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「量」より「質」が大事!シニア世代の食事について

作成日:2020年9月3日

「量」より「質」が大事!シニア世代の食事について

シニア世代になると噛む力が弱くなってきたり、運動量の減少などから食べる量がだんだんと減ってきます。いつまでも健康で長生きするためには、栄養バランスのとれた食事を継続することが大切です。シニア世代が気をつけたい食事のポイントについてご紹介します。

◆シニア世代は低栄養に注意

シニア世代になると、噛む力や飲み込む力が弱くなってきたり、内臓機能の低下、活動量の減少などによりだんだんと食べる量が減ってきます。食事量が減少すると気が付かないうちに低栄養に陥ってしまうことがあります。低栄養とは体を動かすためのエネルギーや筋肉、内臓を作るたんぱく質が不足した状態のことです。低栄養になると、筋力の低下により骨折や寝たきりのリスクが高くなったり、免疫力の低下によって感染症にかかりやすくなるなどのリスクがあります。

一人暮らしで調理が難しい方や噛む力や飲み込む力が衰えてきた方は、麺類やパンなど簡単なもので食事を済ませてしまうことも。偏った食事を続けていると栄養バランスが偏ってしまい低栄養の原因になります。

◆「量」より「質」が大切な理由

「量」より「質」が大切な理由

75歳以上の男性で活動量が少ない方の場合、1日の推定エネルギー必要量は1800㎉です。食べやすいご飯や麺類をメインに食べて必用なカロリーを摂取した方と、ご飯、主菜、副菜とバランスよく食べて同じカロリーを摂取した方では栄養の質が全く違います。私たちの体は、主に炭水化物と脂質から体のエネルギーを作り、たんぱく質や脂質、ミネラルで筋肉や内臓、骨などを作っています。そして体の働きを調整するビタミンやミネラルも必要不可欠です。栄養バランスが偏ってしまうとこれらの働きが悪くなり、体に不調が現れる原因にもなります。

高齢になると、噛む力の衰えやコレステロールを気にして動物性たんぱく質を控える方が多くなります。もちろん大豆などの植物性たんぱく質も栄養価の高い食材ですが、動物性のたんぱく質とは質が異なります。シニア世代になっても体を作るもとになるたんぱく質はしっかりと摂取することが大切です。動物性たんぱく質には筋肉や内臓を作る良質なたんぱく質が豊富に含まれているので、不足すると骨や筋肉量が減少し、骨粗しょう症の原因にもなります。

炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが重要です。特にシニア世代の方は食べられる量も減ってくるので、無理なく食べられる範囲の中で栄養バランスの整った食事をとることが大切!健康維持と食事の栄養バランスは切っても切れない関係です。

◆何をどのくらい食べればいい?

・炭水化物

1日に必要な炭水化物の量は性別や年齢、活動量などによっても変わります。炭水化物の摂取目標量は、男女ともに1日に必要なエネルギー量の50~65%と言われています。
75歳以上の男性で1日に必要なエネルギーが1800㎉の場合は、ご飯だけだと1日に茶碗約4~5杯の炭水化物が必用です。

75歳以上の女性で1日に必要なエネルギーが1400㎉の場合は、ご飯だけだと1日に茶碗約3~4杯の炭水化物が必用になります。その日の献立に合わせて、朝食はパン、昼食に麺類、夕食にご飯と組み合わせるとバラエティー豊かな食事になります。

・たんぱく質

成人に必要なたんぱく質の摂取推奨量は男性で60~65g、女性で50g。
成人はどの年代でもそれほど変わりはありません。体を作るもとになる栄養素なので、どの年代でも必要量をしっかりととることが健康維持には大切です。肉、魚、大豆製品、卵などからまんべんなく摂取することもポイントです。

・野菜

ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な野菜は、1日350g以上摂取することが目安です。緑黄色野菜で120g以上、それ以外の野菜で230g以上とる必要があると言われています。野菜に多く含まれているビタミンは糖質や脂質、たんぱく質のエネルギー代謝に欠かせない栄養素です。

◆献立作りは定食スタイルを意識しよう

献立作りは定食スタイルを意識しよう

バランスのいい献立を作るポイントは、定食スタイルで考えることです。主食、主菜、副菜、汁物をそろえると自然とバランスのとれた献立になります。

・主食

ご飯やパン、麺類など。体のエネルギー源となります。主成分は糖質なので、食事の最初に食べると血糖値が急激に上がる原因になります。野菜や汁物を食べてから、主菜、主食の順番で食べることで、血糖値の上昇が緩やかになり肥満防止にも効果的です。

