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塩分を制限した食事 守れないとどうなる?

作成日:2020年7月10日

塩分を制限した食事 守れないとどうなる?

高血圧や心臓疾患、腎臓病などの方は、塩分を制限した食事を摂取するよう病院で指導されると思います。病態が進行するにつれて、その制限も厳しくなり厳密な食事管理が必要になる場合もあります。今回は、塩分制限がなぜ必要であるのか、塩分制限を守れないとどうなるのかについて詳しく説明していきます。

塩分制限食が必要な疾患

塩分制限が必要な疾患とその理由

日本人は塩分の摂取量が多く、減塩の重要性が世間に知れ渡るようになってから徐々に摂取量が減ってはきていますが、それでも必要とされている一日の塩分摂取量を上回っている方が多いのが現状です。塩分制限が必要な疾患として、高血圧、心不全や心筋梗塞などの心疾患、脳卒中、腎不全などが挙げられます。なぜこれらの疾患に対して塩分制限が必要であるのかは以下の通りです。

1) 高血圧

高齢者の3人に2人は高血圧と診断されているほど、高血圧症は私たちの身近な問題となっています。高血圧とは、収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上の状態が安静時でも続く状態のことを言います。高血圧症は、食事や生活習慣によって発症することが多いです。

塩分を摂りすぎるとなぜ高血圧になってしまうのかというと、塩分を摂りすぎてしまうと血液の中のナトリウムの濃度が高くなることが大元の原因です。高くなった濃度を薄めようと脳から指令が出てのどの渇きを感じ、水分をたくさん摂るようになります。水分をたくさん摂ると、血液の量が増えて血圧が高くなってしまうのです。高血圧の状態が続くと、体にさまざまな不調が現れたり最悪の場合、命に関わる疾患にかかってしまう可能性が高くなります。

塩分を制限して、高血圧を改善することが万病のリスクを軽減することにつながると言っても過言ではありません。塩分の摂取量を制限して、血管の中の血液量をコントロールする必要があるため、高血圧の方は塩分制限をしなければなりません。

2) 心疾患、脳卒中

塩分の摂りすぎによる高血圧の状態が続くと、血管はその圧力に耐えるために徐々に厚く硬くなっていきます。血管の弾力がなくなるこの状態のことを動脈硬化と言います。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞の原因となるため、高血圧や動脈硬化と診断された場合には、しっかりとした塩分制限の食事を摂取する必要があります。

心筋梗塞や脳梗塞は、血管でできてしまった血栓(血のかたまり)が飛んで心臓や脳の細い血管につまってしまう病気のことです。血管がつまるとその先の細胞や神経に血液が届かなくなるため、その血管周辺の組織は壊れてしまい、部位によっては重い障害を抱えることになります。

また、高血圧の状態が続くと心臓に負担がかかるため、心臓が大きくなってしまい心不全が起きたりすることもあります。他にも、血圧が高い状態が続くことで血管に負担がかかり動脈瘤が破裂したり、脳出血したりする可能性もあり得ます。

高血圧や動脈硬化の状態は、命に関わる危険な病気のリスクになりますので、なるべく早くの治療がおすすめです。高血圧に対する薬物療法はありますが、薬で血圧をコントロールしたとしても、食生活自体を改善させなければ薬を一生飲み続けなければなりませんし、だんだんと血圧のコントロールが難しくなっていきます。内服だけではなく、塩分制限をしっかりと行うことで重大な病気にかかるリスクを少しでも減らすようにしましょう。

3) 腎不全、腎結石

腎臓は、血液の中の老廃物や過度なナトリウムを体の外に排出するためにろ過をする場所です。必要な栄養素は再吸収され、不必要なものは尿として体の外に出されます。高血圧の状態が続くと、腎臓の血管が障害されるため、腎臓の機能低下がおこります。それ以外にもさまざまな理由により腎臓の機能が低下してしまうことがあります。

腎臓の機能が低下してしまった場合、老廃物が体の中に貯まるだけでなく、体の中に入ってきた余分な塩分を十分に外へ排出することができません。そして、腎臓や血液中に塩分がとどまってしまい、さらに高血圧が進行するという負の循環に陥ってしまいます。

