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年末に年越しそばを食べるのはなぜ?由来やそばの健康効果をご紹介

作成日:2021年12月19日

年末に年越しそばを食べるのはなぜ?由来やそばの健康効果をご紹介

大晦日、年末大掃除が終わった後のお楽しみといえば、年越しそばではないですか?

一年を振り返り、うれしかったこと、楽しかったこと、悔しかったことも含め、しみじみと思い出しながらいただくそばはおいしいですね。

今回は、なぜ年末にそばを食べるようになったのか?その由来や栄養価、余ったそばのちょっと意外?な食べ方をご紹介します。

そばとはどんな食材?

そばはタデ科そば属に属する一年草で、下は0℃から40℃を超える高温にまで耐えて生育する、適応力の強い植物で、肥料分の少ないやせた土地でも育てることができます。

また、成長が早く、上手く栽培すると年に3回収穫できるというのも、食材としてとても魅力的なものだと言えるのです。

原産地は中国雲南省からヒマラヤにかけてとされていますが、その適応能力の高さから、特に世界中の寒冷地で育てられるようになりました。

度重なる飢饉に襲われた我々人類の歴史の中で、そばは多くの人々を飢えから救う、大切な食べ物だったのですね。

現在のヨーロッパでも、そば粉のクレープやパンなど、さまざまな料理に利用されています。

日本には縄文時代頃に伝えられたとされ、高知県で約9,000年前の地層からソバの花粉が検出されています。

このことから、当時すでに栽培されていたのではないかと推測することができます。

過去には、収穫したソバの実は粉にして熱湯で練り、「そばがき」として、また、練ったそば粉を焼いて餅や団子のように食べていたようです。

時が経ち16世紀頃、元禄時代になると、今の姿に近いそば切りという食べ方が登場します。

そば切りは、もともとはそば粉100%で作られた、今でいうところの10割そばのみでした。

しかし、そば粉には、うどんに使用する小麦粉のように、粉同士がつながる働きをするグルテンは含まれていません。

そのため、粉同士がつながる働きが弱く、そばは茹でてからしばらくたつとプツプツと切れてしまいます。

そのような理由から小麦粉を混ぜ、切れにくいそばが作られるようになりました。

二八そば、十割蕎麦という言い方をするのは、そば粉のみ、小麦粉が混ぜてある、という区別をつけるためだということです。

そばの中には日本で主に栽培されている普通種のほか、だったんそば、蒙古そばなどいくつかの品種があります。

生産量では、2020年のデータによると、日本国内では北海道が最も多く、全国シェア43.1%(19,300t)を占め、ついで長野県の同8.8%(3,960t)、栃木県・同6.4%(2,850t)と続いています。

年越しにそばを食べる由来とは?

「年越しそば」という名のもと、そばを大晦日(おおみそか)に食べるようになった由来には、諸説あります。

鎌倉時代、九州は博多の承天寺という寺の周辺には、飢えに耐えていた貧しい人々が多くいました。

大晦日の日、寺の住職が精進料理として食べられていたそば餅を、「世直しそば」として彼らにふるまったところ、翌年、多くの人が運に恵まれた。

そのため、縁起がよいということで、大晦日にそばを食べる風習が生まれたというものです。

ほかにも、長いそばを「末長い幸せ、延命長寿」にかけたとする説のほか、逆に切れやすいということで、その年の苦労や災いをすっぱりと切り捨て、新たな気持ちで一年を迎えようとする説、金細工の職人が、金粉を扱う際にそば粉を利用することから、金運を招く、とする説などがあります。

幸運や金運を招き、健康長寿を願う、やせた土地、寒冷地でも育ち、飢饉から私たち人類を救ってきたそばは、年越しに食べるにふさわしい食材だ、といわれる所以なのかもしれませんね。

