味噌汁の健康効果とは?夏のおすすめレシピ
作成日:2021年7月25日
日本の食卓に欠かせない、味噌汁。普段何気なく飲んでいるかもしれませんが、実は優れた栄養食なのです。しかも、味噌汁には病気の予防やアンチエイジング効果など体に嬉しい健康効果があることがわかっています。ここでは味噌汁の健康効果について解説します!
味噌汁の健康効果とは?
味噌汁は鎌倉時代に粒味噌をすり潰したところ水に溶けやすかったことから作られるようになり、「一汁一菜」という武士の食事の基本が確立されたと言われています。味噌汁が庶民の食卓に登場するようになったのは室町時代であり、700年も昔から日本人に欠かせない栄養源として受け継がれてきました。
味噌汁を飲む頻度について尋ねた調査では、味噌汁を毎日飲むと答えた人が24%、週に4~6回と答えた人が23%と約半数を占め、全く飲まない人や月1回以下である人は少数派でした。味噌汁を毎日飲む人は年代が上がるとともに増える傾向にあり、7割以上が味噌汁を手作りして飲んでいることがわかりました。
このように日本人の食卓に当たり前にある味噌汁ですが、実は世界に誇れるスーパーフードであることをご存じでしたか?味噌の原料である大豆は、たんぱく質やビタミン、食物繊維など豊富な栄養素を備えていますが、発酵することでアミノ酸が作り出され、さらに栄養価が高くなるのです。味噌汁には様々な病気の発症を抑制する効果があることが研究で明らかにされています。
味噌汁の健康効果
・胃がん予防
味噌汁を飲む人と飲まない人の死亡率には明らかに差があり、味噌汁を飲む頻度が高くなるほど胃がんの死亡率が低くなることが分かっています。特に男性では全く飲まない人は毎日飲む人に比べて死亡率が1.5倍も高くなったそうです。
・乳がん予防
乳がんと味噌汁の摂取量の関係についての調査の結果、乳がんの発生率は「味噌汁を1日1杯以下」の人よりも、「1日2杯」の人で26%、「1日3杯以上」の人では40%も減少しており、「味噌汁の摂取が多いほど乳がんになりにくい」ということが明らかにされています。
・生活習慣病予防
大豆に含まれるレシチンやリノール酸、サポニンなどの成分が悪玉コレステロールを低下させ、高血圧や動脈硬化の予防、中性脂肪の蓄積を抑制する効果などがあります。
・美白効果
大豆に含まれるリノール酸がメラニンの産生を抑え、しみを薄くする効果があることが分かっています。研究では1日2杯の味噌汁で頬のしみの数が減少した、ということです。
・老化のスピードを抑える
大豆のビタミンEやサポニン、味噌が発酵する過程で作られるメラノイジンには強い抗酸化作用があり、体内の酸化を防止する作用があります。
・骨粗しょう症予防
大豆イソフラボンには骨粗しょう症の原因となる骨吸収(古くなった骨のカルシウムやコラーゲンが分解・吸収され古い骨が壊されること)を抑える作用があります。
・自律神経のバランスを改善
大豆に含まれる「GABA」は脳の興奮を抑える神経伝達物質であり、ストレスの軽減やリラックス効果があります。
・腸内環境を改善
味噌には乳酸菌が豊富に含まれており、加熱によって死んだ菌でも善玉菌のエサとなるため腸内の善玉菌の数を増やし、腸内環境を改善させる効果があります。また、味噌の原料となる大豆と麹には食物繊維が多く含まれており、食物繊維も善玉菌を増やす働きをします。
味噌汁の塩分は気にしなくていいの?
