日焼けをしてしまったときの対処法|効果的な紫外線対策もご紹介
作成日:2020年9月3日
暑い夏は特に日差しが強く、マリンスポーツだけでなく少し外出しただけでもすぐに日焼けしてしまうこともあります。また、夏だけでなく紫外線は一年中ふりそそいでいるので、少し油断をすると日焼けをしてしまって後悔する人も多いのではないでしょうか。今回は、日焼けについてと、日焼けをしてしまったときの対処法について詳しく説明していきます。
目次
1. 日焼けとは
日焼けとは、紫外線によっておこる皮膚のやけど(サンバーン)と、その結果おこるメラニンの増加(サンタン)のことです。
紫外線は、その波長が長い方からUVA波、UVB波、UVC波に分けられます。波長が短いほど影響が強く、UVC波は殺菌に使用されるほどですが、UVC波は地球の周りを覆っているオゾン層に吸収されるため地表へは届きません。少量のUVB波と多量のUVA波が地上へと届いて私たちに影響を及ぼします。UVA波は、地表に届く紫外線の約9割とされ、雲やガラスも通り抜けて私たちの肌に影響を及ぼします。逆にUVB波は、ガラスなどを通り抜けることはできません。
紫外線は、波長が短いほど影響が強いのですが、波長が長いほど皮膚の奥深くまで入り込む性質をもっています。そのため、UVB波の方が日焼けを起こす力は強いのですが、UVA波の方が日光の中に多量に含まれる上に皮膚の奥深くまでダメージを与えるため、長年の蓄積によりしわやたるみの原因となってしまい、どちらも有害であると言えます。
夏に、アウトドアなどで日焼けしてしまうのは、主にUVB波によるものです。UVB波は、皮膚の中に入り込むと、皮膚の細胞にあるDNAに直接傷をつけて炎症を起こし、赤く腫れたり、傷ついて死んでしまった皮膚細胞が時間を経て剥がれ落ちてしまったりします。これをサンバーンと言い、軽度のやけどの状態と言えます。
また、この皮膚が傷ついて炎症がおこることにより、メラニン色素を作るメラノサイトという色素細胞が刺激されメラニンが大量に作られてしまいます。これをサンタンと言い、このメラニンの大量生成により皮膚の色が茶色く日焼けしてしまうのです。
2. 紫外線はすべて有害?
日焼けは、紫外線のUVA波とUVB波の影響で起こりますが、紫外線はすべて有害であるかというとそうではありません。紫外線は、体にとって良い面もあると言われています。
① ビタミンDの合成
紫外線は免疫力を上げるビタミンDを合成します。ビタミンDは腸に働きかけて腸内環境を整えて免疫力を高めたり、細胞の中の遺伝子の核に入り込んでがんを抑制したりする働きがあると言われています。
また、ビタミンDはカルシウムの吸収を促す効果があるとされています。カルシウムを積極的に摂取したとしてもビタミンDが不足しては、腸からのカルシウム吸収がされにくく骨に沈着しません。そのため、骨粗しょう症で悩む高齢の女性や成長期の子どもにはビタミンDは欠かせない栄養素と言えます。
② うつ病予防
紫外線を浴びることによって、βエンドルフィンというホルモンと、セロトニンというホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、ストレスを軽減させ心をリラックスさせる効果があるとされています。また、太陽の光を浴びることによって、脳が活性化し、体内時計がリセットされて生活リズムが整い、うつ病を予防することができるとされています。
③ 皮膚を強くする
紫外線には、皮膚の異常な免疫反応を抑制する作用があるとされており、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の症状を抑える効果があると言われています。
しかし、これらの利点は紫外線による悪い影響をしのぐほどではありません。
紫外線は、日焼けを起こすだけでなく、しみやしわの原因となったり、皮膚の腫瘍の原因となったりします。ビタミンDに関しては、メリットがたくさんありますが、あえて日光を浴びて合成しなくても、食物から摂取することができますし、日常生活を送る上で自然に浴びてしまっている紫外線によって賄うことができます。