年越しそばのご当地料理

南北に長い日本列島、年越しそばにもいろいろな食べかたがあります。

北海道にしんそば

北海道では、骨まで柔らかく甘辛く炊いたにしんを乗せたにしんそばが有名です。

岩手県わんこそば

小さな塗り物の器に一口分ずつ盛られたそばを、年の数だけいただくと幸せが訪れるといわれるわんこそばは、年越しそばとしても食べられています。

長野県くるみそば

くるみをすりつぶし、甘辛く味付けした麺つゆに混ぜ、つけそばとしていただきます。くるみの産地長野県ならではの食べ方ですね。

福井県越前そば

福井県では、寒い冬でも冷たいそばを食べる習慣があります。辛い大根おろしを添えたそばが有名です。

同じそばでも色が違うのはなぜ?

そば屋さんに行くと、見慣れた黒っぽい色をしたそばのほかに、少し透明感を感じられるような白いそばを見たことはありませんか?

これはそばそのものの品種の違い?はたまた、小麦粉が多く含まれているのか?など、思いをめぐらされたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

白いそばは更科そば(さらしなそば)または御前そば(ごぜんそば)とも言います。

その材料は、そばの実から殻や甘皮を取り除き、いわば精白した部分のみを挽いて作った更科粉であるため、色が白く仕上がるのです。

殻や甘皮が入らない分、そばの力強い香りは少なくなりますが、繊細な味、のど越しはとても良いものとなります。

更科そばは、1700年代後半に信州の更科村にて営業をしていた信州のそば屋により、考案されたとされています。

一方、茶色い殻の部分も含めて細かく挽いて作ったそば粉から作る、私たちがよく知る黒っぽいそばは、殻まで含んでいるために香りが高くて味が濃く、食物繊維を多く含んだものとなります。

その時々の体調や好みで食べ分けると楽しいですね。

そばに含まれる栄養価

このように、私たちの身近な食材、そばは、どのような栄養価を秘めているのでしょうか?

マグネシウム

マグネシウムは私たちの体内にある300種以上の酵素の働きを補助したり、骨が形成される働きを促したりする、とても大切なミネラルの一つで、体内に含まれるミネラルの量としては、7番目に多いとされています。

マグネシウムは骨や歯を丈夫にするほか、高血圧をはじめとする心疾患を鎮めたり、神経の興奮を抑え、イライラを鎮めたりする働きがあります。

鉄分は、私たちの血液中のヘモグロビンに多く含まれ、呼吸により取り込んだ酸素を体の隅々に送り届ける役割をしています。

激しいスポーツをする方や月経量が多い女性、妊娠中の女性は特に鉄を失うことが多く、不足すると鉄欠乏性貧血を引き起こすため、注意が必要です。

鉄分はそのままの形ではなく、酸性の食材により鉄イオンに変更されて、はじめて吸収することができます。

そのため、鉄分が多い食材はレモンや柚子、酢を少し添えて食べるのがおすすめです。

亜鉛

亜鉛は私たちの細胞が作り変えられるときに遺伝子を複写し、正常な代謝を維持する働きを助けます。

そのため、体内でも特に代謝が盛んな部分に多く含まれています。

亜鉛が不足し、特に舌の上の味蕾という味を感じる細胞の代謝が衰えると、味覚障害を引き起こすことがあります。

また、抜け毛を予防したり、肌や爪の代謝を促したりする働きがあります。

銅は鉄が血液中のヘモグロビンに吸収されるのを助ける働きがあります。

また、免疫力を高めたり動脈硬化を予防したりするほか、髪や肌を健やかに保ち、成長を促す効果もあります。

ビタミンB1

ビタミンB1は糖質からエネルギーを作り出す働きがあります。

そのため、すばやく疲労を回復することができるほか、糖質が唯一の栄養源である脳の働きを正常に保ち、アルツハイマー病やウェルニッケ脳症の予防に役立つと期待されています。

