フリーズドライスープのアレンジレシピ
作成日:2022年2月22日
スーパーマーケットのインスタントスープコーナーに行くと、実にさまざまな種類のスープが販売されていますね。
忙しい日の朝食の一品に、寒い日のブランチにととても便利なスープですが、実は料理にも使用できるのをご存じでしょうか?
今回は、そんなフリーズドライスープがどのように作られているのか?や、簡単アレンジレシピをご紹介します。
目次
スープのインスタントが生まれるまで
熱湯を加えるだけですぐに出来上がる、美味しいスープ。まるで生の食材を使って作ったかのような具材が入っていたり、とろみがある濃厚なスープであったり…このスープを作る技術とはどのようなものなのかと不思議になりますね。
まずはこのスープがどのようにつくられているのか、というところから見ていきましょう。
粉末タイプ
玉ねぎやにんにく、かつおぶしや煮干し類は必要に応じて加熱、乾燥してから粉砕します。
また、醤油や各種エキス類は、乾燥したあと粉砕し、粉末状に粉砕しています。
フルーツやトマトソースのように糖度が高いものや粘度があるものに関しては、加熱殺菌されたあと、ミルで挽いてから真空乾燥されています。
これらをそれぞれの必要に応じてブレンドし、製品化されています。
固型タイプ(フリーズドライタイプ)
通常、私たちが生活している気圧のもとでは、水は0℃以下では氷、0℃以上で水となり、温度が上昇することで水蒸気に変化していきます。
しかし、気圧がある一定以下になると、氷は水という状態を経ることなく、直接水蒸気となって蒸発してしまう「昇華」という現象を起こします。
フリーズドライ(訳して冷凍乾燥)とは?と、疑問に思っておられた方も多いかと思いますが、実は、この水が持つ性質を利用した製法のことを指しているのです。
味付けし、完成したスープやみそ汁を1食分ずつ型に入れ、マイナス30℃~40℃の凍結庫で冷凍させます。
スープや具材の水分は、当然のことながら冷凍することにより氷の粒になりますね。
次に、このスープを「真空凍結乾燥機」という機械にかけ、圧力(気圧)を下げて24時間以上かけ、昇華の性質を利用し、ゆっくりと水分を抜いています。
こうして出来上がったスープは型に入っていた形状のまま、固いスポンジのような見た目になっています。
カップに入れ、熱湯を注ぐとそのスポンジ状の空洞部分に湯が行き渡り、生のような状態に戻るというわけです。
昨今のフリーズドライの技術はとても高く、豆腐が入ったみそ汁、シチュー、カレーのような肉類や豆が入ったものも開発されています。
フリーズドライ食品は体によいの?
このようにして作られたフリーズドライのスープやみそ汁などですが、果たして栄養素は壊れずに残っているのでしょうか?
カチカチのスポンジ状になったものに、どれだけの栄養があるのか?と、疑問に思いますね。
栄養成分の性質は、おおまかに、水に溶けるもの、溶けないもの、また、加熱に強いもの、弱いものに分けられます。
ここで注目したいのが、加熱に対する強さ、弱さです。
フリーズドライ製法で作られる製品は、みそ汁などの汁物、また、シチューのような煮込み料理が多いですね。
ということは、事前に炒め物や揚げ物のような高温加熱調理はなされていないものが多い、ということです。
さらに、乾燥させる時にはマイナス30℃~40℃という低温下に置かれています。
そのため、特に熱に弱いビタミンCのような栄養素は損なわれにくく、フリーズドライ製法がとても効果的です。
同じく食品を乾燥させる方法には、高温の熱風を当てて乾燥させる「熱風乾燥」という製法もあるのですが、栄養価の残存率を考えると、フリーズドライに軍配が上がりそうですね。
また、食材をあるがままの姿で冷凍し、そのままの状態で氷となった水分だけを抜いてしまうため、味や香り、色の変質も少ないのが特徴です。
最近、市販のチョコレート菓子などにも使用されているフリーズドライのいちごは、よい例ですね。
さらに、水分を極限まで抜いているためカビが生えにくく、賞味期限が長いのも特徴です。
しかし、フリーズドライの食品は開封後はとても湿気を吸いやすいため、個包装ではない製品の場合は、食べきれないものは密閉容器に入れておきます。
同様に高温にさらされると変質しやすくなります。高温多湿を避け、冷暗所での保存がおすすめです。
フリーズドライスープを災害用の備蓄に
昨今の台風や地震、大雨など、私たちが暮らす日本は幾度となく災害に見舞われています。
各ご家庭で避難用の水や着替えを避難用セットの中に入れておいたり、期限が近付いたものから利用して新しいものに差し替える「ローリングストック」として用意しておいたりすることが推奨されていますね。
ところが、用意しておいた有事の際の食事、といっても万が一の災害が起こってしまった場合、特に高齢の方や小さな子どもは、慣れない避難所でいただく食糧に食べなれないものが出たために食事がのどを通らなくなる、という例もあります。
毎日の食事を手作りすることも大切ですが、このようなインスタント食品に慣れておくことも、大切です。
次に、これらのスープのもとを使ったアレンジ料理をご紹介します。時にはこのように利用してみてはいかがでしょうか?
