端午の節句とは?家族で楽しみたい柏餅や粽とその由来
作成日:2022年4月15日
爽やかな初夏をも思わせる風が吹く5月5日は、端午の節句。子どもの日ですね。
しょうぶ湯に入り、柏餅や粽(ちまき)をいただき、子ども達の健やかな成長を祈ります。
今回は、子どもの日がなぜ「端午の節句」と言われるのか、そもそも端午の節句とは何なのか、また、美味しい柏餅の作り方などをご紹介します。
端午の節句とは?
子どもの日、端午の節句は、現在子どもの成長を祈る日、男の子の節句として知られていますが、いったいどのような日として産まれたのでしょうか?
節句とは、奈良時代に中国から伝わった陰陽の思想と、日本の稲作文化における暦が上手く融合して今日まで伝えられている行事の一つです。
1月7の人日、3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日の重陽、この頃はちょうど季節の代わり目でもあり、体調を崩して風邪などひきやすい時期でもあります。
古の人々は、特にこの頃、病気や災いを招く邪気が私たちに降り注ぐとして、この日に祭事を執り行い、無病息災を祈る風習が生まれました。
また、古くは十二支の干支の並びになぞらえ、時刻や日時を数えるために、子丑寅卯…となぞらえていました。
端午とは、端=端の・午=うまの日、5月最初の午の日であること、午を「ご」と読むことから、「端午の節句」として古くから受け継がれてきました。
端午の節句を「子どもの日」と制定したのは、第二次世界大戦後の昭和20年代、祝日を制定する際に、(昭和)天皇誕生日(4月29日)、憲法記念日(5月3日)と共に祝日として制定されたということです。
内閣府の「国民の祝日に関する法律」のホームページには、昭和23年に制定された、法律第178号、国民の祝日に関する法律として、子どもの日を5月5日、『こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。』としています。
端午の節句にまつわる行事や食べ物由来とは?
このようにして制定された、こどもの日、ちいさな子どもが居ない家庭でも、しょうぶ湯に入ったり、柏餅や粽を頂いたりして過ごすという方も多いことと思います。
ここからは、それぞれの由来をご紹介していきましょう。
しょうぶ湯
端午の節句のお風呂といえば、しょうぶ湯。厄払いとして風呂に浮かべるものですが、ではなぜ他の植物ではなく、ショウブなのでしょうか?
ショウブはサトイモ科の植物で、東アジアからインドにかけての湿地に自生する多年草で、日本刀のようにシャープな形の葉が特徴です。
ショウブの花と言えば、五月人形とともに想像する、紫色の美しいものかと思われるかもしれませんが、あの花は実はアヤメ科の花しょうぶの花で、しょうぶ湯に使うショウブとは違うものです。
しょうぶ湯に使用するショウブの花は、同じサトイモ科のカラーという花の中心部、食べ物でいうと、ヤングコーンをずんぐりとしたような形のとても地味な花です。
その根茎は、「菖蒲根(ショウブコン)」という生薬として利用されており、水浸剤は真菌薬として、煎じ薬は健胃薬、止瀉薬・腹痛止めや去痰薬など、さまざまに利用されています。
このような薬効があるショウブは、日本でも古くから魔除けや厄払いができる植物として利用されてきました。
ショウブの名が勝負や尚武(武芸を尊ぶこと)と同じ読み方であることなども合わせ、男の子の節句であるこどもの日にはかかせないものとなっていったのでしょうね。
こいのぼり
鯉の滝登り、という言葉がありますね。
これは、中国は黄河にある龍門という滝を登りきると龍になるという伝説にちなんでおり、日本でも鯉は「出世をする」という縁起を担ぐようになりました。
「登竜門」という言葉も、ここからきているということです。
きれいな水だけでなく、汚れた水の中でも生きていける、強い生命力を持つ鯉にあやかり、健康で丈夫な子に育つように…という願いも込められました。
こいのぼりの上部についている「矢車」という丸い風車のような飾り。
よく見ると弓矢の矢が中央に向かっていく形をしています。これは、矢が邪気を打ち抜く、いわば魔除けの意味があるのです。
回転する時のコロコロという音も、邪気を追い払う意味があると言われています。
また、一番上についている5色の筒状の飾りは「吹き流し」といい、中国で産まれた陰陽五行説による五色を表しています。
それぞれ「木(青・春)」「火(赤・夏)」「土(黄・梅雨)」「金(白・秋)」「水(黒・冬)」を表し、すべての要素を持った五色の吹き流しが魔除けを意味しています。
この吹き流しはこいのぼりよりも歴史は古く、戦国時代から魔除けとして利用されていたということです。
五月人形
子どもの日に飾るものといえば、鎧(よろい)兜(かぶと)、いわゆる五月人形ですね。
鎧や兜は武士が戦争の時に自らを守るために身に着けたもの。子どもの日に飾り、健やかでたくましい心身の成長を祈ってかざられるようになったと言われています。
また、本来の端午の節句は旧暦で祝われていたため、現在でいう5月5日ではなく、6月の初旬でした。
梅雨を前に、武家では鎧兜を虫干し、手入れする習慣があり、それが魔除けの風習へとつながったという説もあります。
粽
子どもの日にいただく食べ物の一つに、粽があります。
粽といえば、関東では竹の皮で包まれ、肉やうずらの茹で卵が入った中華風のおこわを思い浮かべる方が多いと思います。
