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脂質の摂りすぎを予防する食事

作成日:2020年8月5日

脂質の摂りすぎを予防する食事

私たちが生きていく上で必要な三大栄養素とは、タンパク質、炭水化物、脂質です。このうち、脂質は体の中に取り込まれると1gあたり9kcalのエネルギーに変換され、生きる上でとても大切な栄養素です。しかし、摂取しすぎるとカロリーオーバーになってしまい、肥満の原因となってしまったり、その他にも体にさまざまな弊害が生じてしまいます。

今回は、脂質の摂りすぎによる弊害と脂質の過剰摂取を予防する食事について詳しくお話していきます。

脂質とは

脂質とは

脂質とは、食事から体の中に取り込まれると、主に小腸で消化され、体に必要な三大栄養素の中でも1gあたり9kcalと最も高いエネルギーを得ることができる栄養素です。また、エネルギー源というだけではなく、ホルモンや細胞の膜を構成したりします。

体の中で脂肪となり寒さから体を守ったり体温を一定に調節する機能や、臓器を保護したりする役割もあります。他にも、脂溶性といわれるビタミンA・D・E・Kの吸収を補助しているといわれています。

脂質は脂肪酸が主な成分で、脂肪酸が様々な物質と結びつくことで脂質を形成しています。例えば脂肪酸がグリセロールと呼ばれる物質で束ねられたものは中性脂肪と呼ばれ、中性脂肪は摂りすぎると体脂肪として蓄えられてしまいます。
脂質の主成分である脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸という2種類があります。

脂肪酸

・飽和脂肪酸

常温で溶けない脂質を飽和脂肪酸と言います。動物性の食品に多く含まれており、摂取のし過ぎは悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、血液をどろどろの状態にしてしまいます。この理由としては、飽和脂肪酸は低い温度でも固まりやすい性質を持っているため、体の中でも絡まりやすく血液中で粘度が増してしまうためと言われています。

和脂肪酸が多く含まれる食材としては、肉類の脂肪やバター、ラード、乳製品、チョコレートなどです。

・不飽和脂肪酸

常温で液体である脂質を不飽和脂肪酸と言います。不飽和脂肪酸は、植物性の油や大豆油や魚の油などに多く含まれており、一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の3種類があります。

① 一価不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸は、主にオレイン酸でオリーブオイルやべに花油、なたね油などに多く含まれるほか、体の中でも飽和脂肪酸から合成されることがあります。血中の善玉コレステロール値はそのままで悪玉コレステロールを減らす作用があると言われています。

多価不飽和脂肪酸は、体の中で合成することができずオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸に分けられます。

② オメガ3系脂肪酸

オメガ3系脂肪酸の代表的なものはα―リノレン酸で、体の中で代謝されてEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)になります。えごま油やあまに油、青魚に多く含まれています。α―リノレン酸は必須脂肪酸の一つといわれています。(必須脂肪酸とは、体の中で合成することができないため、食品から摂取する必要がある脂肪酸のこと)

オメガ3系脂肪酸は、血液中の中性脂肪を減少させたり、細胞の膜に対しての抗酸化作用、血栓予防、血圧低下作用などがあると言われています。

③ オメガ6系脂肪酸

オメガ6系脂肪酸で代表的なものはリノール酸で、血中のコレステロールの値を下げたり血圧を低下させる効果があると言われています。コーン油や大豆脂などに多く含まれ、必須脂肪酸の1つとされています。

・トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、植物脂に水素を加えて工業的に製造された脂肪と言われています。トランス脂肪酸は、善玉コレステロールを減らし悪玉コレステロールを増やすため、動脈硬化などのリスクが高くなります。トランス脂肪酸を多く含む食材は、マーガリンやショートニング、ファストフードやカップ麺、スナック菓子などです。

脂質の過剰摂取でおきる弊害

脂質の過剰摂取でおきる弊害

脂質は、エネルギー源としても体を構成する要素としても、また食事をおいしく食べるためにも欠かすことができない栄養素です。しかし、脂質の過剰摂取は様々な弊害をおこします。脂質は摂取しすぎて代謝されずに余ってしまうと中性脂肪として体の中に蓄えられ肥満となります。また、脂質異常症を引き起こし様々な病気の原因となります。

