食中毒の予防法とは?お弁当にも要注意!
作成日:2021年7月19日
前回、食中毒の原因についてご紹介しました。食中毒の原因は様々であり、夏場だけでなく1年を通して発生する可能性があります。今回は食中毒の具体的な予防策や、お弁当の食中毒予防について解説していきます!
食中毒予防の3原則
(1)細菌やウイルスを「つけない」
・こまめな手洗い
細菌やウイルスを食品につけないためには、調理前や食べる前などに手をきちんと洗うことが大切です。手を洗うタイミングは他にも、生の肉や魚、卵を取り扱う前後、鼻をかんだ後、動物に触れた後、食べ終わった後残った食品を扱う前など、菌やウイルスを媒介して食品につけてしまわないよう、食品に触れる前後には手を洗う習慣をつけましょう。普通に手を洗うだけでは爪の間や手首などに菌やウイルスが残りやすいため、正しい手洗いを習得する必要があります。
<正しい手洗いの方法>
時計や指輪は外して行います。
①流水で手を濡らし、石鹸をつけて手の平をよく擦る
②片方の手の甲と反対の手の平を合わせ、手の甲を擦る(左右入れ替え)
③片方の指先をすぼめ、反対の手の平の上に円を描くように擦りつけ、指先と爪の間を入念に洗う(左右入れ替え)
④両手の平を合わせて指の間を洗う
⑤片方の親指を反対の手で包み、ねじりながら洗う(左右入れ替え)
⑥片方の手首を反対の手で包み、ねじりながた洗う(左右入れ替え)
⑦流水で十分に流し、清潔なタオル等で拭き取る
・包丁、まな板は加熱しないで食べるものを先にする
生の肉や魚などを切ったまな板や包丁などの器具から加熱せずに食べる野菜などにうつる可能性があるためです。また、先に鶏肉を切ったまな板を洗った時に飛び散った水しぶきが調理器具や加熱せずに食べる野菜などに付着して食中毒事故が発生したこともありました。生の肉や魚を扱う時は、水しぶきやドリップが他のものに付着する可能性があることを考慮する必要があります。
・野菜は流水で十分洗ってから使う
野菜を洗う時は流水で表面の汚れを落としてから、土や汚れの残りやすい細かな部分を洗います。根菜類は窪みに土や菌が溜まりやすいため、たわしやブラシを使って1つずつ丁寧に洗いましょう。もやしも古くなると雑菌が繁殖しやすくなるため、必ず洗って使いましょう。
・肉や魚を焼くときはトング(箸)を使い分ける
菌やウイルスの付着を防ぐため、調理中は生ものを掴むトングと焼けたものを掴むトングは別のものにする必要があります。
(2)細菌やウイルスを増やさない
・肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品は最後に買い、購入後はすぐに低温で保存する
細菌の多くは温度が上昇すると増殖するため、生鮮食品等は最後に買いましょう。生鮮食品や、お惣菜などは買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れ、低温で保存することで増殖が停止します。冷蔵庫の中でも細菌はゆっくりと増殖するため、早めに食べるようにしましょう。
・新鮮な食品を選ぶ
賞味期限や消費期限に注意し、なるべく新鮮なものを選ぶようにしましょう。
※賞味期限とは、開封せずに保存方法を守った状態で書かれた期日まで「品質が変わらずに美味しく食べられる期限」のことで、消費期限とは開封せずに保存方法を守った状態で書かれた期日まで「安全に食べられる期限」のことです。賞味期限は比較的傷みにくい食品に、消費期限は傷みやすい食品に表示されています。どちらも開封した場合には期限に関係なく早めに食べる必要があります。
・生鮮食品はポリ袋に入れる
生鮮食品をポリ袋に入れることで、他の食品にドリップが付着することを防ぎます。冷凍庫や冷蔵庫にしまう時も袋や容器に入れて他の食品と接触しないようにしましょう。
・冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ
