、規則正しく1日3食食べることを心掛けましょう。
3食の中では、主菜、副菜、主食ともう一品というようなバランスのとれた食事を意識してください。また日本人が一日の中で多く食べたくなる「夕食」のバランスを最初に考えることで、朝食や昼食のバランスも自ずと決まってきます。しかしこういったバランスを考えた食事を毎日3食準備するのは大変という方もいらっしゃることでしょう。
一人暮らしの高齢者の方や、パートナーには介護食が必要という場合、自分だけのために献立を考えて、材料を購入し調理するのは面倒だと思います。そういった場合、おすすめなのが宅配サービスを使った食事です。宅配サービスによる食事には次のようなバリエーションが揃っています。
・カロリー制限食
・タンパク質制限食
・糖質制限食
・塩分調整食
・カリウムやリンの調整食
持病をお持ちの方や、療養中によって食事制限が必要な方でも安心して食べていただけます。また、介護食が必要な方向けにも、こんなバリエーションが用意されています。
・普通食
・やわらか食
・とろみ食
噛む力や飲み込む力にあわせて、食べやすい食事を選んでいただけます。さらに、宅配サービスには、あなたの生活パターンに合ったお弁当や惣菜を選ぶことができます。
・常温タイプ
・冷蔵タイプ
・冷凍タイプ
・レトルトタイプ
宅配サービス業者によって、それぞれのタイプが用意されていますので、あなたの暮らしにあわせて保存状態も選んでいただけるのです。こういったサービスを活用すると、例えばあなたは栄養バランスのとれた普通食。ご家族で介護が必要な方には、栄養バランスがとれながら食べやすいやわらかさになった介護食。こんな風に選んでもらうことができますので、材料の買いすぎや残って勿体ないことにもなりません。
わたしたち「まごころ弁当」では、原材料にこだわり栄養バランスに配慮した美味しいお弁当と毎日、日替わり献立でお届けしています。
また、ご高齢様向けの味付けや、見た目、安全性、食べやすさを考えたお弁当となっていますので、生活スタイルに合わせて選んでいただけます。今なら「無料試食キャンペーン中」ですので、実際のお弁当の内容をお試しいただけます。お気軽にお申し込みください。
食べる機能にも注意を向ける
健康長寿を目指す食事には、
・舌
・あご
・頬
など、口のまわりの筋肉低下にも注意しておきましょう。噛む力や飲み込む力が低下すると、どうしても食事がおいしくなくなり食べる量が減りますので、一緒に筋肉量も低下しやすくなります。特に口周辺の筋肉量が低下すると、
・噛めない
・飲み込めない
ということになり、栄養不足がはじまる可能性も高くなり、体全体が衰弱してしまうことも考えられます。もし、噛む力や飲み込む力が低下したかなと感じた場合は、かかりつけ医に口周辺の筋トレ方法を教えてもらうようにしておきましょう。口は健康の源となる食事の入り口ですから、食べ物同様気を配っておきたい部分です。
それでは次からは、健康寿命に関係してくる栄養素について見ていきます。
健康寿命に影響する栄養素とは
次にお話するような栄養素は、体の健康に直接影響してきます。それぞれの栄養素と役割を理解しておくことで、毎日の食生活にも気を配ることが増えていくでしょう。
筋力維持にはタンパク質
タンパク質が不足すると、筋肉や臓器をつくる材料が不足し健康な状態を維持しづらくなります。筋肉がつくられないということは、筋力が低下しやすくなり、歩くことや立ち上がることが難しくなる可能性が出てきます。また、少し歩いただけで。ちょっと階段を昇っただけで疲れてしまうこともあるでしょう。そしてタンパク質が低下すると免疫力も低下し病気にかかりやすくなると言われています。さらに、
・血管がもろくなる
・肌がカサカサになる
・髪の毛が抜けやすくなる
というような症状を感じやすくなるようです。では、どれくらいのタンパク質を摂取すればいいのかですが、これはあなたの体の大きさや状態によって変わってきます。ですから担当医に相談し、あなたに適した摂取量を教えてもらうことが大切です。
