ストレートネックとは?原因や症状について
作成日:2021年9月12日
ストレートネックとは、スマホ首ともいい、首の骨がまっすぐに伸びて頭の位置が通常よりも前に出ている状態のことです。ストレートネックは若者を中心に増加しており、肩こりや頭痛の原因となります。また、放っておくと頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症など手術が必要な病気になる可能性も。ここでは、ストレートネックの原因や症状、改善方法などについて解説します。
目次
ストレートネックとはどんな状態?
私たちの首の骨は約30~40度の前彎角度を保っており、頭を支えています。人間の頭は体重の10分の1もの重さがあり、首には常に負荷がかかっています。しかし、首の骨が緩やかにアーチ状になっていることで頭の重さが分散され、骨にかかる負荷が軽くなっているのです。ところが、顔を前に傾ける姿勢、つまりスマートフォンを見るような姿勢を続けると首にかかる負荷は大きくなり、首周りの筋肉は硬くなっていきます。筋肉が硬くなってくると、徐々に首の骨が引っ張られてまっすぐに近い状態となってしまいます。これがストレートネックです。
ストレートネックはスマートフォンの見過ぎだけでなく、視力が低下して前屈みとなってパソコンやテレビを見たり、姿勢が猫背気味であったりすることも原因となります。また、自分の身体に合わない高さの枕を使っていると、寝ている間も常に首が圧迫されてしまうため、ストレートネックとなるリスクが高くなります。ほかにもストレートネックの原因として、重たいリュックを持つ機会が多いこと、バレエや社交ダンス、格闘技等の顎を引いた姿勢を取り続けるスポーツの経験、加齢や運動不足、骨盤のゆがみなどが原因となります。
ストレートネックはスマートフォンの普及により、若者の間に多く見られるようになってきました。現在は自覚症状が乏しくても、歳を重ねるごとに症状が重くなる可能性があります。そのため、初期のうちから改善を図っていくことが大切です。
ストレートネックの症状とは?治療法は?
ストレートネックになると、首や肩周りの筋肉が硬くなるため首こりや肩こりなどが自覚症状としてあらわれます。また、筋肉が硬くなると血液の流れも悪くなるため、頭痛や吐き気を催すことも珍しくありません。さらに、筋肉の硬直は自律神経のバランスの乱れを引き起こすため、身体がだるくなったり、精神的にも不調を感じやすくなったりすることもあります。顔を前に突き出しているようにも見えるため、見た目のイメージも変わってしまうこともあります。
ストレートネックは病気や病名ではなく、治療はストレートネックに伴う症状に対する対症療法となります。しかし、ストレートネックが頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症の原因となることもあり、その場合は手術を行う場合があります。ストレートネックは頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症の初期の状態とも言われています。
椎間板とは脊椎と脊椎の間にある軟骨組織のことで、骨と骨の間のクッションの役割をしています。首の骨のカーブが無くなってしまうことで頭の重みで椎間板がはみ出てしまい、神経を圧迫することで痛みや手のしびれなどの症状が表れます。頚椎症も同じように首の負担が大きくなることで、首の骨が変形してしまい神経に障害を及ぼします。首や肩のこりだけでなく手に慢性的なしびれがある場合には、整形外科の受診をおすすめします。
ストレートネックのセルフチェック方法
ストレートネックかどうか調べるには、壁を背にして立ってみましょう。かかと、お尻、肩をつけた状態で頭が壁から離れてしまう、もしくは意識しないと頭をつけることができない場合ストレートネックの可能性があります。
また、天井を見ようとすると首に違和感がある場合や、仰向けで寝れない、寝にくいと感じる方も要注意です。
ストレートネックを予防するには?
