顎にできやすい!?大人ニキビの原因と対処法
作成日:2020年8月5日
ニキビは思春期に多くできるものと思われていますが、実は大人になってからもニキビに悩まされている人は多くいます。大人ニキビは、顎やおでこなどの目立つ部分にポツンと大きくできるのが特徴で、なかなか治りにくく繰り返しできてしまうことも多いです。今回は大人ニキビについてとその対処法について詳しく説明していきます。
目次
大人ニキビは顎の周りにできる?
10代の思春期頃に、おでこから鼻にかけてのTゾーンや頬など皮脂が多く出やすい場所にできるニキビに悩まされた方も多いかもしれません。顔だけでなく、胸元や背中などにもできることもあります。この思春期の時期には、毛穴がまだ小さいところに、皮脂の分泌が活発となってしまい皮脂が詰まってニキビが発生してしまいます。この思春期ニキビは、思春期を過ぎると皮脂の分泌もおさまり、毛穴も少しずつ成長するため徐々に改善していきます。
しかし、思春期を過ぎてから、あご周りのUゾーンなどの皮脂腺が少なく乾燥しやすい部位にできるニキビを大人ニキビと言います。この大人ニキビは、生活習慣の乱れやストレス、食習慣の乱れ、誤ったスキンケアなどが原因で、お肌のターンオーバーの乱れを招くことによって大人ニキビができてしまうのです。
お肌のターンオーバーとは
お肌のターンオーバーとは、肌が一定のサイクルで新しく生まれ変わる代謝のしくみのことを言います。
私たちの肌は、上から表皮と真皮、皮下組織からできており、ターンオーバーは表皮で起こります。表皮は上から、1番表面である角質層、顆粒層、有棘層、基底層からできています。基底層で新しく生まれた基底細胞(ケラチノサイト)が細胞分裂を起こして、角層細胞になります。角層細胞は、顆粒層までは細胞の中に核があり生きていますが、角質層へ移動して角質細胞に変わった際に核が失われます。この細胞の核が失われることを角質化といいます。
角質細胞が積み重なってできた角質層は、ある一定の期間が過ぎると1番古い角質細胞(皮膚の1番表面にある皮膚細胞)はアカとなって剥がれ落ちます。すると、そのすぐ下に待機していた角層細胞が今度は1番表面に出てきます。このように古い細胞は自然とはがれ、新しい細胞へと生まれ変わるというサイクルのことをターンオーバーと言います。
正常なターンオーバーの周期は、基底層で作られた角層細胞が顆粒層まで達して角質細胞になるまでに14日、角質細胞になった後に表皮から剥がれ落ちるまでに14日かかるとされており、合計28日の周期と言われています。しかし、このターンオーバーの周期は年齢と共に長くなると言われています。20代では、30日前後、30代では40日前後、50代では55日前後という報告もあります。また、さまざまな要因によりターンオーバーの周期は乱れてしまい肌トラブルが発生してしまいます。
大人ニキビが発生する理由
ターンオーバーの周期が何らかの原因で遅れることにより、古い角質が肌の表面に残ってしまい角層が分厚くなり毛穴づまりの原因となってしまいます。毛穴が詰まると、皮脂が正常に排出されなくなり毛穴にとどまってしまい、その結果炎症を起こしてニキビとなってしまいます。加齢とともにターンオーバーの周期は遅れていきますので、大人になればなるほど肌のトラブルが発生しやすいと言われています。
逆に日焼けや間違ったスキンケアなどの外的影響を受けた場合、ターンオーバーの周期が短くなることがあります。肌が外的影響によりダメージを受けた際には、少しでも早くダメージを修復しようとターンオーバーが短くなり、細胞が未熟なまま肌の表面へと押し出されてしまいます。
細胞が未熟なため、肌の機能も未熟で乾燥や肌荒れの原因となります。すると、肌を外的刺激から守ろうと角層を厚くするため毛穴がつまりやすくなり、にきびが発生してしまうこともあります。
ターンオーバーの周期は短すぎても長すぎても大人ニキビの原因となってしまいます。
