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そら豆や枝豆の健康効果とは?初夏は豆が盛りだくさん!

作成日:2022年4月15日

そら豆や枝豆の健康効果とは?初夏は豆が盛りだくさん!

そら豆にスナップエンドウ、えんどう豆にさやいんげん、きぬさや…

一年中ありそうな緑の豆類ですが、いちばんおいしいのは春から初夏にかけて。爽やかな日差しが心地よい季節に旬を迎えます。

今回は緑色も鮮やかな春の豆類やその栄養価、おいしいパスタのレシピをご紹介します。

春から初夏にかけてにおいしい豆類とは?

「豆」というと、乾物の大豆、小豆にひよこ豆…小豆以外はしばらく水に浸して吸水してから利用する、というイメージですが、春になると緑色も鮮やかな旬の豆類がお野菜コーナーを彩りますね。

まずは春から初夏にかけておいしい豆類の栄養や選び方を見ていきましょう。

きぬさや(さやえんどう)

きぬさや(さやえんどう)

きぬさやは実えんどうが大きくなる前の未熟なものを若どりし、さやごと食べるものです。

きぬさやを収穫せずに育てるとグリーンピースとなり、その後、えんどう豆へと成熟していきます。

きぬさやの名はまだ実が成長する前のさやが絹のように滑らかでしなやかだというところからきています。

主な産地は鹿児島県で全国生産量の約15%を、ついで愛知県、福島県、和歌山県と続いています。

さっと茹でて彩り野菜として、また、胡麻和えや炒め物、千切りにしてスープにしたり、バラ寿司の具材の一つにしたりととても使いやすいのが特徴です。

洗ってヘタとともに豆の上下のスジを取り、さっと茹でて冷水にとり、色止めをして料理に利用します。

肌や粘膜を保護し、免疫力を高めるβカロテン、肌のハリを保ち、シワやシミを予防すると言われるビタミンCや、疲労回復に効果的なビタミンB1、B2を多く含んでいます。

グリーンピース

グリーンピース

グリーンピースはマメ科のえんどう豆の未熟なものを指します。

えんどう豆は中央アジアから中近東付近が原産とされ、平安時代にはすでに日本にも伝えられていました。

平安時代の書物、『和名抄』には、野豆・乃良未女(のらまめ)として、記載されています。

しかし、当時はいわゆるグリーンピースとして食べられていたわけではなく、本格的に食用とされるようになったのは明治時代、ヨーロッパやアメリカからさまざまな品種が持ち込まれるようになってからのことです。

主な産地は和歌山県で、日本の収穫量のほぼ半分が栽培・収穫されています。

グリーンピースはさやがふっくらと丸みを帯び、表面が瑞々しくてヘタにピンとしたハリがあるものを選びます。

鮮度が落ちやすいので、購入後はできるだけ早くむき、塩ゆでします。

塩を茹でた湯に豆を入れ、再沸騰したらすぐに火を止めます。茹で上がった豆をすぐに冷水にとったりザルにあげたりするとシワになるので、冷めるまで茹で汁につけたまま置いておきます。

豆ごはんや卵とじ、かき揚げ、ミートソースや中華料理など、さまざまな料理に使いやすいのが特徴です。

缶詰や冷凍でも市販されており、彩り野菜の一つとしてとても使いやすい豆の一つです。

とりすぎた塩分を排泄し、血圧を安定させたりむくみを解消したりする働きがあるカリウム、腸の蠕動運動を盛んにし、便秘解消にも効果的な食物繊維、疲労回復に効果的なビタミンB1、また、動脈硬化や脳卒中、高脂血症を予防し、ダイエットにも効果的だと言われるレシチンを多く含んでいます。

スナップエンドウ

スナップエンドウ

スナップエンドウもまた、グリーンピースの改良品種の一つです。

1970年代にアメリカより導入され、当時は「スナックエンドウ」、「スナップエンドウ」と2種類の呼び名がありましたが、1983年、農林水産省によって「スナップエンドウ」という名に統一されました。

スナップエンドウも全体にふっくらとした厚みがあり、さやに傷がなく、ヘタにはピンとしたハリがあるものを選びます。

ヘタとスジをとり、少々の塩を加えた熱湯でさっとゆで、冷水にとって色止めします。

ほかの豆類同様鮮度が落ちやすいので、食べられる量だけ購入し、できるだけ早く茹でていただきましょう。

甘味があるスナップエンドウは豆独特のにおいも少なく、いろどり野菜として、また、天ぷらや炒め物、サラダの具としても使いやすく、おススメです。

栄養価はきぬさややグリーンピース同様、ビタミンB1やビタミンC、βカロテンなどを豊富に含んでいます。

さやいんげん

さやいんげん

いんげん豆とは、中南米原産のマメ科の植物で、日本へはいんげん和尚により、17世紀に持ち込まれたとされています。

いんげん豆には種類が多く、白あんで知られる白いんげん・「大福豆」や「手亡(てぼ)」、また、チリビーンズに使われる赤い金時豆、また、うずらまめやとらまめと言ったまだら模様の豆も同じ仲間で、豆類の中では大豆同様、世界中で食べられています。

このいんげん豆をさやごと食べられるように品種改良したものがさやいんげんです。

皮膚や粘膜を保護し、免疫力を高めるβカロテン、疲労回復に効果的なビタミンB1/B2、アスパラギン酸や、むくみ解消、とりすぎた塩分を体外へ排せつし、血圧の安定に効果を発揮するカリウムを多く含んでいます。