一般的な家庭用の冷蔵庫と冷凍庫はJIS規格により冷蔵庫は0~10℃、冷凍庫は-12℃以下に設定するよう定められています。冷蔵庫や冷凍庫に物を詰めすぎると冷気の循環が悪くなり、温度が保てなくなるため注意しましょう。また、冷蔵庫の上に物を置いたり、温かいまま冷蔵庫に入れるのも冷蔵庫内の温度が上昇する原因となります。
温かいものの冷却は素早く行わないと菌が増殖します。鍋が入る大きさのボウルに水を張ったり、保冷剤を使うことで冷蔵庫を使わずに素早く冷却することができます。
・冷凍食品は電子レンジや冷凍庫で解凍する
自然解凍では菌が繁殖する可能性があります。また、解凍の際は使う分だけとし、冷凍や解凍を繰り返さないようにしましょう。
・調理済み食品は2時間以上常温のまま置いておかない
ほとんどの食中毒菌は5℃~60℃で増殖するため、手を洗ってから清潔な容器に入れて冷蔵庫や冷凍庫に入れて菌の増殖を止めることが大切です。
(3)細菌やウイルスをやっつける
・十分に加熱する
ほとんどの細菌やウイルスは加熱に弱いため、調理の際や温め直す際には中心までよく加熱するようにしましょう。中心部が75℃(ノロウイルス汚染のある貝類などの食品は85℃以上)に到達してから1分以上の加熱が必要であるため、料理用温度計を活用すると確実です。カレーや汁物は1分以上沸騰して殺菌します。
食中毒予防策~お弁当編~
お弁当は常温で持ち歩くため暖かい季節は食中毒の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。お弁当で食中毒を起こさないよう予防策を知っておきましょう。
・清潔なお弁当箱、小分けカップを使う
ゴムパッキンの部分に菌が潜んでいるため分解してすみずみまで綺麗にしたものを使いましょう。お酢には殺菌作用があるため、キッチンペーパーなどに少量取り、お弁当の容器を拭いておくとお弁当が傷みにくくなります。小分けにするためにシリコンカップを使うのは経済的ですが、食中毒予防には使い捨てカップの方が衛生的です。
・食べる日の朝に用意する
前日のうちにお弁当に詰めてしまうと、おかずから水分が出て傷みやすくなります。ご飯も前日から保温しているものは傷みやすいため、面倒でも当日炊きあがったものをお弁当に詰めるようにしましょう。
・ご飯は酢を入れて炊く
黄色ブドウ球菌は酸に弱いため、お酢を入れることで菌の増殖を抑制します。お米2合に対しお酢は大さじ1杯入れましょう。
・おにぎりはラップに包んで握る
手の菌がうつるのを防ぐため直接触れないようにすることが大切です。
・おかずが熱いうちに詰めない
食品を早く冷ますことで菌の増殖を防ぐため、熱いうちに詰めてしまうと温度が下がりにくくなります。
・おかずの汁気はよくきる
水分があると菌が繁殖しやすくなるため、おかずの汁気はよくきりましょう。おかずの下に鰹節やごま、お麩を置いておくと水分を吸収してくれます。また、炒め物や煮物は片栗粉を入れてとろみをつけると保存性が高まります。
・殺菌作用のある食材を活用する
お酢、漬物、梅干しのほか、しそやしょうが、パセリなどの香味野菜やカレー粉などのスパイスには殺菌作用があり、おかずが傷みにくくなります。
・食材は必ず火を通す
ちくわやハム、ソーセージ、かまぼこ、チーズなどは非加熱のまま食べられますが、菌が繁殖するのを防ぐため火を通してから入れるようにしましょう。生野菜やフルーツなども危険です。持っていきたい場合にはおかずとは別の容器に入れることをおすすめします。マヨネーズは生卵を使用しているため、お弁当には入れないように注意しましょう。
・抗菌シートを使う
市販の抗菌シートは食品の上に被せておくだけで菌の増殖を防ぐ優れものです。
・保冷剤と一緒に持ち運ぶようにする
保冷剤は2つ用意し、お弁当の上下に置きます。保冷バッグがあると尚良いでしょう。
食中毒予防のまとめ
食中毒予防の3原則は「つけない」「増やさない」「やっつける」です。手洗いを徹底し、食品の衛生管理を見直して食中毒から自分や家族を守りましょう。また、食中毒予防には免疫力が必要となります。免疫力を高めるためには規則正しい生活や、栄養バランスの良い食事が重要です。
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