体臭の原因や対策について|病気のサイン!?
作成日:2021年8月18日
汗をかく季節は特に体臭が気になりますよね。自分は大丈夫、と思っていても気付かないうちに体臭で他人に迷惑をかけているかもしれません。また、病気のサインとして体臭が発生している可能性もあります。ここでは、体臭の原因や対策について解説します。
体臭の原因は?
体臭の原因は主に皮膚の常在細菌と呼ばれる雑菌です。皮脂や汗は分泌されたばかりではほぼ無臭ですが、時間が経つと汗や皮脂に含まれる脂質やタンパク質、アミノ酸などの成分が酸化したり、雑菌によって分解されたりすることで、においのあるガスを発生させます。これが体臭です。雑菌は汗をかくことでより繁殖しやすくなるため、体臭がきつくなります。一般に、皮脂の量は女性よりも男性の方が多く、においのもととなる成分も男性の方が多い傾向があります。また、女性ホルモンには汗を抑える役割があり、このことから、体臭は男性の方が強くなることが知られています。
汗が分泌されるところを汗腺といいます。汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれに含まれる成分によって発生するにおいに違いがあります。
エクリン腺はほぼ全身に分布しており、サラサラとした汗を分泌します。エクリン腺から分泌される汗はほとんどが水で、ほかに塩分やアミノ酸、尿酸などを含んでいます。そのため、汗をかいて時間が経つと雑菌によってアミノ酸などが分解され、体臭が発生します。エクリン腺は、体温が上昇した時や緊張した時などに汗を分泌します。
アポクリン腺はわきや性器周辺にあり、分泌される汗には水のほかにたんぱく質や脂質、脂肪酸などの成分が含まれています。アポクリン腺は思春期に活動が盛んになり、特有のにおいが発生します。これは、動物におけるフェロモンに似た役割をしているためです。アポクリン腺はエクリン腺とは異なり、毛包内にのみ存在します。そのため、アポクリン腺の数は毛の量と関係があります。
汗を分泌させる汗腺は2種類だけなのに、身体の部位によって発せられるにおいが違うのはなぜでしょうか。それは、においの種類には常在菌の種類や汗腺の数、皮脂の量など様々な要因が関係しているためです。わきはアポクリン腺の数と皮膚の常在菌の数の両方が多いためにおいやすく、酸化したようなにおいになります。足の裏は背中や胸の5~10倍もエクリン腺が多く、皮膚の角質が厚いことや靴を履いて密閉されているため、他の部分よりも強いにおいとなります。頭皮は皮脂が分泌される皮脂腺が発達していることや、髪の毛が周囲のにおいを吸着して凝縮する役割を果たします。そのため頭皮と髪の毛のにおいが混ざったにおいとなります。
また、年齢を重ねると、加齢に伴い皮脂の成分が変化したり、過酸化脂質が増加することから、体臭が変わります。これが加齢臭の原因です。にんにくなどの特定の食品を摂取した場合にも、汗や皮脂が分泌される場所から食品に含まれる成分がガスとなって発生します。さらに、何らかの病気がある場合にも身体から独特なにおいを発することがあります。
においでわかる病気のサイン
・糖尿病・・・身体、口、尿などからケトン臭という甘酸っぱいにおい
・歯周病…腐った玉ねぎのにおい
・鼻や喉の炎症…膿のにおい
・脂漏性皮膚炎…頭皮が脂のようなにおい
・胃腸疾患…たまごの腐ったようなにおい
・便秘…便臭
・肝臓の機能低下…ドブ、カビのようなにおい
・腎臓の機能低下…尿のにおい
・代謝異常(魚臭症)…魚のにおい
ワキガについて
ワキガとは医学的には「腋臭症」といってわきのにおいが強い状態をいいます。腋臭症は病院で治療が可能です。腋臭症は遺伝性があります。アポクリン線は毛包の中に存在しているため、腋臭症の人は毛が多い傾向にあります。また、アポクリン腺は耳の中にも存在しており、耳垢が湿っている人の8割は腋臭症、と考えられています。
においの程度には個人差があり、医師が腋臭症と診断した場合、保険適用で手術を受けることができます。手術はわきを切開し、皮膚の裏にあるアポクリン腺を切除します。汗を止める作用のあるボツリヌス毒素をわきに注射する、という方法もありますが、薬の効果が切れたら元に戻ってしまうため、その度に注射を打ち直す必要があります。また、皮膚を切らずに皮膚の表面からマイクロ波を照射し、汗腺を熱で除去する治療法もあります。こちらは長期的に効果が持続すると考えられていますが、現在のところ保険適応はされておらず、自費での治療となります。
体臭の対策方法とは?