味噌汁1杯に含まれる塩分は1g前後です。しかし、野菜などの具材の栄養も一緒に摂取できる味噌汁を1品の料理として捉えると味噌汁の塩分量は決して多くありません。また、味噌汁には血圧を下げる効果のある成分も含まれていることから、味噌汁を毎日飲んでも日中の血圧には影響せず、むしろ就寝中の夜間血圧を下げる効果があることがわかっています。
味噌の種類について
味噌は蒸した大豆に食塩を加え、発酵して作られます。使用する麹の種類によって分類されます。また、食塩量の違いによって「甘味噌」「甘口味噌」「辛口味噌」に分類されます。辛さ加減は食塩量だけでなく原料の大豆に対する麹の比率である「麹歩合」が決め手となります。同じ食塩の量でも、麹歩合が高いほうが甘口の味噌になります。色や濃淡に差が出るのは、発酵熟成中に大豆などのアミノ酸が糖と反応して褐色に変化する糖化が起こるためです。米味噌の色は時間が経つにつれて濃くなっていきます。
米味噌
大豆に米麹を加えてつくられた味噌で、全国各地で製造されています。米味噌は色の違いによって「赤味噌」「淡色味噌」「白味噌」に分けられます。味にくせがなく、どんな料理にも合います。熟成期間の長い赤味噌のほうが強力な抗酸化作用を持つメラノイジンが多く含まれています。
麦味噌
大豆に大麦や裸麦の麹を加えてつくられ、麦の芳しい香りと甘さが特徴的な味噌です。九州、四国、中国地方が主な産地です。味は甘口と辛口があり、辛口は関東の群馬県、埼玉県、栃木県でも作られています、
豆味噌
大豆のみを主原料として蒸した大豆に麹菌をつけ培養させた豆麹に食塩を合わせて発酵させた味噌です。中京地方が主な産地で、大豆本来の旨味と風味が凝縮した味わいが特徴です。
合わせ味噌
合わせ味噌は米味噌、麦味噌、豆味噌のうち2種類以上の味噌を配合してつくられたり、それぞれの麹菌を配合したりしてつくられます。色合いや味噌の種類が異なる味噌同氏を合わせることで双方の美味しさが引き立ち、マイルドな味わいになるのが特徴です。
味噌汁を毎日手軽に飲む方法!
忙しい時に役に立つインスタント味噌汁ですが、実は簡単に手作りすることができ、「味噌玉」と呼ばれています。味噌玉の基本的な作り方は、かつお節や顆粒だし、味噌、具材を一食分ずつ丸めてラップに包むだけです。飲みたい時にお湯を注ぐだけで味噌汁を作ることができます。しかも、冷蔵で約1週間、冷凍なら約1か月と日持ちするため余裕がある時にまとめて作り置きしておけば、飲みたい時にいつでも味噌汁を飲むことができます。
味噌玉の具材は、乾物や漬物、ねぎやしょうがなどの香味野菜、油揚げなど火を通さずお湯を注ぐだけで食べられるものがおすすめです。豆腐は冷凍すると食感が変わるため、冷凍保存する場合には不向きです。根菜類を入れたい時は一度火を通して冷ましてから入れましょう。
夏でも味噌汁を飲もう!
暑い夏に熱い味噌汁なんて・・・と思われるかもしれませんが、味噌汁は汗をかくと失われる水分や塩分を効率的に摂取でき、乳酸菌や弱った胃腸を助けてくれます。夏におすすめの味噌汁は日を使わずに簡単にできる冷やし味噌汁を紹介します。
わかめときゅうりの冷やし味噌汁
材料
きゅうり 1/2本
乾燥わかめ 2g
水 200ml
顆粒だし 小さじ1/2
味噌 大さじ1
氷水 200ml
お好みでみょうが、大葉など
(1)耐熱ボウルに乾燥わかめ、水、顆粒だしを入れラップをかけ、600Wの電子レンジで1分加熱する
(2)味噌を溶き入れ、氷水を加えて混ぜる
(3)きゅうりは薄めに小口切りにする
(4)器にきゅうりと冷やし味噌汁を入れ、お好みで薬味を適量乗せる
薬味には食欲を増進する作用があるため夏バテ予防にぜひ冷やし味噌汁に加えてみてください。冷やし味噌汁の具材には、体を冷やす作用があるトマトや消化促進作用がある長芋などもおすすめです。
食欲が減退し栄養不足になりがちな夏に冷やし味噌汁を飲むことで、味噌汁に含まれるアミノ酸や具材のたんぱく質などをしっかり摂れるため、免疫力の向上にもつながります。気温や体調に合わせ、温かい味噌汁と冷やし味噌汁を使い分け、夏を元気に乗り切りましょう。
味噌汁レシピのまとめ
味噌汁はただ美味しいだけでなくがんや生活習慣病の予防や、アンチエイジング効果など様々な健康効果があり、海外からも注目されています。味噌汁の塩分では血圧は上昇しないことが分かっているため、減塩のために味噌汁を全く飲まないのはもったいないことです。味噌汁は1日2~3杯を目安に飲むと良いとされています。味噌玉や冷やし味噌汁などを取り入れ、体のために毎日飲みましょう。
健康な体を作るためには味噌汁の他にも栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。買い物や食事の用意が大変な時には配食サービスの利用がおすすめです。「まごころ弁当」では前日までのご注文で、自宅に栄養士が献立を考えたお弁当を届けます。安心安全な食材を使い旬のものを取り入れた飽きの来ないメニューでありながら、手頃なお値段であることが魅力です。
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