・主菜

肉や魚、大豆製品、卵などからまんべんなくとることがポイントです。良質なたんぱく質は筋肉や内臓、ホルモンを作るもとになります。シニア世代は脂の多い肉はさけて赤身肉を選ぶとヘルシーです。薄切りの肉を使用する、ひき肉を使用するなどすると食べやすくなります。青背魚には血液をサラサラにしたり認知症の予防改善効果があるDHAやEPAが豊富に含まれているので、積極的に食事に取り入れましょう。

・副菜

副菜にはビタミンやミネラルの供給源となる野菜やきのこ類、海藻、いも類などを使用したおかずを1~2品用意しましょう。加熱してかさを減らすなど食べやすくする工夫をし、たっぷりと野菜をとりましょう。高齢になると繊維の多い野菜が食べにくくなります。小さく切る、繊維を断ち切るように切る、十分にやわらかくなるまで加熱するなどすると食べやすくなります。

・汁物

おみそ汁やスープ、すまし汁など。主菜や副菜に野菜が少ないときは汁ものに野菜をたっぷりと加えると手軽に野菜の量を増やすことができます。

◆必要な栄養を上手にとるコツ

必要な栄養を上手にとるコツ

・適度な運動を取り入れて食欲増進

シニア世代になると運動量が減ることにより、お腹が空かずしっかりと食事をとれないことも。ウォーキングや軽い運動などを無理のない範囲で取り入れることで、食欲アップが期待できます。適度な運動は、足腰の筋肉の強化や骨粗しょう症の予防になり、ロコモティブシンドローム予防にも効果的です。

・食べやすく調理する

食材は食べやすいようにひと口大に切りましょう。野菜は噛みやすいように通常よりもやわらかくゆでることもポイントです。また、飲み込みむ力が衰えてきた方には、料理にとろみをつけると食べやすくなります。

・間食も上手に活用しよう

シニア世代になると1回の食事量が減り、十分に栄養がとれないことがあります。そんな時は間食も上手に活用しましょう。たんぱく質やカルシウムが豊富なヨーグルトやチーズ、ビタミンやミネラルが豊富なフルーツをおやつに取り入れることで栄養バランスがアップします。たまごプリンやフルーツゼリーなどもおすすめです。体調や好みに合わせて取り入れてみてください。

・よく噛んでゆっくり食べる

よく噛むことで消化がよくなり、胃腸の負担を減らすことができます。さらに、よく噛むことで誤嚥防止にもつながります。ひと口20~30回程度を目標にゆっくりと噛んで食べることを心がけましょう。

◆栄養バランスが整った宅配弁当も活用しよう

心身ともに健康な生活を送るためにはやはり栄養バランスの整った食事はとても大切です。美味しく食事を食べられることはシニア世代の方にとって毎日の楽しみでもあります。バランスがとれた食事が大切だとわかっていても、高齢者の一人暮らしや家族の仕事が忙しいなど、バランスを考えて何品も作るのが難しい時もありますよね。

そんな時には、宅配弁当を活用するのもおすすめです。まごころ弁当のお弁当は高齢者の方向けに栄養バランスや食べやすさにこだわって作られたお弁当です。栄養士がメニューを考えているので、栄養バランスもバッチリ!さらに、健康状態に合わせて選べる様々な種類があります。普通食のお弁当はもちろん、カロリー制限をしている方向けのお弁当やたんぱく質を制限している方向けのお弁当、咀嚼が難しくなってきた方向けのムース食のお弁当など種類が豊富!前日までに注文すれば自宅に届けてくれるので、予定に合わせて注文が可能です。お弁当の内容は日替わりなので、続けて注文しても飽きないですよ。「おかずのみ」や「おかずとごはんセット」も選べるので、ごはんは自宅で炊くので、おかずだけ欲しいといった注文方法も可能です。

健康的な生活を送るためには栄養バランスの整った食事を継続することが大切です。食事を作るのが大変だなと思う時は宅配のお弁当も上手に活用して健康的な食生活を目指しましょう。
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この記事の作成者:松井 さゆり(フードコーディネーター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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