・肥満

肥満とは、単純に体重が多いということではなく体脂肪が過剰に蓄積された状態のことを言います。肥満度の判定にはBMIが用いられていますが、BMIだけでは筋肉質であるのか脂肪が多いのかが判断がつかないので、体脂肪率にも注目することが必要です。

また、脂肪が過多の状態であっても皮下脂肪が下半身に多くついてしまっている人よりも、内臓脂肪が多くついてしまっている人の方が健康の弊害が大きいとされています。内臓脂肪がついている方は、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を発症するリスクが高いと言われています。

・脂質異常症

脂質異常症は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)、善玉コレステロール(HDLコレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の値の異常によって指摘されます。この中でも、LDLコレステロールとトリグリセライドは、メタボリックシンドロームの診断基準に用いられています。これらの数値異常は、動脈硬化に関連しており非常に重要な値と言えます。

① 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)

LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割があります。LDLコレステロールの数値異常は、食事中の飽和脂肪酸の摂りすぎが原因と言われています。また飽和脂肪酸だけではなく鶏卵や魚卵に多く含まれているコレステロールそのものの過剰摂取もLDLコレステロールを高値にする原因となっています。

LDLコレステロールが血液中で増えすぎてしまうと、血管の壁に溜まってしまい酸化してしまいます。それが蓄積して血栓ができてしまいます。これらは動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因となり大変危険です。

② 善玉コレステロール(HDLコレステロール)

HDLコレステロールは、増えすぎてしまったコレステロールを回収したり、血管の壁にたまったコレステロールを肝臓へ戻す役割があります。HDLはよい働きをするのでたくさん摂ればよいかというと、そうではなくHDLコレステロールも過剰摂取は動脈硬化の進行の原因となってしまいます。

③ トリグリセライド(中性脂肪)

中性脂肪は、人の体を維持する上で重要なエネルギー源ですが、摂取しすぎると体脂肪として蓄えられて肥満となってしまいます。さらに血液中の中性脂肪が増えるとLDLコレステロールが小型化し血管の壁の中に入りやすくなり動脈硬化の進行を促してしまいます。他にも、内臓脂肪として蓄積されてしまうと、脂肪細胞がインスリンの働きの低下を引き起こし糖尿用の原因になったり、血管を収縮させて高血圧の原因となったりします。

中性脂肪は、肉や魚や食用油を摂取することで体に取り込まれます。また、脂質以外にも糖質を摂りすぎることでも増加してしまいます。

脂質の過少摂取の弊害

脂質の過少摂取の弊害

脂質は、体に蓄積して脂肪になったり脂質異常症になって様々な病気の原因となってしまうため、なるべく摂取しないようにしようと考える人もいるかもしれません。

しかし、脂質が不足してしまうと、エネルギー不足となってしまったり、脂溶性であるビタミンA・D・E・Kの吸収がされにくくなりビタミン不足になってしまいます。これらは、体の抵抗力が低下したり疲れやすくなったりするなどの弊害が生じます。他にも、ホルモンバランスの乱れや便秘、皮膚トラブルなど様々な体の不調の原因となってしまいます。

現代の食生活では、普通に食事を摂っていれば脂質が不足することはありませんが、過度なダイエットによる食事制限や、高齢の方で食事摂取量が極端に減ってしまっている方は注意が必要です。

脂質の過剰摂取を予防する食事法

脂質の過剰摂取を予防する食事法

脂質は過剰すぎても体によくないし、不足しすぎてもよくないことが分かりました。単純に脂質の摂取量を減らせばよいというわけではないので、脂質を適切に摂取するためには、食事を工夫する必要があります。

① 飽和脂肪酸を減らし不飽和脂肪酸を摂取する

脂質には、体によい作用をもたらすものと悪い作用をもたらすものがあります。体に悪い作用をもたらすのは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸、コレステロールです。これらを多く含む食材はなるべく控えるようにするとよいでしょう。そして、体によい作用をもたらすとされている不飽和脂肪酸を多く含む食材を意識して摂取するようにしましょう。