腎不全以外にも腎結石になりやすくなります。塩分を摂りすぎると、ナトリウムが腎臓から生成された尿の中へ多く排出されます。尿の中のナトリウムは、一部がカルシウムに置き換わってしまいます。この置き換わったカルシウムが腎臓の中で固まって腎結石になってしまいます。
腎臓は体の中の老廃物を外へ出すという重要な役割を担っていますので、塩分を制限して腎臓を保護してあげることが大切です。

4) 骨粗しょう症

腎結石の際に説明したように、生成された尿に含まれるナトリウム量が増加し、そのナトリウムがカルシウムへと置き換わり、尿中のカルシウム量が増えます。このナトリウムがカルシウムへ置き換わるときのカルシウムは、骨や血液から補われるので骨の中に必要であるカルシウムが不足してしまい、骨粗しょう症となる可能性があります。そのため、尿中のナトリウム量が過剰にならないように塩分を制限する必要があります。

5) 胃がん

胃がんの発生原因になるピロリ菌が塩分が多い環境で増殖しやすいということが分かってきています。塩分を摂取しすぎると、ピロリ菌が増殖し胃がんが発生しやすくなると言えます。ピロリ菌の増殖を予防するために塩分を控えることが大切になっていきます。

守れないとどうなるの?

塩分制限を守れないとどうなるの?

医師から塩分制限を指導されたり、病気を診断されてから減塩を意識したという方もいらっしゃると思います。高血圧の方の塩分制限は、基本的に1日6g未満が望ましいとされています。高血圧でない方でも、厚生労働省は成人男性7.5g、成人女性6.5g未満の塩分摂取量が望ましいとしています。

しかし、実際には成人男性の1日の塩分の平均摂取量は10.8g、女性は9.2gとされており、大幅に摂取量を超えていることがわかります。この原因としては、外食や加工品が多用されていることや、日本食ならではの醤油や味噌の使用が考えられます。

塩分制限を守れない場合、高血圧症が進行してしまい、心疾患や脳卒中のリスクが高くなります。心疾患や脳卒中は、生命の危機的状況に陥る可能性が高く、命が助かったとしても麻痺などの後遺症が残る可能性もあります。また、腎不全が進行した場合には、腹膜透析が必要となり、QOL(生活の質)が低下してしまいます。他にも、骨粗しょう症が進行すると、さまざまな場所が骨折しやすくなり、大腿骨などを骨折した場合には寝たきりになる可能性もあります。

胃がんも、近年では早期発見であれば長期生存も可能になりましたが、胃を大きく切除しなければならなくなった場合には、これまでと全く同じ食生活を送ることは難しくなります。
これらのように、塩分制限を守れずに高血圧や腎不全などの病気が進行した場合、QOLが低下するだけでなく、ADL(日常生活動作)も低下してしまう可能性があり、これまでと同じような生活を送れなくなることがあります。

無理なく続けるためには

塩分制限を無理なく続けるためには

これまで述べてきたように、塩分制限は健康を維持し、生活の質を保つためにとても重要です。しかし、1日塩分摂取量を減らしたからと言って改善するわけではありません。毎日の食事で減塩を心がけ続けていくことが大切です。そのため、極端な減塩をしても続きませんので、徐々にできることから始めるのがよいでしょう。

1)調味料を工夫する

塩分は食材そのものに含まれているものもありますが、1番多く含まれているのは調味料です。調味料は塩、しょうゆ、みそ、ソースやケチャップなどの順番で塩分が多く含まれています。特に日本人は調理にしょうゆを多く使うため、しょうゆ自体を減塩のものにしたり、調理をする際には目分量ではなくきちんと計測するようにしましょう。

また、しょうゆやソースなどは食材に直接かけるとかけすぎてしまうことがあるので、なるべく食材をつけて食べるようにするとよいでしょう。
新鮮な食材を使用して、素材そのもののおいしさを味わう調理法にしたり、出汁をしっかりととって濃く味付けをしなくても旨味を感じられるようにするなどの工夫も必要です。他にも香辛料やお酢などには塩分が含まれませんので、上手に活用してみるのもよいでしょう。