フリーズドライスープを使ったアレンジ
このようなフリーズドライスープのもとは、パッケージの表示通りの水分を加え、戻すととてもおいしく召し上がることができます。
ですがそれだけではもったいない!料理のひと手間を省いてくれる便利なアイテムとして、様々なアレンジ料理を手早く作ることができます。
かきたまスープのもとを使って
あんかけチャーハンに
鍋に分量の湯を沸かし、スープを溶かしたら沸騰させ、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。器に盛ったチャーハンにとろりとかけ、ネギを散らして仕上げます。
雑炊に
鍋に分量の湯を沸かし、ごはん適量、フリーズドライスープを入れてさっと煮ます。
トマト味スープを使って
スープパスタに
ハム、しめじをさっと炒め、分量の水とフリーズドライスープを入れて煮溶かします。ゆでたパスタを加えて出来上がりです。
鰯のトマト煮込みに
鰯は頭とワタを取り、フライパンにオリーブオイルをひいて両面を焼きます。
しっかりと火が通ったら小さく切ったブロッコリーやピーマンなどの野菜、分量の水を加え、フリーズドライスープを加え煮溶かします。好みでブラックオリーブを散らしてもおいしいです。
ミネストローネに
オリーブオイルをしいたフライパンでさいの目に切ったベーコン、玉ねぎ、にんじんを炒め、分量の水、フリーズドライスープを加え、煮溶かします。仕上げにバジルを散らすと味が引き締まります。
玉ねぎスープの旨みたっぷりハンバーグ
フリーズドライの玉ねぎスープは、本来とても時間がかる「あめ色玉ねぎ」の旨みを簡単にプラスすることができ、便利な調味料としても使用することができます。
今回はハンバーグに利用しました。いつものハンバーグがちょっとランクアップ!ぜひお試しくださいね。
【材料】
・ひき肉…300g
(牛ひき肉、豚ひき肉、また合い挽き肉など普段使い慣れているものをご利用ください。)
・フリーズドライ玉ねぎスープのもと…1食分
・パン粉…大さじ1
・卵…1個
・サラダオイル…大さじ1強
・こしょう…適宜
・好みのソース…適宜
【作り方】
①玉ねぎスープに熱湯大さじ1~2(分量外)を注ぎ、混ぜ溶かします。
②玉ねぎスープがしっかりと水分を吸った後で、パン粉を振り入れ、水分を吸収させます。
③ひき肉をボールに入れ、肉の粒が分からなくなる程度にしっかりと練り混ぜてから、②の玉ねぎスープのもと、溶きほぐした卵を加え、全体がまとまるまでしっかりと練り混ぜます。
④両手にサラダオイルをつけ、1食分ずつに丸めて手のひらでまとめ、しっかりと空気を抜き、表面にひび割れがでないように成型します。
⑤フライパンを熱し、サラダオイルを敷いてから④の生地を入れ、片面に焼き色がついたところで裏返し、蓋をして8~10分、中心まで火が通るように焼き上げます。
⑥器に盛り、好みの野菜、ソースを添えてできあがりです。
※玉ねぎスープのもとは製品により塩分量が違いますが、生地に塩を足す必要はないかと思います。
※塩分の摂取を気にしておられる場合は下記の方法をお試しください。
①の段階で水分のみを取り分けておきます。生地をこねて、味見用に少量を取ります。
焼くか電子レンジで加熱して味見をしてみます。味によって、残りのスープを足して調整してくださいね。
玉ねぎを長時間炒めて作る、いわゆる「あめ色玉ねぎ」は旨みが強く、今回ご紹介したハンバーグだけでなく、ビーフストロガノフやビーフシチュー、また、手作りの中華まんの具材の味付けなどにも利用できます。
細かく砕いて、溶けるタイプのチーズとともに食パンに乗せ、トーストにしてもおいしいですよ。ぜひいろいろなアレンジをお楽しみくださいね。
栄養バランスを整えるために
日々の健康を維持するためには、適度な運動、バランスの取れた食生活、適切な睡眠など、様々な要素が必要となりますね。
中でも、家族のことを考え、日々欠かすことができないのが、食事の管理ではないでしょうか?
忙しいなか、家族の健康を考えて、バランスよくさまざまな食材を使用し、おいしくて健康にも良い食事を用意するのはなかなか大変です。
ご家族の中に持病による食事制限や咀嚼・嚥下に不安をお持ちの方がいる場合は特に、食事の準備が大変になりますね。
そんな場合にもぜひおすすめしたいのが、まごころ弁当のお弁当です。
まごころ弁当のお弁当は、管理栄養士が栄養バランスと美味しさ、材料にこだわって作り上げた、おいしいお弁当です。
先ほども申し上げた、持病による食事制限やダイエットを意識しておられる方向けのカロリー調整食、塩分調整食やたんぱく調整食、また、咀嚼・嚥下に不安がある方向けの刻み食やムース食など、たくさんの選択肢のなかから、ご自身やご家族にピッタリの一食を選んでいただくことができます。
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フリーズドライスープレシピのまとめ
熱乾燥製法で作るよりも栄養価の残存率が高いフリーズドライのスープは、食事の際に汁物が欲しい、と思った時やちょっとお腹がすいたときの一皿にも、とても便利です。
ただし、中には塩分量が多いものもありますので、表示を確認して召し上がってくださいね。