節分と食べ物の関係 豆や恵方巻を食べる意味とは?
作成日:2022年1月29日
節分の日の行事といえば、鬼のお面をかぶった方に向かって豆を投げる豆まき、そして恵方といわれる方角に向かって食べる巻き寿司…寒いさなかですが、楽しいイベントでもありますね。
今回は節分の由来や、なぜ煎った大豆を投げ、食べるようになったのかをご紹介します。
目次
節分とはどんな行事?
古くから農耕を主としている日本では、太陽の動き、日照時間に合わせて一年を24の節気に分けて暦としていました。
その中でも、一年で最初に訪れる、春が始まるとされる日を立春と言います。
そして、節分は、2月3~4日頃、立春の前日のことを指します。その名の通り、「節」を分けるという意味で、本来は立春、立夏、立秋、立冬の4つの節の区切りの日の前日を指します。
しかし、長い冬を終えて春を迎え、草木が芽吹き始める立春を一年のスタートと考え、この日を「節分」と重んじるようになりました。
豆まきを行うのはなぜ?
豆まきの由来とは?
節分の日に子どもが楽しみにしている行事、豆まき。子どもの頃、家族で豆まきをした思い出がある方も多いことでしょう。
まずは、節分と豆まきの関係をご紹介します。
古くは、病気や災害は、季節ごとの節目にすっと入り込んでくるという邪気(鬼)のせいで起こるものだと考えられていました。
その邪気(鬼)を追い出すとして中国から伝えられ、宮中で行われるようになった儀式を「追儺(ついな)」と言います。
平安時代頃には、不老長寿の象徴である桃の枝を使って作った弓で、葦の茎を使って作った矢を射り、邪気(鬼)を祓う(はらう)という儀式でした。
やがて追儺の儀式は民間へ、全国へと広がっていきます。その後、年に4回ある節気のうち、新年に当たる立春の前日、現在の暦でいうところの2月3日頃の節分に行う豆まきが、今に受け継がれるようになったのです。
では、その儀式はなぜ豆まきになったのでしょうか?
日本では古くから、米だけではなく、ヒエや粟、麦、また、大豆といった穀類・豆類には、霊力が宿っていると信じられてきました。
中でも豆は「魔滅(まめ)」という当て字がなされ、魔物を破滅させる、という意味合いから、豆を投げて邪気を祓うようになったと言われています。
また、煎り豆を使うのは、「射り鬼滅」といい、先にご紹介した、「鬼を射る」という考えにつながっているということです。
さらに、鬼を射るために撒いたあと、拾い忘れた豆があちこちで発芽してしまうと、「一度祓った邪気が芽を出す」ことから縁起が悪いとされ、炒って芽が出ないようにしていました。
栄養豊富で、豆腐や、納豆、味噌やしょうゆなど日本の発酵調味料にも欠かせない大豆、いにしえの日本人は、邪気を祓い一年の安全と健康も、大豆に託していたのですね。
ご存じですか?豆まきの作法
お正月のお屠蘇にいただき方があるように、実は豆まきにも作法があります。
- 節分の前日までに用意した煎り豆を、節分の当日朝に、枡(ます)または三方に入れて、神棚にお供えします。
- 焼嗅(やいかがし)という、焼いたイワシの頭をヒイラギの葉に刺したものを玄関の上に飾り付けます。
これは柊鰯(ひいらぎいわし)、鰯柊(いわしひいらぎ)とも呼ばれ、鬼が嫌うイワシの臭気と、とがった柊の葉が鬼の目や体を傷付けるため、寄ってこなくなる、というものです。 - 鬼は基本的に夜になると出ると考えられているため、豆まきは夜になってから行います。
窓やベランダ、玄関など、鬼が入ってきやすい場所で「鬼は外!福は内!」と掛け声をかけながら、外に向かって煎り豆を撒きます。
本来ならば家長(主人)や厄年の人、その年の年男や年女に当たる人が撒くのですが、家族で楽しく撒くのもよいですね。
豆まきが終わったら、追い出した鬼が家の中に戻ってこないよう、すぐに窓や玄関を閉めます。
そのあと、「今年一年を無事に過ごせますように」との願いを込めて数え年(現在の年齢+1)個分の豆を頂きます。
大豆に含まれる栄養価
畑の肉ともいわれる大豆は豊富な栄養を含んでいます。では、どのような成分が含まれているのでしょうか?
たんぱく質
たんぱく質は脂質・糖質とともに三大栄養素の一つに数えられている、私たちにとってとても大切な栄養素の一つです。
筋肉や筋のもとになるほか、血液、免疫細胞など、多くの組織の材料となっています。
煎り大豆100g中に含まれるたんぱく質は35.0g、和牛(皮下脂肪無し・もも肉)100gあたりのたんぱく質は17.4gと、牛肉をはるかに上回っています。
植物性・動物性の違いはあるものの、大豆は必須アミノ酸のほか、20種類に及ぶアミノ酸を含んでいます。
食物繊維
食物繊維は「人の消化酵素では消化することができない、食物中の難消化性成分の総体」と称されています。
食物繊維には水に溶けるタイプの水溶性食物繊維と、水には溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。
血液中のコレステロール濃度を低下させたり、便秘を予防したりする働きがあります。
カリウム
カリウムは私たちの体内で過剰に溜まってしまっているナトリウムを体外へと排泄する働きがあります。
体内にナトリウムが多くなると、それを薄めようとして多くの水分を取り込み、むくみへとつながったり、水分で量が増えた血液を全身へと送り出すために、心臓に負担がかかり、血圧が上がったりすることがあります。
カリウムはナトリウムを体外へ排せつすることで、このような理由で発生するむくみや高血圧を解消する一助になっています。
マグネシウム
マグネシウムは私たちの歯や骨を作り出す働きを助けるほか、体内で300種を超える酵素の働きを助けています。
エネルギーの生成や、私たちがとった食事から栄養分を取り出し、分解・合成を助けたり、筋肉の収縮を正常に行ったりするほか、血圧の調整、血栓を予防など、さまざまな働きをしています。
鉄
鉄分は約70%が血液中のヘモグロビンに含まれ、肺から取り込んだ酸素を全身に送り届ける役割をしています。
また、残り25%は肝臓に貯蔵鉄として蓄えられています。
鉄が不足すると全身に酸素を送り届けることができなくなり、めまいを引き起こします。
さらに、全身に酸素を届けようと呼吸が荒くなり、息切れを感じたり、酸素を含んだ血液を全身に送り届けるために心臓に負担がかかり、動悸を感じたりすることがあります。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンはエストロゲンというホルモンの過剰な働きを抑え、乳がんの発生を予防したり、美肌効果を発揮したりすることが知られています。
節分に食べる食べ物とは?
