そばかす・しみ・肝斑|肌トラブルの予防
作成日:2021年4月19日
10代の頃は気にならなかったのに、だんだんと年齢を重ねるにつれてしみやそばかす、肝斑などの皮膚のトラブルに悩むようになる方が多くなります。なぜしみやそばかす、肝斑はできてしまうのでしょうか。今回は原因や予防法について詳しく説明していきます。
目次
そばかす・しみ・肝斑とは
1) しみとは
しみとは、皮膚の中で作られるメラニンと言う色素が沈着したものの総称です。私たちの皮膚の表面は、表面細胞のケラチノサイトと色素細胞のメラノサイトからできています。メラニンは悪者のイメージがありますが、実は肌をダメージから守るために作られます。外線を浴びると、メラノサイトでメラニンが形成され肌の細胞を紫外線から守ろうとします。
私たちの肌は、通常28日周期で新しい皮膚に生まれ変わります。これはターンオーバーと呼ばれるもので、肌の1番奥にある基底層と呼ばれる層で新しい皮膚が作られて、徐々に肌表面へと押しあがってきて、1番表面にある皮膚が垢として剥がれ落ち、新しい皮膚が表面にきます。
このターンオーバーによって、メラニンは蓄積せずに身体の外へと排出されるはずなのですが、何らかの原因によってターンオーバーがうまくいかなくなったり、紫外線を浴びすぎてメラニン色素が過剰に形成されることによって、完全には排出されずに蓄積されてしまい、それがしみになってしまいます。
私たちが普段しみと呼んでいるものは、日光黒子(にっこうほくろ)や老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)と呼ばれるもので、30歳ごろからでき始めて、年齢を重ねるほどできやすくなります。薄い茶色から濃い茶色のもので、数ミリの小さいものから数センチの大きいものまで、さまざまなしみができます。
2) そばかすとは
そばかすはしみと同様に紫外線で増悪しますが、その原因は遺伝とされています。しみとの大きな違いは、茶色の1つ数ミリ程度の小さな斑点が主に頬のあたりに多く散在するという特徴があります。また、そばかすは加齢に伴うものではなく、思春期に多くできやすく、色黒の人よりも色白の人に多くみられます。
3) 肝斑とは
肝斑とは、顔の頬骨のあたりに左右対称にできるしみのことで、はっきりとした境界がないのが特徴です。30代や40代の女性に多く、高齢者にはあまり見られません。肝斑は、女性ホルモンの乱れが原因であることも指摘されています。
そばかす・しみ・肝斑の治療
しみやそばかす、肝斑を改善させるためには、自宅でのケアや医療機関での治療があります。
1) 自宅でケアする場合
自宅でケアをする場合には、まず食生活から改善しましょう。ビタミンA・C・Eを多く含む食材は、肌のターンオーバーを促して、メラニンの排出を手助けしてくれると言われています。ビタミンAはにんじんやブロッコリー、小松菜などに多く含まれています。ビタミンCは、トマトやいちご、かんきつ類などに多く含まれています。ビタミンEは、アーモンドなどのナッツ類やかぼちゃなどに多く含まれています。
また、正しいスキンケアを行って肌のターンオーバーを正常にして、肌の内部に溜まったメラニンの排出を促すことも重要です。正しいスキンケアとして、まずは優しく洗顔をすることが大切です。洗顔をするときにごしごしとこすりすぎたり、すすぎ残しがあったりすると、かえって肌を傷つけてしまいターンオーバーが乱れてしまいます。また、肌をこすることによって、しわやたるみ、色素沈着の原因にもなります。洗顔をするときには、たっぷりの泡でこすらずに押し当てるようにして優しく汚れを落とすようにしましょう。
そして、洗顔後は、十分な保湿ケアを行いましょう。スキンケア用品としては、強い美白作用のあるハイドロキノンや、ビタミンCであるトラネキサム酸などの有効成分が配合されたものを使用するとよいでしょう。しかし、ハイドロキノンやビタミンCは、皮膚の弱い方には刺激が強すぎる場合もあるので使用する際には注意しましょう。