・姿勢を正しくする
パソコンを操作する時は、膝と股関節が90度になる角度で、背筋を伸ばして肘は90度以上となる姿勢が望ましいです。椅子に深く腰掛けた状態で、両足の裏がしっかりと床につくように椅子の高さを調整します。画面からは40cm以上離れましょう。ノートパソコンの場合はデスクトップのものよりも目線が下がりがちになるため、スタンドを用いて高さを調整すると、姿勢の改善に効果的です。
スマートフォンを操作する時は目の高さで持つようにして上からのぞき込まないようにします。長時間同じ姿勢とならないようにすることがストレートネックの予防には重要です。
・自分に合う高さの枕を使う
起床後に首周りがこっていたり、頭痛がしたりする場合には今お使いの枕があっていない可能性があります。寝ている間に首の筋肉を休ませるために自分に合う高さの枕を使いましょう。仰向けに寝た時に首の角度が15度となる枕が理想です。また、枕の素材は寝返りを打ちやすいものを選びましょう。
・リュックの紐は短めにする
重たいリュックを持つと重心が後ろに下がるため、バランスを取ろうとして頭を前に倒す前傾姿勢となりやすくなります。リュックを持つ機会が多い場合には、紐を短めにすることで重心が後ろに下がりにくくなります。
・ストレッチをする
首や肩周りの筋肉を柔軟に保つためにストレッチが効果的です。
(1)首のストレッチ
椅子に深く座り、頭の重さを利用して前に倒し、下を向きます。ゆっくりと頭を持ち上げて顔を上に向け、また下に戻します。これを10回繰り返し、1日3セット行います。
次に顔を横に向けます。この時顎を引き、胴体は動かさないようにしましょう。同様に10回×3セット行います。
(2)肩周りのストレッチ
両手を挙げ、片方の手首を反対の手でつかみます。手首をつかんでいる手の方向にゆっくりと身体を倒し、突っ張りを感じるところまで伸ばします。大きく深呼吸を5回したら、反対も同様に行います。
次に手を後ろで組みます。片方の足を前に出し、組んだ手を後ろに上げて胸を10秒間反らします。足を反対にして同じ動きをします。この時下を向かず、目線は上にします。また、呼吸は止めず、深呼吸しながら行ってください。
ストレートネックを改善するには?
・タオルを使ったストレッチを行う
フェイスタオルを首の後ろにかけ、斜め45度上に、5秒間引っ張り、力を抜きます。これを5回程度繰り返しましょう。1日3セット行うとより効果的です。
また、タオルで首のカーブに沿った高さの枕を作り、それを使ってストレッチすることで首の筋肉の緊張を緩和することができます。作り方は、バスタオルを丸めるだけです。バスタオルを4つ折りにし、くるくると丸めて棒状にします。直径8~10cm程度になったら両端を輪ゴムで留めます。仰向けになった時、まっすぐ天井を見られなかったり、呼吸が苦しかったりする場合はサイズが合っていない可能性があるため、バスタオルの種類を変えたり、フェイスタオルを巻き足してサイズを調整しましょう。首が浮かず、肩や肩甲骨が寝具にしっかりついていれば大丈夫です。首の筋肉が伸びて気持ち良く感じられますが、タオル枕を使ったまま寝るのは逆効果と言われています。ストレッチを行う時だけ使うようにしましょう。
(1)首の筋肉をほぐすストレッチ
タオル枕を首の下に敷き、仰向けになったら、ゆっくりと顔を横に倒して5秒間キープします。この時肩が動かないように注意しましょう。反対側も同様に5秒間キープします。これを左右5回ずつ行います。
(2)腰の筋肉をほぐすストレッチ
タオル枕を敷いたまま、仰向けに寝て両膝を立てます。立てた両膝を片側にゆっくり倒して5秒間キープします。この時肩が浮いてしまわないよう注意しましょう。反対側も同様に5秒間キープします。これを左右5回ずつ行います。次に、片足ずつ反対側に倒し5秒間キープします。反対側も同様に5秒間キープし、これを左右5回ずつ行います。
ストレートネックのまとめ
ストレートネックは普段からの悪い姿勢が原因で起こります。ストレートネックになると、骨格のバランスが崩れてしまうだけでなく、頭痛や嘔気、精神的な不調を招くおそれがあります。また、進行すると手術が必要な病気になるおそれもあり、普段から意識して美しい姿勢を保っていくことが大切です。
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◯病院名 :医療法人優美会 吉井クリニック
◯住所 :大阪府吹田市豊津町1-21 エサカ中央ビル5F
◯診療科 :健診、人間ドック、内科、婦人科疾患、美容医療
《プロフィール》
・生まれ :大阪
・学歴 :大阪府立天王寺高校、大阪市立大学附属病院医学部卒業
・趣味 :ドライブ
・好きな言葉 :努力は必ず報われる
・モットー :いつも明るく笑顔を絶やさない事
・プライベートの過ごし方 :好きな車でドライブ
・健康で意識していること :偏食をしないこと。朝食は必ずとること。
《資格・所属》
・日本外科学会認定医
・日本消化器病学会専門医
・日本消化器内視鏡学会専門医
・日本医師会認定産業医
・サーマクール認定医
・日本美容皮膚科学会会員
・日本人間ドック学会会員 など