ビタミンB1が不足すると、イライラや集中力の低下、末梢神経の障害による手足のしびれやむくみが発生し、かつて江戸煩いともいわれた脚気(かっけ)を発症することがあります。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB1とともに、米ぬかから発見された栄養素で、私たちの細胞内に含まれる酵素の働きを補う、補酵素として、働いています。

中でも、私たちが取った食品に含まれる糖質や脂質からエネルギーを作り出す働きがあり、細胞の代謝を促し、皮膚の健康を保つ役割をもつほか、アルコールの代謝を促進したり、毛細血管に働きかけ、体の隅々まで血液をいきわたらせ、冷えや肩こりを予防したりする働きがあります。

不足すると口角炎や食欲不振、また、ペラグラという皮膚炎を引き起こすことがあります。

ビタミンB6

ビタミンB6はたんぱく質を代謝し、エネルギーを作り出したり、アミノ酸から私たちに必要なたんぱく質を再合成し、皮膚や粘膜を健やかに保ち、血液中のヘモグロビンの合成を助けたりする働きがあります。

また、神経伝達物質の合成にもかかわり、不足すると痙攣や手足のしびれを引き起こすほか、食欲不振、倦怠感、不眠症や眠気などがみられることがあります。

食物繊維

そばは、麺類の中でも多くの食物繊維を含んでおり、便秘の解消やコレステロールの低下、また、動脈硬化の予防にも効果的だとされています。

ルチン

ルチンはポリフェノールの一種で、野菜や果物に含まれる抗酸化作用を持つ物質です。

私たちの体内では、しなやかさを失った毛細血管を修復して丈夫にし、血液の流れをスムーズにする働きから、血圧降下作用があり、高血圧、脳卒中や動脈硬化を予防し、肩こりの予防にも効果があるとされています。

また、ビタミンCの吸収を促すことから、肌や粘膜の保護、免疫力の向上も担っています。

ルチンは水溶性の物質なので、そばを食べるときにはそば湯もいただくとよいですね。

ポリポリおいしいそばかりんとう

残った生そばで、ポリポリおいしいそばかりんとう

2人家族なのに、購入したそばが3人前だったり、意外に量が多く調理せずに残ったりした生そばがあれば、ぜひ試していただきたいのが、生そばを揚げて作るそばかりんとうです。

もともとはそば打ちをした際の切れ端を揚げて食べていたのがはじまりですが、市販の生そばを使っても作ることができます。

生そばはあらかじめ細く切ってあるので短時間ですぐに作ることができ、急なお客さまとお酒の席を設け、おつまみが必要なとき、ちょっとおやつが欲しいときにも楽しめる一皿になりますよ。

【材料】
・生そば、揚げ油…各適宜
・お好みで塩、黒蜜など…各少々

材料

【作り方】

①生そばはバットなどに広げ、30分程度置いてかるく乾燥させます。

作り方①

②ざっと振って余分な打ち粉を払い、160℃に熱した揚げ油で揚げます。
揚げ始めは大きな泡が出ますが、1分程度で落ち着き、細かい泡が出始めます。

作り方②

作り方②

薄茶色に色づきはじめ、泡が細かくなればキッチンペーパーの上に取り出し、余分な油をきり、出来上がりです。

出来上がり

※お好みで塩を軽く振ったり、黒蜜をからめたりすると味のバリエーションが楽しめます。

頂くときにわさびや柚子胡椒をそえてもよいですね。

『そばレシピ』まとめ

長い歴史のなかで、幾度となく飢饉から私たち人類を救い、世界中で愛され、さまざまな料理として親しまれているそば。

麺類のなかでも特に栄養価が高く、体に良い食材であることも、長きにわたり食べ継がれてきた理由かもしれませんね。

しかし、人によっては、そばはアレルギーを発症する食材でもあります。ほかの食材に比べて重い症状がでることもありますので、アレルギー体質の方は注意して召し上がってくださいね。

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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