他にも、十分な睡眠をとったり、ストレスをためすぎないようにするのも、肌のターンオーバーを正常に保つためには大切です。肌のターンオーバーは、脳から出される成長ホルモンによって促されます。成長ホルモンは入眠してから3時間ほどで分泌量がピークを迎えます。さらにターンオーバーが活発に行われるのは、22時から深夜2時までと言われているため、成長ホルモンの分泌とターンオーバーが活発な時間を合わせるためには夜更かしは禁物です。
また、過度なストレスは自律神経やホルモンバランスが乱れて血流が悪くなったり、肌のバリア機能が低下したりしてターンオーバーが正常に行われなくなります。ストレス発散のために、適度な運動やリラックスできるようにゆっくりと入浴したりするなどの工夫をしましょう。
2) クリニックで治療をする場合
自宅でできるケアは、効果は個人差があり、しっかりとした効果を実感したいのであれば、美容皮膚科を受診するようにしましょう。美容皮膚科では、ビタミン剤の内服や点滴を行ったり、光治療やレーザー治療を行うことでしみなどを改善させていきます。その人の症状に合った治療を選択でき、手早く効果を実感することができますが、反面保険診療ではないため治療に費用がかかることもあります。
そばかす・しみ・肝斑の予防
しみやそばかす、肝斑は1度できると自宅でのケアだけではなかなかきれいに治すことができなかったり、美容皮膚科を受診すると費用がかかってしまったりするため、しっかりと予防していくことが重要になります。
1) 紫外線対策
しみやそばかす、肝斑が増悪する原因として、共通して紫外線が挙げられます。紫外線は、1年中地上に降り注いでいるため1年を通して紫外線対策が必要になります。
紫外線には、紫外線A波とB波があり、紫外線A波はガラスなどもすり抜けて真皮まで到達して肌にダメージを与え、しみだけでなくしわやたるみの原因にもなります。紫外線A波は、一気に肌を黒くするのではなく、曇りの日や室内にいてもじわじわと肌に影響を与えるため注意が必要です。紫外線B波は、表皮までしか到達しませんが、紫外線の強い時期に浴びるとやけどのように肌を炎症させ、肌表面のバリア機能を破壊してしみだけではなく乾燥の原因にもなります。
紫外線対策として有名なのは、日焼け止めを塗ることです。紫外線A波をカットする指標としてPAが用いられ、「+」の数が多いほどより強く紫外線A波をカットしてくれます。紫外線B波をカットする指標はSPFが用いられ、数値が大きいほどより強く紫外線B波をカットしてくれます。日焼け止めは、朝1度塗ったからその日1日大丈夫ということではなく、汗などで自然と取れて効果が減少してしまうことがあるので、数時間おきに塗り直す必要があります。
日焼け止め以外にも、サングラスや帽子、日傘などの日焼け対策グッズを活用することも大切です。ただし、地面からの照り返しでも肌にダメージを受けるため、日焼け対策グッズを使用しているから日焼け止めを塗らなくてもよいということではなく、日焼け止めを塗った上でグッズを使用するとより高い紫外線対策効果を得られるということを理解しておきましょう。
2) 肌のターンオーバーを正常化する
万が一、紫外線対策が上手くできずに過剰にメラニンが生成されてしまったとしても、肌のターンオーバーが正常であれば垢として排出されていきます。しかし、さまざまな要因によってターンオーバーが遅れるとメラニンが排出しきれずに残ってしまい蓄積してしみになってしまいます。
肌のターンオーバーが遅れる原因としては、ダイエットや偏食による栄養不足や、睡眠不足、生活習慣の乱れ、肌の乾燥や毛穴汚れなどが考えられます。
肌はたんぱく質からできているため、たんぱく質をしっかりと摂取することは非常に重要です。また、前述したビタミンA、C、Eや、ビタミンB2(レバーやうなぎ、納豆などに多く含まれている栄養素)などを積極的に摂取するようにしましょう。これらの栄養素に偏って摂取すればよいということではなく、ビタミン類を多く含む食材を意識的に摂取しつつ、バランスの取れた食事をするように心がけるとよいでしょう。