② 調理法を工夫する

また、食材だけではなく調理法にも工夫が必要です。調理をする際には、揚げたり炒めたりするのではなく、蒸したり煮たりする調理方法の方がよいでしょう。また、揚げたり炒めたりする際に使用する油は、オリーブ油やナタネ油などの植物性の油を使用するようにしましょう。お肉を調理する際には、事前に脂身や皮の部分を処理したり、先に湯通しをして余分な油分を取り除くようにしておきましょう。

さらに、市販されている惣菜やインスタント食品などには、多く脂質がふくまれていたり、市販のお菓子やクッキー、ケーキにはマーガリンやショートニングが多く使われてトランス脂肪酸を摂取しすぎてしまうことになります。食事は、なるべく自炊をするか、宅配弁当など手作りで過剰に脂質が含まれていない食事を選択することが大切です。

③ コレステロールが多く含まれる食材に注意する

乳製品やマヨネーズ、魚卵などの動物性の食品にはコレステロールが多く含まれており、これらは食べることにより直接コレステロールが取り込まれ血中濃度が上昇してしまうので、摂取のしすぎには注意しましょう。

④ 水溶性食物繊維を摂取する

意識していても、脂質は摂取しすぎてしまうことが多いので、コレステロールの吸収を抑え、外へ排出する作用がある水溶性の食物繊維を多く含む食品を意識的に摂取することもおすすめです。食物繊維は、野菜やきのこ、海藻類などに多く含まれているため、これらの食材を積極的に摂取するようにしましょう。

⑤ 抗酸化作用がある食材を摂取する

他にも、LDLコレステロールが酸化するのを予防する、抗酸化作用があるビタミンA・C・Eやポリフェノールなどを摂取することも大切です。抗酸化作用がある食材を摂取することでLDLコレステロールが酸化して血管の壁を傷つけるのを予防することができます。

ビタミンAとEは緑黄色野菜や魚、鶏肉などに多く含まれています。ビタミンAとEは脂溶性ビタミンですので、調理をする際には、植物性の油を使用して調理するとより効果的です。ビタミンCは野菜や柑橘系のくだもの、いちご、キウイフルーツ、じゃがいも、さつまいもなどに多く含まれます。ビタミンCは体の中に貯めておくことができず体の外にすぐに排出されてしまうので、毎食積極的に摂取するようにしましょう。ポリフェノールは、野菜や果物、ワインなどに多く含まれています。

まとめ

まとめ

脂質は、三大栄養素のうちの1つで、人が生きていく上で欠かすことができない栄養素です。しかし、脂質の過剰摂取は肥満や脂質異常症などを引き起こし、これらは心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などの重大な疾患の原因となります。では、脂質を全く摂取しなければよいかというとそうではなく、脂質が極端に不足してしまうと体の抵抗力が低下したりホルモンバランスが乱れてしまうなど、体の不調を招いてしまいます。

脂質は過剰に摂取しすぎても不足しすぎても、体に悪影響を及ぼすため摂取するためには工夫が必要となります。まず飽和脂肪酸の摂りすぎに注意し不飽和脂肪酸をなるべく摂取することが大切です。飽和脂肪酸は動物性の脂に、不飽和脂肪酸は植物性の脂に多く含まれています。また、脂質の摂取量に気を付けるだけではなく、コレステロールの排出を助ける水溶性食物繊維や抗酸化作用のある食材を積極的に摂取することや調理方法を工夫することで脂質の摂りすぎを予防することができます。

現代の食事は洋風化によって動物性の脂質を摂りすぎていたり、インスタント食品や甘いお菓子がたくさん販売されていて気付かないうちに脂質を摂りすぎていることがあります。まごころ弁当では、栄養バランスがしっかりととれた献立で、気になる脂質の摂りすぎを防ぐことができます。毎食様々な食材を摂取することができるため、脂質異常症の予防にも効果が期待できます。脂質の摂りすぎが気になる方や脂質異常症を指摘された方はぜひ1度お試しください。

この記事の作成者:T.O(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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