そのため、紫外線は、すべてが有害というわけではなくメリットはありますが、そのメリットのために積極的に浴びる必要はないと言えます。
3. 紫外線に注意する時期や時間帯とは
紫外線は365日毎日地表へと届いていますが、その量は一定ではありません。紫外線量のピークはやはり春から夏にかけてとされています。特にUVB波は4月から増え始めて7月8月にピークを迎え、冬に向けて徐々に減っていきます。UVB波は夏の赤くなる日焼けの主な原因となるため、注意が必要です。UVA波も4月以降に増え始めて夏場にピークを迎えますが、UVB波と比べると冬にも多く降り注いでいます。そのため一年中紫外線への警戒が必要と言えます。
紫外線量は朝9時頃から増え始め12時前後頃にピークを迎えますが、日光が出ている間は常に紫外線は届いています。じりじりと日光が照りつけていなくても紫外線を浴びているという意識をもち、対策をすることが大切です。
また、曇りや雨の日でも、晴れの日ほどではなくても紫外線は地表に届いています。そのため天候に油断することなく紫外線対策をする必要があります。
4. 効果的な紫外線対策とは
① 日焼け止めを塗る
日焼け止めにはUVA波とUVB波を防ぐ成分が配合されており、こまめに塗ることで日焼けを予防することができます。
日焼け止めに表示されているSPFとは、短時間で肌にダメージを与えて炎症を起こすUVB波を防ぐ効果の程度を表しています。SPFの数値は、何も塗っていない場合に比べてUVB波による炎症をどの程度の時間防止することができるかを表しており、数字が大きい方がUVB波を防御する効果が高くなります。PAとは、UVA波を防ぐ効果の程度を表しています。+の数が多いほど効果が高いと言えます。
しかし、いくら効果の高い日焼け止めを使用したからと言って、朝に1度塗っただけでは日焼け止め効果は万全とは言えません。汗で落ちてしまったり、摩擦で効果が薄れてしまったりするため、汗をかいたり水にぬれたりするたびにこまめに塗りなおすことが大切です。
② 日焼け対策アイテムを使う
近年では、日焼け対策に帽子や日傘、アームカバーやネックカバー、サングラスなど様々なアイテムが売られています。これらのアイテムを積極的に活用して、そもそも日光を直接肌に当てないように工夫することも有効な紫外線対策です。
特に、マリンスポーツなどのアウトドアを楽しむ場合には、ラッシュガードを着用するなどして、紫外線によるサンバーンを予防して皮膚を守るようにしましょう。
5. 日焼けをしてしまったときの対処法
① 患部を冷やす
日焼けをしてしまったときには、患部を冷やすことが大切です。日焼けとは紫外線により肌が炎症をおこしている軽いやけどと同じ状態であるため、冷やして炎症を抑える必要があります。保冷材や冷たいタオルなどで優しく冷やしましょう。やけどと同じ状態であるため、ひりひりと痛んだり熱をもっているときには、摩擦をおこしたり熱いお風呂に入ったりするのはよくありません。赤みがおさまり熱が引くまでそっと冷やし続けましょう。
また、日焼けをしてしまってすぐに美白ケアをするために集中的に化粧水や美容液でケアを使用とすると、しみてしまったりかえって炎症を悪化させてしまう可能性があります。しっかりと、熱が引いて赤みがおさまってから美白ケアをするようにしましょう。
② 保湿をする
しっかりと冷やした後には十分な保湿をしてあげましょう。日焼けをすることによって、炎症がおこり水分が失われて肌が乾燥してしまいます。ただし、保湿のための化粧水などの保湿剤は、強くこすったり強くたたくようにつけたりせずに、やさしく手で押しあてるようになじませるようにしましょう。少しほてりが気になるときには、保湿剤を冷蔵庫で少し冷やしてからつけるのもおすすめです。
十分に炎症が落ち着いたら、化粧水や美容液などを美白成分が多く入っているものを選んでしっかりと美白ケアをするようにしましょう。
③ 患部を摩擦しない服装で過ごす
日焼けは皮膚が軽いやけどをおっている状態であるため、症状が悪化しないように患部を摩擦しないようにする必要があります。ゆったりとした服を着て、化学繊維があまり含まれていない綿を使用した衣類を着用するようにしましょう。