特に、ビタミンCは過剰に摂取しても、過剰になった分は蓄積しておくことができずに身体の外へ排出されてしまうので、1度にたくさん摂取するのではなく、こまめに他の食材と一緒にバランスよく摂取するようにしましょう。さらには、ビタミンは水溶性のものが多いため、調理方法には注意が必要です。ゆでこぼしてしまったり、水に長時間さらしてしまうと、せっかくの栄養素が流れ出てしまうので、水にさらす時間を短くしたり、茹でるのではなく蒸したり焼いたり、スープとして全て摂取するようにするなどの工夫をするとよいでしょう。
また、身体の水分不足は肌の乾燥につながるため、水分はしっかりと摂取するようにしましょう。
喫煙や飲酒は肌荒れの原因になることもあるので、できるだけ控えるようにしましょう。そして、適度な運動をすることによって血流を促すことができ肌の調子を整えることができます。
3) 紫外線を浴びてしまった後は特にしっかりとスキンケアをする
日焼けには、2種類あって、1つはサンバーンと呼ばれる紫外線を浴びて数時間後に赤くなる現象です。これは紫外線B波によるもので、紫外線を浴びてから24時間程度たつと徐々に消失していきます。もう1つは、サンタンと呼ばれる皮膚が黒くなる現象のことで、赤く炎症が起こった3日~10日がピークとなり、その人の体質などによって何年も持続することもあります。
一般的に紫外線を浴びてからメラニンが定着するまでに3日程度かかると言われています。そのため、紫外線を浴びてからサンタンが起こるまでの3日間にきちんとした美白ケアを行う必要があります。紫外線を浴びてサンバーンの状態になったときには、まず冷やして炎症を抑えるようにしましょう。この時に、無理に美白化粧品などを使うと、肌に刺激が起こってしまい逆効果になってしまうこともあります。
サンバーンの状態のときには、刺激の少ない保湿性の高い基礎化粧品を使用して肌のケアを行いましょう。その後、炎症が落ち着いたら、美白化粧品を使用して肌が黒くなるのを予防していきましょう。
美白化粧品にも様々な種類があるため、どれを選んだらよいか難しいかもしれませんが、1つの目安として「医薬部外品」と記載されているものを選んだらよいでしょう。医薬部外品とは、病院で処方される医薬品ほどの高い効果はありませんが、厚生労働省が承認している美白成分が規定量含まれているという目安になります。化粧品に含まれている成分は、どのような美白有効成分なのかを確認してから使用するとよいでしょう。
肌トラブルに関するまとめ
女性は、加齢と共にさまざまな肌トラブルに悩まされることが多いです。特に気になるのはしみです。しみには、老人性色素斑やそばかす、肝斑があります。それぞれ原因は異なりますが、共通している増悪要因は紫外線です。そのため、しみを予防するためにはまず紫外線対策を1年を通してしっかりと行うことが大切です。
また、紫外線対策だけではなく、日常的なスキンケアや十分な睡眠、適度な運動、禁酒禁煙などの生活習慣の改善もしみ予防には大切です。
さらに身体の外側からのケアだけではなく、身体の内側からのケアも重要です。しみ予防のためには、ビタミン類を積極的に摂取することが大切です。しかし、ただビタミンを摂取すればよいというわけではなく、さまざまな栄養素をバランスよく摂取する必要があります。
まごころ弁当では、さまざまな食材を使って日替わりの献立でバランスのとれた食事を毎日宅配でお届けすることができます。健康的な肌づくりをしたいと思っていても、つい多忙で食事内容に偏りが出てしまう方には非常におすすめです。1日1食でも2食でも、栄養バランスの取れた食事を摂取することで、肌の調子を整えてターンオーバーを正常にする手助けをすることができます。
しみは1度できるとなかなか自宅でのケアでは、完全に消すことは難しくなります。そのため、予防が非常に重要です。しみ予防としてまごころ弁当を活用して、栄養をしっかりと取って健康的な肌を目指してみませんか。