色あざやかな緑色でハリがあり、表面が滑らかで鉛筆より細いくらいの太さのものを選びます。

色が黄色味がかっていたり、内側の豆の形が分かるほどデコボコしているものは、鮮度が落ちていたり、育ちすぎて固くなっていたりするので避けましょう。

他の豆同様、鮮度が落ちやすいので、食べられる量だけを購入することをおすすめします。

最近は筋がない品種が一般的になってきており、ヘタを切り、さっと塩ゆでして冷水にとり、彩りに利用したり、胡麻和え、炒め物のほか、天ぷらにしたりしても、美味しくいただけます。

免疫力を高めるβカロテンのほか、ビタミンCやカリウムを多く含んでいます。

別名をさんど豆とも言いますが、これは1年で3回収穫できることに由来しています。

そら豆

そら豆

そら豆はエジプトを中心とした中近東が原産で、日本へは奈良時代にインド、中国を経て持ち込まれました。

そら豆を漢字で書くと、「空豆」また、「蚕豆」の2種類があります。

これは、そら豆のさやが写真のように上を向いて実ることから、空に向かって伸びる「空豆」、また、そら豆が、蚕が繭を作り、さなぎになる頃旬を迎えることから「蚕豆」とする、そら豆のさやの内側はフワフワと柔らかく、形が蚕を連想させるから、という説があります。

そら豆は千葉県、鹿児島県、また、茨城県で多く作られています。

塩分代謝を促し、血圧を安定させたりむくみを解消したりするカリウムのほか、マグネシウムや鉄分、リンなどのミネラル分、肌をすこやかに保ち、抗酸化作用が高いビタミンC、さらに、疲労回復に効果的なビタミンB1、B2をはじめとするビタミンB群を豊富に含んでいます。

若どりした緑色も鮮やかなそら豆のほか、完熟したものを油で揚げ、「いかり豆」にしたり、甘納豆にしたりと、菓子としても利用されています。

また、醤油で煮た「しょうゆ豆」は香川県の郷土料理として知られています。中華料理の調味料として有名な豆板醤は、乾燥したそら豆を利用して作られています。

みどりの豆を楽しむパスタ

みどりの豆を楽しむパスタ

春のおいしい豆類、ここにご紹介したものだけでなく、他にもいろいろな種類がありますね。今回はそんな豆類を贅沢に使用したパスタをご紹介します。

レシピに出てくるすべての豆を使用せずともおいしく作ることができますので、その日に手に入るもので楽しく作って召し上がってくださいね。

【材料】2人分
・そら豆、グリーンピース、スナップエンドウなどお好みの豆類…200g程度
・スパゲティー…160g
・新玉ねぎ…1/8個
・生ハム…2~3枚
・塩…適宜

材料

【作り方】

①豆類は必要に応じて皮をむき、そのまま食べるものは洗ってスジを取っておきます。さやいんげんのように長いものは一口大に切っておきます。

②フライパンか鍋に湯を沸かし、塩(分量外※)を入れて、まずはそら豆を茹でます。1分程度で取りだし、薄皮をむいておきます。

③そら豆を取り出した湯でパスタを茹でます。袋の表示の茹で時間の2分前に①のそら豆以外の豆を入れ、一緒に茹でます。(一緒に茹でることでパスタに豆の香りが移り、豆のおいしさを取り込むことができます。)

作り方③

④パスタを茹でている間に新玉ねぎは薄くスライス、生ハムは一口大に切っておきます。

⑤③が茹で上がったらざるに取り、茹でるのに使用したフライパンまたは鍋にオリーブオイル入れ、火にかけます。

⑥オリーブオイルが温まったら⑤のパスタと豆、④の新玉ねぎのスライス、②のそら豆を加え、さっと和えるように炒め合わせます。

作り方⑥

⑦パスタと豆を皿に盛り、④の生ハムを彩りよく盛り付けます。

作り方⑦

※スパゲティやマカロニなどのパスタ類を茹でるときは、乾麺100gに対し、水1リットル、塩10gを基準にします。

毎日楽しく栄養バランスをとるために

日々の食事を作る時、ご家族やご自身の健康を守るため、今の体にはどのような栄養が必要なのか、毎日季節のものを上手に利用した食事をとりたいですね。

とはいえ、家族の好みや健康状態を考えながら、毎日違うメニューで作るとなると、以外に難しいものです。

特に年齢を重ねた方の食事は、持病による食事制限や咀嚼・嚥下の不安などから若い世代の方々とは別メニューが必要になったり、量を召し上がられない方の場合は、栄養不足になっていたりしないかということも気になるもの。

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この機会にぜひお試しくださいね。

まとめ

今回は春から初夏にかけて旬を迎える豆類やその栄養、レシピをご紹介しました。

未成熟でいただくこれらの豆類は鮮度が落ちやすく、また、旬の時期も意外に短いものです。

まとめて購入した場合は固めに茹で、冷凍しておくと少しずつ使えて便利ですよ。調理の際は凍ったまま、仕上げの頃に加え、解凍する程度の加熱にとどめると、きれいな色のまま食卓に乗せることができます。

豆類に限らず、旬の食材はとりわけ味がよく、その時期に私たちが必要とする栄養をたっぷりと含んでいると言います。

ぜひおいしい時期を逃さず召し上がってくださいね。

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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