④ たっぷりと睡眠をとる
良質な睡眠をとることは、炎症を起こした皮膚を鎮める効果や、肌のターンオーバーを促し新しい肌への生まれ変わりを助ける効果があるとされています。日焼けをすることで体力も奪われているため、たっぷりと睡眠時間を確保するようにしましょう。
⑤ 肌によいものを摂取する
肌の外側からのケアも大切ですが、身体の内側からのケアが非常に大切になります。日焼けをしてしまった後は、まずは水分をたっぷりと摂取するようにしましょう。日焼けによって炎症を起こしてしまった肌は乾燥しやすいため、水分をたくさん摂取して潤いを保つようにしましょう。
また、抗酸化作用があり、メラニンの生成を抑制しシミやそばかすを防ぐ効果があるとされているビタミンCを含んだ食品を積極的に摂取しましょう。ビタミンCは水溶性のビタミンで、たくさん摂取したとしても余分なものは身体の外へと排出されるため、摂取のし過ぎで身体に不都合がおこることはないとされています。逆に言えば、一度に大量に摂取したとしても、身体に蓄積されるわけではないため、一度に大量に摂取するのではなく3食こまめにビタミンCを含む食品を摂取するようにしましょう。
ビタミンCは柑橘類やいちごなどの果物、緑黄色野菜などに多く含まれています。
他にも、ビタミンAやビタミンEにも美肌効果や代謝を促す効果があるとされています。ビタミンAには、抗酸化作用や肌の乾燥予防だけでなく、免疫力を高める効果もあるため、日焼け後の疲れた体にぴったりの栄養素と言えます。
ビタミンAはうなぎやレバー、緑黄色野菜などに多く含まれています。
ビタミンEは、抗酸化作用が高く、ビタミンCと同時に摂取することでその効果が高まるとされています。ビタミンEはアボカドやアーモンドなどのナッツ類に多く含まれています。
トマトなどに多く含まれているリコピンには日光への耐性を高める効果があるとされています。紫外線をあびたときにできる活性酵素の働きを抑えることや、メラニンの生成を抑えることが期待されています。リコピンはトマトの他に赤いパプリカやスイカなどの赤い食べ物に多く含まれているので積極的に摂取するようにしましょう。
6. まとめ
一年中、私たちに降り注いでいる紫外線ですが、私たちに大きな影響を及ぼしているのはUVA波とUVB波です。UVA波は肌へのダメージはUVB波より少ないですが、皮膚の深くまで届いて長期間にわたって皮膚へ深刻なダメージを招きます。
また、冬でも曇りの日でも室内にいても皮膚へ届いて影響を及ぼすので、朝から夕方遅くまで油断せずに日焼け対策が必要と言えます。UVB波は春から夏に向けて量が増え、肌の表面に大きなダメージを与えます。夏場などに外で日光をあびて赤く日焼けしてしまうのはUVB波によるものです。これらの紫外線は浴びることでのメリットもありますが、デメリットの方が大きいので紫外線対策が必要です。
しかし、しっかりと紫外線対策をしたつもりになっていても、対策が不十分であったり少し気を抜いてしまったりすると、肌は知らないうちに紫外線によるダメージを受けてしまっています。日焼けをしてしまったときには、まずは患部を冷やすことが大切です。日焼けは、軽いやけどの状態であるため、皮膚のほてりや赤みがおさまるまではしっかりと冷やすようにしましょう。皮膚のほてりがとれてきたら、日焼けによって乾燥してしまった肌を十分に保湿するようにしましょう。
そして外側からのケアだけではなく、内側からもケアすることを心がけましょう。日焼けをしてしまったときには、ビタミンC、A、Eやリコピンを積極的に摂取すと良いでしょう。これらの栄養素は単体で摂取するよりも、様々な栄養素とバランスよく摂取することが大切です。
バランスのよい食事は、心がけていてもなかなか続けることは難しいものです。まごころ弁当では、日替わりで栄養バランスの取れた食事を配達することができます。夏に日焼けしてしまった肌を助けるために、外側から美白ケアをすると同時にまごころ弁当でバランスの良い食事を摂取して、内側からもケアをしていきましょう。