恵方巻
節分というと、煎り大豆以外に恵方巻と呼ばれる巻き寿司が有名ですね。
この恵方巻、もともとは江戸から明治にかけて、関西の一部の地域で、商売繁盛を祈って食べられるようになったのがきっかけだとされています。
恵方に向いて丸かぶりをするとされていますが、「恵方」とは、陰陽道でその年の年神様がおられる方向を指し、その方向をむいて願い事をしながら、切っていない1本丸ごとの寿司を食べます。
「切らない」というのは、「縁を切らない」「願いを切らない」という意味があるとされています。
この風習が広まっていったのは1980年代に入ってからのことで、大阪の寿司商組合、海苔問屋組合などが全国に紹介、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されるようになってからのことということです。
太い恵方巻1本を食べるのが難しいときは、あらかじめ半分の幅に切った海苔を使ったり、細巻きにしておいたりするとよいでしょう。
いわし
しっかりと脂が乗ったいわしを昔ながらに炭火で焼くと、とてもたくさんの煙が出ます。
先ほど焼嗅(やいかがし)の項でご紹介したように、鬼はこの臭いをとても嫌うと考えられています。
そのため、節分の日にはいわしを焼いてにおいを出し、頭は焼嗅として、身は食べて、鬼が寄らないようにしたとされています。
チョコ大豆と砂糖大豆
豆まきをして家族の年齢分をいただいた後に、どうしても煎り大豆が余ってしまう場合がありますね。
私たちの体にとても良い成分を含んでいる煎り大豆、食べきれず捨ててしまうのはもったいないことです。
そんな時には目先を変えて、おやつを作ってみませんか?
チョコ大豆
【材料】
・煎り大豆…100g
・チョコレート…50g(板チョコなら一枚分)
・ココアパウダー…適宜
【作り方】
①ココアパウダーは茶こしなどでダマを取り除くように振るい、バットにあけておきます。
②板チョコレートは細かく刻んでおきます。(製菓用のタブレット状のものならそのままで大丈夫です。)
③大小2つのボールを用意します。
小さい方のボールに40℃~50℃程度の湯をはり、大きい方のボールに②のチョコレートを入れて溶かします。
④チョコレートが溶けたら煎り大豆を加え、全体に絡まるように混ぜ、①のココアパウダーの上に一口分ずつに分けておいていきます。
⑤チョコレートが冷え固まる前に上からもココアパウダーを振りかけます。
※ココアパウダーの代わりに粉砂糖をまぶしても、美味しく作ることができます。
砂糖大豆
【材料】
・煎り大豆…100g
・グラニュー糖…大さじ4
・水…大さじ1~2
【作り方】
①フライパンに水を入れ、グラニュー糖を入れてから水分をなじませ、火にかけます。
②砂糖が溶け、全体にフツフツとしてきたら煎り大豆を一度に加えて、素早く全体をかき混ぜます。
③砂糖が白く結晶化して全体にサラサラしてきたら火を止め、オーブンシートなどに取り出し、広げて冷まします。長く火にかけていると結晶化した砂糖が再び溶け、つやつやとした仕上がりになります。
健康な日々を過ごすために
栄養が豊富な大豆は、煮豆に豆腐、納豆と、私たちの食卓に上る日は多いですね。
しかし、当然のことながら、大豆だけでは私たちの健康を維持することはできません。
日々健康に過ごすためには野菜や果物、肉類、魚類…さまざまな食品を取る必要がありますが、毎日栄養バランスが整った食事を作り、取ることはなかなか大変です。
そんな時におすすめしたいのが、まごころ弁当のお弁当です。
まごころ弁当のお弁当は、管理栄養士が栄養バランスを考えてメニューを考え、こだわりの食材を用いてつくられたお弁当です。
さまざまな理由から、食事制限がある方、また、咀嚼や嚥下に不安がある方向けのメニューも充実しているので、家族一人一人の事情にあわせてメニューを選ぶことができるのもうれしいところですね。
今なら無料試食キャンペーンを実施中です。この機会にぜひお試しくださいね。
節分についてのまとめ
楽しい豆まきのあとにいただく香ばしい煎り大豆。福豆とも言い、縁起が良い食べ物です。が、年齢が上がるほど食べる豆の数が増えるのも事実。年を重ね何十個も食べるのは、さすがにきついですね。
量が召し上がれない場合は、今回ご紹介するおやつにしたり、梅干しや結び昆布と共にお茶に加えていただく福茶にしたり、またご飯を炊くときに一緒に入れて大豆ご飯にしてもおいしいですよ。
あらかじめ炒ってある大豆なので、米と一緒に炊いても柔らかくおいしく炊きあがります。