大人ニキビの部位別の原因
大人ニキビの原因はターンオーバーの乱れですが、ニキビができる部位によって細かくは少しずつ原因が異なってきます。
1) おでこ
おでこは実は皮脂腺が非常に多く、Tゾーンのてかりはこの皮脂腺から分泌される皮脂が原因です。皮脂の分泌量は、思春期を過ぎると落ち着いてくるのですが、睡眠不足やストレスなどが原因でホルモンバランスが崩れると、皮脂が過剰に分泌されてしまいニキビが発生してしまいます。
また、おでこは前髪が触れるので刺激を受けやすいということもあります。髪の毛には汚れやほこりがついており、それが皮膚に触れることによって、ニキビの原因となるアクネ菌の栄養分となってしまいます。
2) 鼻
鼻は顔の中でも皮脂の分泌量が特に多く、ニキビが発生しやすい部位です。おでこと同様にホルモンバランスが乱れることで、もともと多い皮脂の分泌がさらに増加してしまいニキビができてしまいます。
また、鼻の周りは形が複雑で、お化粧などをした後に洗顔で汚れをしっかりと落とすことが難しい場所でもあります。お化粧を落としきれないと、皮脂と混ざって毛穴につまり、ニキビの原因であるアクネ菌に栄養を与えてしまうことになります。
さらに、鼻のニキビは目立つため、つい触ってしまうことがあります。しかし、雑菌がついた手で触ってしまうと、アクネ菌に栄養を与えてしまい悪化の原因となってしまいます。
3) 顎
大人ニキビの代表的な場所と言ってもいいのは顎です。顎の周辺は汗腺が少なく乾燥しやすいのに、皮脂腺が多くあり、水分不足を補うために皮脂腺から皮脂の分泌が過剰になされます。それによって毛穴に皮脂がつまってしまいニキビができてしまいます。
顎にできるニキビの大元の原因は乾燥ですので、洗顔のし過ぎには注意が必要です。洗顔をしすぎて肌が乾燥してしまうと、それを補おうとしてよけいに皮脂の分泌が過剰となってしまうことがあります。
また、顎のニキビはホルモンバランスの乱れに大きく影響されると言われています。女性は特に、生理によってホルモンバランスが変動しますが、生理前に分泌が増加する黄体ホルモンには皮脂の分泌を増加させる働きがあるため、生理前には顎ニキビができやすいと言えます。
4) 頬
頬は、顔の中でも皮脂の分泌量が少ないため、水分が蒸発しやすく乾燥しやすい部位です。皮膚が乾燥すると、皮膚を守ろうとしてターンオーバーの周期が乱れ、皮膚の1番外側にある角質が分厚くなり、毛穴が詰まってしまうためニキビが発生してしまいます。
他にも頬は、枕についた雑菌が付着したり、髪の毛からの刺激を受けたりとさまざまな炎症の原因となる刺激を受けることがあります。雑菌は炎症を起こしやすくしますし、ニキビの原因であるアクネ菌の栄養となってしまいます。
5) 口元
口元は、皮膚が薄く乾燥しやすい部位と言われています。頬と同様に乾燥することによってニキビができやすい状態となってしまいます。また、食事をしたりお化粧をしたりと、口元は何かと刺激を受けやすいため、悪化しやすく治りにくいという特徴があります。
大人ニキビの種類について
1) 白ニキビ
皮脂や古い角質が詰まって盛り上がった状態のものを白ニキビと言います。ニキビの初期の状態と言われ、痛みを感じることはありません。この段階で適切にケアや予防をすることで症状の進行を抑えることができると言われています。
2) 黒ニキビ
皮脂や古い角質がさらに詰まって、コメドと呼ばれる皮脂の塊ができます。ニキビが悪化して、毛穴が開くことによって、このコメドが酸素と触れ合い酸化することによって黒く変色します。この黒く変色した状態を黒ニキビと言います。
3) 赤ニキビ
黒ニキビがさらに進行して、毛穴の中の皮脂を栄養としてアクネ菌が繁殖し炎症を起こした状態を赤ニキビと言います。炎症が進むと痛みを伴ったり、治りにくくなり痕が残ることがあります。
4) 黄ニキビ
赤ニキビがさらに化膿して黄色い膿がたまった状態のことを言います。痛みを伴い、皮膚科を受診する必要があると言われています。