2)加工肉や加工品は食べすぎないようにする

ハムやソーセージ、ウインナーなどの加工肉には多くの塩分が含まれています。加工肉を食べすぎないことや、塩分含有量が少ない加工肉を選ぶようにしましょう。またカップラーメンや総菜などには、多くの塩分が含まれています。さらに加工肉だけではなく、かまぼこやちくわなどの練り製品にも塩分は多く含まれています。これらの加工品はなるべく食べるのを控えるようにしましょう。

どうしても摂取するときには、栄養成分表示に注目するようにしましょう。栄養成分表示にNaと表示されている場合、ナトリウム(㎎)×2.54÷1000=食塩相当量(g)で計算することができます。Naは純粋な含まれている塩分量ではないので注意が必要です。

3)麺類を食べるときにはスープを飲み干さない

ラーメンやうどんなどの麺類を食べるときには、スープはなるべく残すようにしましょう。麺自体にはそれほど塩分は含まれていませんが、スープにはたくさんの塩分が含まれています。楽しむ程度に飲むのはかまいませんが、半分以上を飲み干すのはやめた方がよいでしょう。

4)漬物や干物の食べすぎに注意をする

漬物や干物、明太子などの塩蔵品はご飯のお供として人気ですが、塩蔵品と呼ぶほどですから塩分が多く含まれています。漬物や干物などはなるべく摂取を控えるようにしましょう。

5) 外食はなるべく控える

外食で提供される食事は、万人に受け入れられやすいように塩分を少し濃いめにしていることが多いです。時々の気分転換程度の外食であれば問題がありませんが、基本的には自炊をして自分でどの程度塩分を摂取しているのかを把握しておく方がよいでしょう。

摂らなさすぎにも注意

塩分の摂らなさすぎにも注意が必要

塩分制限が必要だからと言って、塩分を全くとらないのがよいかというとそうではありません。塩分は摂りすぎがよくないのであって、適量であれば体に必要不可欠です。塩分制限をすすめられたから、塩分を全くとらないようにすると、逆に命の危険性があります。塩分は、体の中の水分量の調節をしてくれます。適度な塩分がないと、体の中の水分がどんどん抜けてしまい熱中症にかかってしまう可能性があります。

特に夏場は、汗をかいて塩分が多く体から出て行ってしまった上に、喉が渇いてたくさん水を摂取することによって、体の中の塩分濃度が下がり心臓や脳に負担がかかってしまうことがあります。夏場に脱水予防のために水分を摂取する際には、水分と同時に塩分も摂取するようにしましょう。運動をするときなどには、経口補水液や塩分が入った飲料を摂取するようにしましょう。

他にも塩分が少なくなりすぎることによって、体に必要なカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが不足してしまい、体の基礎代謝が低下してしまったり、生きる活力が失われたりすることがあります。塩分を適切に摂取して、体の水分やミネラルのバランスをとるためには、塩分制限を無理なく継続し意識し続けることが大切です。

塩分制限についてのまとめ

まとめ

塩分の摂りすぎは、高血圧や心疾患、脳卒中などの命が危険にさらされる可能性が高まります。塩分の摂りすぎによるさまざまな病気への罹患は、QOL(生活の質)を下げ、時にはADL(日常生活動作)が低下し介護が必要な状況になる可能性もあります。塩分制限食にするよう指導を受けた後も、塩分制限をしっかりと守れていない場合、高血圧をはじめさまざまな疾患にかかるリスクは高まります。特に高血圧状態が長く続くことで、血管がもろくなり病気へのリスクは高まってしまいます。

そのため、塩分制限食が必要とされる人は1日6g以内に塩分を抑えるようにしましょう。とはいえ、毎日塩分量を測定しながら食事を作るのは大変なことだと思います。宅配サービスのまごころ弁当では、塩分制限食が毎日日替わりのメニューで召し上がっていただくことができます。また、1人1人の噛む力や飲み込む力に応じて食事の形態を変更することができるので、嚥下機能に不安がある方にも安心してご利用していただくことができます。

塩分制限食は、最初は薄い味付けに物足りなさを感じることもあるかもしれませんが、まごころ弁当では厳選した食材で、食材自体の風味や旨味を活かしながら味付けをしているので、塩分制限食であってもおいしく食べていただくことができます。毎日の健康のために、塩分の摂りすぎには注意が必要です。外食やお惣菜を購入するよりも、まごころ弁当を毎日配達してもらっておいしく塩分制限をしてみるのはいかがでしょうか。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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