が、子どもの日の歌に出てくる粽(♪ちーまーきー食べ食べ兄さんがー♪)は、笹の葉にくるまれた細長い粽、主に関西地方で食べられているものを指します。
粽は奈良時代に中国から伝えられた食べ物の一つです。
当時は都が奈良・京都にあったため、現在も主に西日本を中心に食べられています。
粽の由来には諸説ありますが、有名なものは下記の説です。
その昔、中国で、政治家の側近であった屈原(くつげん)という人物が、政治の渦に巻き込まれてしまい、失意の中、長江の支流の一つに身を投げ、命を落としました。
屈原の死を悼んだ人々が、彼の命日である5月5日、供養のために川にもち米を投げ入れましたが、川に住んでいる龍がすべて食べてしまいました。
そのため、無事屈原に届けるために、もち米を龍が嫌う楝樹(れんじゅ)という木の葉で包み、先に紹介した厄除けの力が宿るという、五色の糸で結わえて投げ入れることにしました。
この風習が日本に伝わり、楝樹の葉から笹の葉へと変化して、日本で粽として食べ継がれるようになったということです。
楝樹とは、日本ではセンダン呼ばれ、街路樹としても植えられることがある、以外にも身近な木です。
また、その皮は苦楝皮(くれんぴ)という生薬として駆虫薬に、秋に収穫する果実は苦楝子(くれんし)として、生の果肉をあかぎれなどの手荒れの薬として使用していました。
なお、京都には餅は入っていない、笹の葉を巻いて赤い短冊をつけた「厄除け粽」が玄関先に吊るされているのを見ることができます。これは食べるためのものではなく、厄除けのお守りとして作られたものです。
柏餅
一方、関東を中心に子どもの日に食べられるようになったのは、柏餅です。
柏餅は粽とはちがい、日本発祥の食べ物とされています。
柏の木は春になり新芽が育つまで、旧葉を落とすことはありません。
そのため、子孫繁栄、家系存続の象徴として、特に江戸時代、武家社会の中で縁起の良い食べ物として定着しました。
火事が多かったとされる江戸において、幹にコルク層があり、耐火性に富んだ柏の木は縁起が良く、また、柏の木は関西以西では育ちにくいということも、関東を中心に柏餅が定着した理由の一つとされています。
中部地方以西では柏の葉ではなくサルトリイバラという植物の葉を利用して、柏餅のような餅をつくることがあります。
また、新潟や岐阜、愛知、三重周辺では、ミョウガの葉を使って「みょうがぼち」が作られています。
レンジで簡単!手作り柏餅
子どもの日が近くなると店頭に並ぶ柏餅ですが、実は簡単に手作りすることができます。
柏の葉も、製菓材料店で数枚パックになっているものが手軽に入手できるようになってきました。
機会があれば、ぜひお試しくださいね。
【材料】4個分
・上新粉…120g
・白玉粉…30g
・砂糖(上白糖)…20g
・水…180cc
・こしあん…120g
・柏の葉…4枚
【作り方】
①柏の葉は下記の処理方法を参照にして下処理し、しっかりと水分をふき取っておきます。こしあんは4等分し、丸めておきます。
②耐熱性のボールに水と白玉粉、砂糖を入れ、泡だて器などでよく混ぜ溶かします。(白玉粉には塊があるため、ここでしっかりと溶きほぐしておきます。)
③②の白玉粉がしっかりと溶けたら上新粉を入れ、さらに混ぜてトロトロの生地を作ります。
④③のボールのふちをゴムベラなどで一周拭ってきれいにし、ふんわりとラップフィルムをかけ、600Wの電子レンジで1分30秒加熱します。
⑤中央部分から固まってくるので全体を混ぜ、さらに1分30秒加熱します。
⑥さらに取り出しては様子を見ながら30秒程度加熱しては混ぜ、を繰り返し、全体的に透明感が出てきたらクッキングシートなどの上に取り出します。(生地が固くなり、ボールの中で混ぜにくくなれば、先にクッキングシートの上に取り出し、シートで包みこねるようにしながら混ぜて電子レンジにかけてもよいです。その場合は、クッキングシートが電子レンジ対応のものかどうかをご確認くださいね。
⑦火傷しないようにクッキングシートで包みながらこね、人肌程度に冷めたら4等分して丸めます。細長い筒状に伸ばしてから押しつぶして小判状にまとめ、中央より少し手前に①の餡をのせて半分に折り曲げ、周囲を優しく押さえて包み込みます。
⑧①の柏の葉で巻いて密閉容器に入れ、1時間程度なじませ、柏の葉の香りを餅に移します。
健康な日々を過ごすために
四季のある国、日本では、季節ごとにさまざまな節句を祝い、行事のまつりごとを行ったり、行事食をいただいたりしますね。このような節句を楽しめるのも、健康な体あってのこと。
行事食ではなくても、普段の食事を丁寧に作り、健康な体を維持したいものですね。
しかし、年齢を重ねると咀嚼や嚥下に不安が出てきたり、持病やダイエットを考えたりして、食べ物に気を使わねばならないご家庭も多いのではないでしょうか?
仕事や家事もこなしつつ、ご家族の健康を考えて日々の料理を作るのはなかなか大変です。
そんな時におススメしたいのが、まごころ弁当のお弁当です。
まごころ弁当のお弁当は管理栄養士が食べる方のことを考え、こだわりを持って選んだ食材を使って作るおいしいお弁当です。
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まとめ
端午の節句。
小さな男の子がいる家庭ではなくても、しょうぶ湯や柏餅、粽などで楽しむことができます。
お天気が良い一日なら、お散歩がてら出かけた公園や明るい窓辺で、柏餅とお茶のティータイムを過ごしてみませんか?
子どもの頃の話を思い出したり、写真などを見てみたりするのもよいですね。
端午の節句、楽しんでくださいね。