■タンパク質を多く含んでいる食材
・くろまぐろ
・かつお
・鶏むね肉(皮なし)
・まかじき
・豚ロース肉(赤肉)
・豚ヒレ肉
エネルギー源には脂質
とりすぎはメタボの原因になりますが、私達の体が健康を維持するためには適度な脂質も必要です。特に脂質の中でも「不飽和脂肪酸」と呼ばれる脂質を意識して摂取することで、体に必要なエネルギー源を効率的に取り入れることができるでしょう。不飽和脂肪酸には、エネルギー源としての役割だけではなく、
・免疫力アップ
・体の酸化予防
・キズを治す作用
があると言われています。また、血液の流れをスムーズにする作用や、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きも期待されています。
■脂質を多く含んでいる食材
・さんま
・いわし
・あじ
・さば
・エゴマ油
・アマニ油
・オリーブオイル
老化防止にはビタミンACE
ビタミンの中でも「A群」「C群」「E群」と呼ばれる種類を摂取しておくことで老化を防ぐ「抗酸化作用」が期待できます。また、これらのビタミンは、ほとんどが体の内部で作ることができませんので、食事から積極的に摂取しておきたいところです。
■ビタミンACEを多く含んでいる食材
<ビタミンA>
・レバー
・うなぎ
・人参
<ビタミンC>
・ブロッコリー
・パプリカ
・菜の花
<ビタミンE>
・あゆ
・モロヘイヤ
・ひまわり油
腸内環境を整える食物繊維
腸内環境を整えることで、消化や吸収がスムーズになるでしょう。私達の体は腸によって栄養を吸収することがほとんどなので、環境を整えておくことは健康への第一歩なのです。また、食物繊維は血糖値の上昇をゆるやかにする効果もあると言われていますので、糖尿病の予防や改善にも効果が期待できるでしょう。
■食物繊維を多く含んでいる食材
・りんご
・ごぼう
・玄米
・わかめ
・ひじき
・こんにゃく
・きのこ類
カラダや脳に必要な糖質
最近は「糖質制限」がブームです。だからといって高齢者の方が糖質をゼロにすると、体や脳によくありません。糖質はとりすぎると肥満の原因になりますが、適度な量はエネルギーとして必要なので、ゼロにするのは体にとって負担になることがあります。ここで糖質について少しふれておきますと、よく間違えられるのが「炭水化物=糖質」という考え方です。確かに近いのですが、本当の意味での糖質とは次のようになります。
糖質 = 炭水化物 - 食物繊維
この違いは、食材や惣菜を選ぶときのポイントになりますので覚えておきましょう。
■糖質を多く含んでいる食材
・ごはん
・パン
・麺類
・パスタ
・じゃがいも
・さつまいも
糖質は体の状態や療養中の状態によって制限が必要な方もいらっしゃいます。必ず担当医に適量を教えてもらっておきましょう。
酸化予防にはポリフェノール
高齢になると気になるのが「動脈硬化」というキーワード。
そこで体の酸化を守ることによって動脈硬化のリスクを軽減できると言われているのが「ポリフェノール」です。嗜好品に多く含まれている傾向がありますので、適度な量を楽しむようにしておきたいですね。
■ポリフェノールを多く含んでいる食材
・赤ワイン
・ブルーベリー
・ぶどう
・カカオを多く含んだチョコレート
健康長寿を目指すために
健康長寿を目指すなら、フレイル対策や生活習慣病対策に効果的な食事を見直してみていただきたいと思います。食事は私達の体を作る源です。食べたものからしか体は作られません。ということはバランスのとれた食事を続けることで、バランスの良い体が作られるということになります。反対に、食事のバランスを考えないまま過ごしていると、健康な状態にも偏りが出てくるかもしれません。
ぜひ今回紹介しました栄養素を活用した食事を暮らしの中に取り入れてみてください。