・わき毛を脱毛する
レーザー脱毛は毛穴全体が熱ダメージをうけるため、アポクリン線にもダメージを与えて発汗を抑える効果があります。脱毛に抵抗がある場合では、毛が多いと雑菌が繁殖しやすくなるため、短く切るようにしましょう。
・朝シャワー&殺菌成分が配合されているボディーソープで身体を洗う
体臭の対策には汗を洗い流すことが重要です。寝ている間にも汗をかいているため、朝にシャワーを浴びて汗を洗い流すと体臭を抑制することができます。忙しい場合はボディーソープを使わず、1分間シャワーを浴びるだけでも、皮脂の量を1/3程度に減らすことができます。帰宅後は殺菌成分が配合されているボディーソープを使って肌を清潔に保ちましょう。ボディーソープはしっかり泡立て、汗腺の多い脇の下や足の指の間、肘や膝の裏、耳の裏など汗が溜まりやすい部分を入念に洗いましょう。
・入浴後は髪を乾かす
髪が濡れたままだと、頭皮の雑菌が繁殖しやすくなったり、髪がにおいを吸着しやすくなったりするため、入浴後は髪の毛をしっかり乾かしましょう。
・制汗剤を使用する
市販の制汗剤には、汗の分泌を抑制したり、においのもとを分解する効果などがあります。制汗剤は汗をかく前に使うと、においの発生を抑えることができます。汗をかいたあとに制汗剤をつける時は、汗拭きシートで除菌をしてからつけるようにしましょう。
・汗をこまめに拭き取る
汗をかいてからにおい始めるまで個人差はありますが、大体1時間くらいと言われています。においが発生する前にタオルでこまめに汗を拭き取るようにしましょう。乾いたタオルより、濡れたタオルや汗拭きシートを用いると、汗とともに雑菌や皮脂を取り除くことができます。
・汗を衣類にしみこませない
汗をかいたあとの衣服は、雑菌が繁殖しやすくなります。体臭が気になる場合はこまめに着替えるようにしましょう。
・飲酒、喫煙を控える
アルコールやニコチンには汗腺を刺激する作用があります。また、アルコールやニコチンそのものが強いニオイ成分であるため、体臭がきつくなります。
・食生活を改善する
腸内環境が悪化すると体臭がきつくなります。また、動物性たんぱく質や脂肪は分解の過程でにおいの強い物質が発生します。肉類やチョコレート、ケーキなど動物性たんぱく質と脂肪分の多い食べ物を摂り過ぎないようにし、腸内環境を整える食品を積極的に摂取するようにしましょう。腸内環境を整える食品には、ヨーグルトやキムチなどの発酵食品や食物繊維の多い野菜やキノコ類、海藻類などなどがあります。
また、過度な食事制限も体臭の原因になるため、ダイエットの方法にも注意が必要です。
・運動不足を改善する
エアコンの効いた部屋で過ごすことが多いと汗をかきにくくなり老廃物が蓄積すると考えられています。老廃物が増えると雑菌が繁殖しやすくなり、体臭がきつくなるため、日頃から運動してこまめに汗をかくようにしましょう。適度に汗をかくことで老廃物が排出され、汗をかいてもにおいにくくなります。
・ストレスを解消する
緊張や不安など、身体にストレスがかかると汗が多く分泌されるようになります。また、疲れやストレスはアンモニア臭を発生させることがあります。疲れやストレスを溜め込まず、自分に合ったストレス解消法でストレスを緩和するようにしましょう。
体臭に関するまとめ
体臭は食生活や運動習慣など、生活習慣を見直すことで改善することがあります。生活習慣の改善は、高血圧や糖尿病、がんなどの生活習慣病の予防にもつながります。
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