大人ニキビの対処方法
1) 睡眠をしっかりととる
大人ニキビの原因となるターンオーバーの乱れやホルモンバランスの乱れは、睡眠不足が1つの原因と考えられています。細胞は、寝ている間に修復されるため、質の良い睡眠をとることが大切です。
質の良い睡眠をとるためには、まずは睡眠環境を整えることが大切です。体にあった寝具をそろえたり、寝る前にスマートフォンやテレビなどを見ないようにする、毎日同じ時間に寝起きする、睡眠前にはリラックスできるようなストレッチや入浴などを行うなどの環境整備が大切です。
2) スキンケアを見直す
大人ニキビにはスキンケアの見直しも重要となります。肌にあった基礎化粧品を選択することが大事です。また、洗顔のし過ぎや、逆に洗い残しもニキビの原因となるので注意をしましょう。
ニキビができてしまうと気になってつい触ってしまったり、隠そうとしてお化粧をしっかりとしてしまったりします。しかし、そのような刺激はニキビの悪化を招いてしまうことがあります。ニキビができてしまった場合には、なるべく触らないことやお化粧は最低限にしておくことが重要です。そして、お化粧を落とす際にもこすりすぎないこと、こすって汚れを落とすのではなく、泡でふんわりと洗って汚れを落とすようにしましょう。
ニキビの原因は皮脂と考えられがちですが、実はそれだけではなく乾燥も大敵ですので、しっかりと皮脂を落とした後には保湿をすることが大切です。洗顔料や化粧水などはアクネ菌対策がされているものを選ぶのもよいでしょう。
3) ストレスをためすぎない
大人ニキビの大敵となるのがストレスです。現代社会を生きる上で、ストレスは様々なところからかかってきますが、溜め込みすぎずに発散していくようにしましょう。おすすめのストレス発散方法は、ウォーキングなどの軽い運動です。軽い運動をすると、気分転換になる上、運動不足の解消となったり、適度な疲労から睡眠の質を向上させることができます。
運動不足の解消は、さまざまな疾患予防にもなるため、非常におすすめです。
4) 食習慣の見直し
大人ニキビの対処法として、肌の健康を考えたときに外からのケアだけではなく、内側からのケアも非常に重要となってきます。肌をつくる原料となるタンパク質や、肌の調子を整えるビタミン類やミネラルをバランスよく摂取することが大人ニキビの予防につながります。特に納豆や乳製品に多く含まれるビタミンB2と肉や魚などに多く含まれるビタミンB6は、肌にハリを与え皮脂の分泌をコントロールする働きがあると言われているため、積極的に摂取するようにしましょう。
また、皮脂の過剰分泌を抑えるために、脂肪分の多い甘いお菓子や揚げ物など、カフェインなどの刺激物を控えるようにしましょう。
ニキビができてしまった後には、魚やナッツ類に多く含まれるビタミンEを摂取することによって、血行がよくなり肌の新陳代謝が活発になり、ニキビ跡の回復を助けてくれると言われています。
大人ニキビについてのまとめ
思春期を過ぎてニキビのピークが終わったと思ったら、大人になってもニキビが繰り返しできてしまうことがあります。大人ニキビは、肌のターンオーバーの周期が乱れ、古い角質が分厚くなり毛穴がつまることによっておこります。肌のターンオーバーの周期が乱れる原因としては、睡眠不足やストレス、ホルモンバランスの乱れ、紫外線などの外的刺激が考えられます。
大人ニキビを対処するためには、これらの原因を取り除くことが必要です。また、それと同時に食生活を見直して体の内側から肌のケアをしていくことも非常に重要と言えます。タンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取することで、肌の健康を維持することができターンオーバーの乱れを修復することができます。
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